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有機ELの本格ゲーミングモニターが7万円に、26.5型/WQHD/240Hzの「MSI MAG 274QP QD-OLED X24」はお買い得?

0.03msの応答速度に量子ドットで鮮やかな表示も魅力の1台 text by 坂本はじめ

 有機ELパネルを使用したゲーミングモニターは高級機が中心となっていたが、MSIから実売7万円切りの26.5型モデル「MAG 274QP QD-OLED X24」が登場した。

 240Hz/0.03ms駆動のQD-OLEDパネル(量子ドット有機EL)を採用し、解像度はWQHD(2,560×1,440ドット)、VESA ClearMR 13000認証取得の高速性に加え、DCI-P3カバー率99%の広色域、ΔE≦2の色精度、150万対1のコントラスト比など、費用対効果の高さが光る製品だ。

 手頃な価格で有機ELゲーミングモニターに期待される性能が実現されているのか、実機で確かめてみよう。

240Hz駆動のQD-OLEDパネルを採用した26.5型WQHDゲーミングモニター

 MAG 274QP QD-OLED X24は、コストパフォーマンスの良さが特徴のMSIのゲーミングブランド「MAG」に属するゲーミングモニター。

 冒頭でも記載したが、26.5型のQD-OLEDパネルを採用し、画面解像度はWQHD(2,560×1,440ドット)、リフレッシュレートは240Hzとなっている。応答速度は0.03ms(GTG)で、ブラーの少なさを示すVESA ClearMR 13000認証を取得している。

26.5型WQHDゲーミングモニター「MAG 274QP QD-OLED X24」
MSI独自の冷却機構によりファンレス仕様を実現、電源はACアダプタを必要としない内蔵型となっている

 また、各画素が自発光素子で構成されるOLED(有機EL)の特性により、コントラスト比は1,500,000:1と非常に高く、量子ドット技術(QD)の採用による優れた色再現性(sRGB=100%、Adobe RGB=98%、DCI-P3=99%)を実現。色精度は工場出荷時のカラーキャリブレーションによりΔE≦2に調整されている。

240Hz/0.03msで駆動するQD-OLEDパネルは色再現性やコントラスト比にも優れており、美しい映像でゲームを楽しめる

 MAG 274QP QD-OLED X24の映像入力用インターフェイスは、DisplayPort 1.4a(1基)とHDMI 2.1(2基)で、いずれもWQHD/240Hzでの映像入力に対応している。

 また、MAG 274QP QD-OLED X24はNVIDIAの可変リフレッシュレート「G-Sync Compatible」に対応。DisplayPort接続時とHDMI 2.1接続時の両方で可変リフレッシュレートが利用できる。また、HDMIについてはゲーム機のPS5でも可変リフレッシュレート(VRR)を利用可能だ。

本体背面に配置されたインターフェイス。映像入力用はDisplayPort 1.4a(1基)とHDMI 2.1(2基)の3系統。付近にはヘッドホン出力も備えている
DisplayPortとHDMIは両方ともWQHD/240Hzでの映像入力に対応
NVIDIAの可変リフレッシュレート技術「G-Sync Compatible」に対応。DisplayPortとHDMIの両方で可変リフレッシュレートが利用できる
HDMIポートはVRRをサポートしており、ゲーム機のPS5でも可変リフレッシュレートを利用できる

 MAG 274QP QD-OLED X24の動作設定は、本体背面の中央下部に配置されたジョイスティック(Naviキー)でOSDメニューを操作して行う。

 OSDメニューからは基本的な動作設定のほか、映像のコントラストや輝度を自動で調整するAIビジョンや、モニターの表示を24.5インチ相当に縮小表示する24.5インチモード、複数の入力ソースを画面内に同時表示するPIP/PBP、QD-OLEDパネルの劣化を抑制する保護機能「MSI OLED CARE 2.0」などの設定が行える。

本体背面の中央下部に配置されているNaviキー
MAG 274QP QD-OLED X24のOSDメニュー
AIビジョン。コントラストや輝度を自動調整することで映像をより鮮明に表示することができる
24.5インチモード。パネルの表示領域を24.5インチ相当に縮小して表示する
モニターに入力された映像ソースを重ねて表示するPIP(Picture in Picture)
モニターに入力された映像ソースを分割して表示するPBP(Picture by Picture)
焼き付きをはじめとするOLEDの劣化を抑制する保護機能MSI OLED CARE 2.0を調整できる
MAG 274QP QD-OLED X24のMSI OLED CARE 2.0は、メンテナンスの実行間隔を24時間に延長している

キレの良い映像と豊かな色表現が魅力のMAG 274QP QD-OLED X24「24.5インチモード」搭載でeスポーツの大会を意識した練習も可能

 ここからは、実際にMAG 274QP QD-OLED X24でPCの操作やゲームをプレイしてみての印象や使用感を紹介しよう。

MAG 274QP QD-OLED X24にWindows PCを接続してテストしてみた

 MAG 274QP QD-OLED X24にデスクトップ画面やゲームを表示した際に、まず気づくのはQD-OLEDパネルの優れた発色だ。

 DCI-P3カバー率99%をうたうQD-OLEDパネルは広色域をカバーできる発色の良さを備えており、これに自発光素子であるOLEDならではの締まりのある黒の表現力が加わることで、鮮やかでコントラストも高い映像表現を実現している。これはゲームに限らず、動画や写真を参照するのにも適した特性だ。

鮮やかな発色と締りのある黒による色表現は素晴らしいもので、ゲームに限らず動画や写真も鮮やかに表示できる

 ゲームにおいては、240Hz/0.03ms駆動による滑らかでありながらもキレのある表示が印象的だ。

 リフレッシュレートが高いほど映像を滑らかに表示できるわけだが、応答速度が遅いと動きのある映像ではモーションブラーが生じてぼやけて見えてしまい視認性が悪くなる。この点、OLEDパネルは液晶パネルとは桁違いの応答速度を実現しており、0.03ms(GTG)の応答速度でVESA ClearMR 13000認証を取得したMAG 274QP QD-OLED X24は、モーションブラーの少ないクリアな表示によって、キレのある映像表現を実現している。

応答速度0.03msによるモーションブラーの少ない映像でゲームをプレイできる。VESA ClearMR 13000認証を取得したキレの良い映像表現は、同じ240Hz駆動でも液晶パネルでは得難いOLEDゲーミングモニターならではのものだ

 また、ゲームにおいてはG-Sync Compatible対応の可変リフレッシュレートが利用できることも大きな魅力。Adaptive SyncやHDMI 2.1のVRRに対応しているビデオカードやゲーム機であれば、NVIDIA GPU以外でも可変リフレッシュレートを利用できる。

 MAG 274QP QD-OLED X24の可変リフレッシュレート機能は約48Hz~240Hzの範囲をサポートしており、競技性の高いゲームから没入感重視のゲームまで柔軟に同期できる。可変リフレッシュレート機能はフレーム生成との相性もよく、NVIDIAがDLSS 4.5で導入した動的マルチフレーム生成を用いれば、240Hzの滑らかな映像表現をグラフィック重視のゲームでも楽しむことができるだろう。

可変リフレッシュレートはOSD上で「Adaptive Sync」を有効にすることで利用できる。G-Sync Compatible対応をうたうMAG 274QP QD-OLED X24だが、機器側がAdaptive SyncやVRRに対応していればNVIDIA GPU以外でも可変リフレッシュレートを利用できる

 MAG 274QP QD-OLED X24の24.5インチモードは、画面解像度やリフレッシュレートは通常モードと同じWQHD/240Hzでの映像入力をサポートしており、画面上ではWQHD解像度の入力映像を縮小表示する形となっている。縮小表示により映像の鮮明さは多少損なわれるが、リフレッシュレートに制限がないのは良い点だ。

 ただし、24.5インチモード有効時のMAG 274QP QD-OLED X24は、PIP/PBPが使えなくなるほか、可変リフレッシュレート機能も使用できなくなる点には注意が必要だ。

eスポーツ大会での採用例が多い24インチ前後の表示領域をエミュレーションする「24.5インチモード」。リフレッシュレートは最大240Hzを保てるが、可変リフレッシュレートが利用できない点には注意したい

 MAG 274QP QD-OLED X24のQD-OLEDパネルは、MSIが「スクエアストライプ」と呼ぶサブピクセル配列を採用している。

 これは、細かい文字の表示を苦手としていた初期型のQD-OLEDパネルのダイヤモンド配列を改良したもので、液晶パネルや最新鋭の第5世代QD-OLEDパネルが採用するRGBストライプ配列ほどではないものの文字の表現力が向上しており、Windowsのデスクトップ表示やアプリケーションの利用もさほど違和感なく利用することができた。

初期型のQD-OLEDに比べ、テキストや細かい表示の表現力が向上した「スクエアストライプ配列」を採用。RGBストライプ配列ほどの精細感は得られないが、Windowsやゲーム以外のアプリをさほど違和感なく利用することができた

調整範囲の広いスタンドが付属、VESA100対応でモニターアームでの利用も可能

 MAG 274QP QD-OLED X24には、高さやチルト、スイベル、ピボットの調整に対応した高機能なモニタースタンドが付属する。調整範囲の自由度だけでなく安定感も高いレベルで確保されているので、安心して使うことができる。

 また、付属のVESAマウント用スペーサーを用いれば、VESA100対応のモニターアームを使用することも可能だ。

高さの調整範囲は「0~110mm」
チルト(上下角度)の調整範囲は「-5~20度」
スイベル(左右角度)の調整範囲は「-30~30度」
ピボット(画面回転)の調整範囲は「-90~90度」
MAG 274QP QD-OLED X24のモニタースタンド。高さ/上下角度/左右角度/ピボットに対応している
付属のスペーサーを取り付けることで、VESA100対応のモニターアームを利用できる

 付属品は、電源ケーブル、DisplayPortケーブル、VESAマウント用スペーサー、クイックスタートガイド、クリーニングクロス。HDMIケーブルは同梱されていないので、別途HDMI 2.1対応ケーブルを用意するか、ゲーム機などの場合は機器側に付属するケーブルを使用するのが良いだろう。

MAG 274QP QD-OLED X24の付属品。映像入力用はDisplayPortケーブルのみなので、HDMIケーブルは別途用意する必要がある

手頃な価格でQD-OLEDの映像美が楽しめるゲーミングモニターユーティリティ設定機能やUSBハブ機能などを省くことで表示性能重視の高コストパフォーマンスモデルに

 MAG 274QP QD-OLED X24は、WQHD/240Hz駆動のQD-OLEDパネルならではの高速で美しい映像を楽しめるゲーミングモニターだ。

 高価で高機能なモニターが備えるユーティリティによる動作設定やUSB接続機能などを省略する代わりに、映像品質に特化することで69,800円前後という手ごろな価格を実現したMAG 274QP QD-OLED X24。高嶺の花であったQD-OLEDゲーミングモニターを手の届く存在へと変えるコストパフォーマンスの高さは、表示性能にこだわるゲーマーにとって大きな魅力と言えるだろう。

●「MSIで揃えて豪華特典Visuals Built for Victory」実施中

 MSIのMPG/MAGシリーズのQD-OLED/Mini LEDモニター製品の購入者対象としたキャンペーンが実施されている。

 指定されているMSIのPCパーツやモニター、ノートPCやゲーミングPCを所有または購入し、対象となるゲーミングモニターを購入してレビューを投稿すると、最大で10,000円分の「えらべるPay」がプレゼントされる(詳細はキャンペーンページを参照のこと)。

 対象となるモニターは20モデル以上と多く、今回レビューを行ったMAG 274QP QD-OLED X24も対象になっている。MSIのゲーミングモニターを購入する予定のユーザーはキャンペーンページをぜひ確認してもらいたい。