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Cooler Masterの大型ハイエンド空冷「V8 ACE 3DHP」と強力エアフローのタワーケース「HAF II 500」で“フル空冷のハイエンドゲーミングPC”を作る

扱いやすくてよく冷える、36cm簡易水冷環境に迫る実力 text by 石川 ひさよし

 最近のハイエンドCPUで組もうというとき、「水冷CPUクーラーを組み合わせなければダメ」と思ってはいないだろうか。確かに、CPUメーカーがハイエンドCPUには水冷CPUクーラーの組み合わせを推奨する時代ではある。しかし、高性能な空冷CPUクーラーと、エアフローに優れたPCケースというパッケージなら十分に対応可能である、というのが本稿のテーマだ。

 今回紹介するのはCooler Masterの製品で、CPUクーラーが「V8 ACE 3DHP」、PCケースもミドルタワーの「HAF II 500」。いずれも同社のハイエンド向け新製品で、現在のPCパーツおよび冷却の“最先端”トレンドに対応した設計を取り入れた、ユニークな設計のアイテムだ。製品の特徴の解説と両者を組み合わせた性能テストのレポートをお届けする。

3DHPとSCCHPを組み合わせたハイエンド空冷「V8 ACE 3DHP」

 まずはハイエンド空冷CPUクーラー「V8 ACE 3DHP」をチェックする。

V8 ACE 3DHP。「V8」からイメージできるとおり(V型ではないが)エンジン風の造形で、ファンのトップがヘッドカバー、その間がエキゾーストマニホールドを模しているかのようだ。ファンのブレード素材はLCP

 製品名にもあるとおり、同社「3DHP」ヒートパイプを採用しているのが第1の特徴だ。サイドフロー型CPUクーラーのヒートパイプは一般的にU型をしているが、3DHPはU型にもう1本足した“三叉”に近い形状をしている。

 サイドフローCPUクーラーのフィンスタックは、9~14cmのファン径に合わせた幅で、これの両端に近い部分にヒートパイプが通っているが、中央にはややスペースが空いていることが多い。三叉のヒートパイプとすることで、この空きがちなスペースへ新たに1本ヒートパイプを通す、というのが3DHPの狙いだ。これにより、従来の構造よりもフィン全体に熱を広く均等に分散し、冷却の効率を向上させている。

横から見たフィンスタック。中央付近を縦に貫くヒートパイプが配置されている3DHPが特徴。三叉の3DHPの2組、SCCHPの4本を直線上に配置したレイアウトで、ヒートシンクを抜けるエアフローのよさも3DHPを採用した製品のポイントだ

 3DHPを採用するクーラーは、シングルファンの「Hyper 212 3DHP」、デュアルファンでミドルレンジ仕様の「V4 Alpha 3DHP」に続いて、本機が3番目。ファンの数とグレードが異なるものの、いずれもシングルタワー、12cm角ファン採用という点は共通する。

 設計的に大きく強化されている点はヒートパイプだ。Hyper 212 3DHPとV4 Alpha 3DHPは、いずれも3DHP×2組構成。一方のV8 ACE 3DHPは、3DHP×2組にSCCHP(超電導複合ヒートパイプ)×4本を加えた計6本のヒートパイプを搭載する。3DHPは2組で一般的なヒートパイプの4本分相当をうたっているので、V8 ACE 3DHPは8本相当ということになる。満を持して投入されたハイエンドモデルにふさわしい豪華な構成と言えるだろう。ヒートパイプ×8本のリッチな構成の製品となると、Cooler Masterのもうひとつのハイエンドである「MasterAir MA824 Stealth」のような“大型ツインタワー”モデルに匹敵する。

シングルタワーヒートシンクを前後ファンで挟むレイアウト

 デュアルファンという点はV4 Alpha 3DHPと同様だが、本機のファンは厚さ30mmとやや厚みのあるタイプ。さらに、フロントファンとリアファンの仕様も異なっており、フロントは最大2,500rpmの標準ブレード、リアは最大2,050rpmのリバースリングブレードを採用。「冷たい空気をヒートシンクに吸気する」、「熱を持った空気を効率よく排気する」という異なる役割における性能・効率を高めるとともに、ノイズの低減やルックスの改善(どちらのファンもロゴがちゃんと見えるデザイン)を図っている。

リア側のファン方向から本機を見たところ。リバース仕様のファンなので、リアから見ても“ファンの裏側”が見えている感がない。リアファンはフロントよりもブレード数が多く、かつ外縁部がリング状につながった構造の“リングブレードファン”

 ハイエンドモデルとしてもうひとつ、Intel用、AMD用で製品を分けているところも特徴に挙げられる。Intel CPUのヒートスプレッダーは固定時に中央がわずかに反る、AMD CPUのヒートスプレッダーはよりフラットに近いという製品特性に対して、V8 ACE 3DHPのベース面形状を合わせている。

目視で分かるレベルではないが、今回用いたIntel用は、ベース面がわずかに盛り上がっている凸形状になっている。なお、AMD用は平坦なプレートが装備されているほか、ヒートパイプもそれぞれのプラットフォーム用に最適化されているとのことだ
製品パッケージの同梱物。クーラー自体は各プラットフォームに最適化されているものの、パッケージには両プラットフォームのリテンション金具が付属する
ファン固定は上から挿し込むスライド式で、分解や組み立ては非常にラク。背の高いメモリを使うためのオフセット取り付けにも対応できる

大口径ファン3基でエアフロー重視の「HAF II 500」

 続いて、今回のもうひとつの主役、タワー型ケース「HAF II 500」を見ていこう。

HAF II 500。エアフローを重視したマッシブなデザインのケース。サイズは奥行き557×幅262×高さ548mmで、作業性もよいサイズ感。側面はガラスパネル

 Cooler Masterの「HAF」と言えば「High Air Flow」の略で、エアフロー重視のケースだ。最新モデルのHAF II 500では、標準搭載ファンが特徴のひとつで、前面には22cm角ファン「MIGHTY40 F220」×2基、背面には18cm角ファン「MIGHTY40 V180」×1基を標準搭載する。天板にはファン未搭載だが、14/12cm角ファン×3基または18cm角ファン×2基が搭載可能だ。水冷ラジエーターは、前面および天板に最大36cmクラスの製品まで設置できる。

フロントファンは22cm角の大型ファン「MIGHTY40 F220」。同社SickleFlow 200(20cm角ファン)と比較すると、動作音が同レベルの場合はエアフローが2倍になるという。フロントパネルは抵抗が小さいメッシュ仕様だ
セットアップ後のPC内部。V8 ACE 3DHPの奥に見えるリアファンは18cm角の「MIGHTY40 V180」。SickleFlow 200比で、動作音が同レベル時にはエアフローは1.4倍になるという。F220、V180ともにLCPブレードを採用し、一般的なファンより厚い40mmというパワフルな設計
天板は、位置調整が可能なレール状のフレームと、ここに取り付けられている同じく位置調整が可能な固定具を用いてファンやラジエーターをフリーレイアウトできる設計

 電源ユニットはケース底面に取り付けスペースがあり、それを隠すカバーも装着されている。このカバーの前部は、前面ファンのエアフローがスムーズにビデオカードへと導かれるよう導風板形状となっている(エアフローの一部は電源ユニットのスペースにも導かれる)。横からは電源が隠れてスッキリ、一方で大口径前面ファンのエアフローはムダにせず冷却に活用する設計だ。

電源カバー前部は、フロントから取り込んだ空気をビデオカード方向へと誘導するスロープが設けられている。詳細は後述するが、ケース下部のエアフローは狙いどおりビデオカード方向にしっかり流れていた

V8 ACE 3DHP+HAF II 500の強力な冷却性能&エアフローハイエンドパーツ群も安心して運用できる実力を発揮

 それでは、V8 ACE 3DHPとHAF II 500を組み合わせて、実際に高性能CPU&GPUを搭載した環境での実力をチェックしていこう。テストに使用したPCの構成は下表のとおりだ。比較対象として36cmクラスのハイエンド簡易水冷クーラーも用意し、同様のテストを行った。テスト時の室温は25~26℃。

 なお、CPUの電力設定はマザーボードのデフォルトとしているが、CPUの電力制限は、定格および最大ターボパワーともに250W設定だった。

【検証環境】
CPUIntel Core Ultra 9 285K(24コア24スレッド)
マザーボードASUS ROG MAXIMUS Z890 HERO
ビデオカードZOTAC GAMING RTX 5070 Ti SOLID OC
メモリDDR5-5600 32GB(PC5-44800 DDR5 SDRAM16GB×2)
SSDM.2 NVMe SSD 2TB(PCI Express 5.0 x4)
CPUクーラーV8 ACE 3DHP Intelモデル
(比較用)簡易水冷クーラー(36cmクラス)
PCケースHAF II 500
電源ユニット850W(80PLUS Gold)
パーツ類を組み込んだところ。最新のパーツ類で固めているが、LED装飾はマザーボードとビデオカードのごく一部のみ。ブラック中心のシブくパワフルなデザインにまとまった
組み込み後の内部を真横から見たところ。ケース内部の広い空間、マザーボードベース手前側のスライド式ケーブルカバーなど、組み込みやワイヤリングの作業は非常に行いやすい。大型のビデオカードを組み込んだ後もスペースには十分に余裕があるため、エアフローが十分に確保できそうだ
ケース内部を下から見上げた様子。V8 ACE 3DHPを取り付けたままEPS12V補助電源にアクセスするのはさすがに厳しいが、マザーボードベース上部と天板の間には、40mm厚のファンや水冷ラジエーターを組み込んでも十分な余裕が確保できるスペースがある
大型のビデオカードを支えるサポートステイを装備。主張し過ぎないコンパクトなサイズとデザインだが、安定感は十分にある
組み込み後の裏面側
表面のスライド式ケーブルカバーの裏面側には扉状のプレートが設けられており、ここにケーブルをまとめて収納することが可能。面ファスナーやケーブルタイを通すためのフック類も多数用意されているので、ケーブルは整理しやすい
ファン/LEDのハブを標準で装備する

 ではテスト結果を順に見ていこう。なお、温度のログはHWiNFO64で計測し、約1,000ms(=1秒)間隔でデータを取得する設定とした。ただし、システム全体の負荷により、計測タイミングにわずかなずれが生じるため、グラフの横軸は、時間経過とほぼ同義だが“約1秒ごとの計測回数カウント”(=count、約1秒で1カウント)としている。

 まず、レンダリングベースのベンチマークであるBlender Benchmark 3.3.0は、CPU演算処理を選択して実行した。テスト内容はMonster/Junkshop/Classroomという3つのシーンに分かれており、それぞれ30秒程度の比較的短時間の負荷がかかる。

Blender Benchmark 3.3.0(CPU)実行中のCPU温度の推移

 V8 ACE 3DHPは、前半2つのテストシーンでは最高が78℃、最後のテストでは81℃となった。シングルタワーのデュアルファン空冷クーラーとしては、よく冷却できている印象だ。Core Ultra 9 285Kでサーマルスロットリングが生じる温度は105℃付近なので、まだ20℃以上の余裕がある。

 36cmクラスの簡易水冷CPUクーラーと比べると、最大で5℃の開きとなった。ハイエンド水冷を比較対象としたため、もう少し大きな差が付くことも予想していたが、実際にはそれほど大きなものにはならなかった。なお、CPUクロックの最大値はどちらも4,866.7MHz、CPUパッケージ電力の最大値はV8 ACE 3DHPが254.572W、36cm水冷が242.43Wだった。ベンチマークスコアは両環境ともに、Monsterが260前後、Junkshopが180前後、Classroomが133前後。いずれもほぼ同じスコアとなったため、どちらの環境でも冷却不足はなく、CPUの性能がきちんと発揮されていたと言ってよいだろう。

 もう少しCPU負荷が長く続くベンチマークはどうだろうか。次はCinebench 2026のMultiple Threadsを見てみよう。

Cinebench 2026(Multiple Threads)実行中のCPU温度の推移

 ベンチマークの開始直後。CPU温度はぐんと上昇し、一旦75℃付近に達する。簡易水冷側はそこで一旦は落ち着くが、V8 ACE 3DHPはここからもうしばらく上昇し、80℃台に到達する。最高温度は83℃で、2回目のレンダリングの半ば以降、複数回出現する。

 簡易水冷CPUクーラー環境の最高温度は80℃で、Blender BenchmarkよりもV8 ACE 3DHPとの差は縮まっている。ただ、80℃は1回のみの大きなピークで、全体を平均すると5℃程度の差はあった。とはいえ、空冷で最高83℃というテスト結果は非常に優秀で、現行のCore Ultra 9を運用するには十分な冷却性能がある環境と言えそうだ。

 続いて、ゲームを利用したベンチマークを見てみよう。まずは軽量でフレームレートが高く、CPU負荷も比較的大きなレインボーシックス シージを試す。CPUの冷却性能をチェックするため、画質設定は“低”に抑えている。

レインボーシックス シージ: ベンチマーク実行中のCPU温度の推移

 V8 ACE 3DHP時の最高温度は序盤にあるピークで64℃。以降は60℃を挟んで上下し、温度推移としては安定していた。簡易水冷との差はおおむね5℃程度だが、いずれの環境でもこちらもPCの運用上はなんら問題はなく、高い冷却性能により安定したパフォーマンスを維持できている。

 一方、GPU負荷も高いサイバーパンク2077ではどうなるだろうか。このテストでは、CPUに加えてGPUの温度推移も確認するため、解像度はフルHD、画質設定は“レイトレーシング: オーバードライブ”、フレーム生成に“DLSS Multi Frame Generation 4x”を使用した。

サイバーパンク2077: ベンチマーク実行中のCPU温度の推移

 V8 ACE 3DHP環境での最高温度は終盤のピークで75℃で、70℃付近まで上昇する山が複数見られた。簡易水冷よりは温度は全体にやや上ではあるが、CPUの動作における“危険域”にはほど遠く、テスト終了後にはすみやかに温度が下がっていることも確認できているので、こちらもきわめて安定した動作としてよいだろう。

 HAF II 500のエアフロー重視の高い冷却性能は、テスト中のCPU“以外”のパーツの温度にどのような影響を与えているだろうか。サイバーパンク2077のベンチマーク実行中のVRM、GPU、VRAM、SSDの温度(+比較用のCPU)の推移をグラフ化した。

【V8 ACE 3DHP使用時】サイバーパンク2077: ベンチマーク実行中の各部温度
【36cm簡易水冷使用時】サイバーパンク2077: ベンチマーク実行中の各部温度

 GPU温度が40℃前後から50℃台に上昇した部分がベンチマーク起動のタイミングになる。この付近でCPU温度はむしろ低下しているが、ログを確認したところ、直前でファンの回転数が上昇しており、テストの開始とともにCPU温度がわずかに上昇してファンの回転数が上がり、この影響でむしろ温度が下がったものと思われる。

 水冷クーラー使用時はCPU付近のエアフローが弱くなりがちでVRM温度が上昇しやすい場合があるが、HAF II 500のエアフローのよさが奏功したのか、VRM温度はどちらの環境でも大きな差は付かなかった(ごくわずかにV8 ACE 3DHPのほうが低いが、その差は平均で1℃弱)。

 HAF II 500のマザーボードベースの横(本体フロント側)のスライド式ケーブルカバーは、傾斜の付けられた構造になっているため、フロントからの吸気をCPUクーラーに効率よく導く効果がある。これにより、CPUクーラーの冷却効果が高まるだけでなく、メモリやCPU周辺のパーツ類の放熱効果が向上しているようだ。いずれにしても、HAF II 500のフロントからの強力なエアフローの効果で、VRMの冷却も万全の状態と言えそうだ。

写真でCPUクーラーやメモリ、ATX24ピンコネクターの右側に見えているのがスライド式のケーブルカバー。緩やかな傾斜が設けられており、ケーブルを隠しつつ前方からの空気の流れをCPUクーラー方向に導くデザインになっている

 一方、熱源になりがちなM.2 SSDについては、V8 ACE 3DHPのほうが平均で4℃以上低くなった。また、CPUとVRAMの温度もV8 ACE 3DHP環境のほうが平均で2℃前後低くなっており、V8 ACE 3DHPによってCPU周辺のエアフローが補強され、M.2 SSDやビデオカードにプラスの冷却効果が現れたものと考えられる。

V8 ACE 3DHPとHAF II 500のエアフローをスモークで可視化してみた

 ベンチマークテストを通じて、V8 ACE 3DHPとHAF II 500を組み合わせた環境の冷却性能は十分にご理解いただけたかと思うが、スモーク発生装置を使用して強力なエアフローの可視化を試みた。ただ、すべてのファンの回転数を約30%に絞っても各ファンの風量が大きく、短時間でスモークを吸い込んで主に後方に強力に排気してしまうため、写真や動画にとらえるのはなかなか難しかったが……。

 スモークを使ってエアフローを観察したところ、想定したとおりのエアフローが確立できていることは確認できた。写真でまとめると下のようになる。

スモークを使ったテストにもとづいておおまかなエアフローを示した図

 前面上部のファンでの吸気は、ストレートにV8 ACE 3DHPに導かれていた。空気の流れの多くは期待どおりにCPUクーラーを通過しており、V8 ACE 3DHPの冷却性能を存分に発揮できるエアフローが確立できているようだ。一方、前面下部のファンによる吸気は、電源カバー部分のスロープの効果でビデオカード方向にスムーズかつ強力に送られている様子が見られた。しっかり冷やすべきパーツに対するエアフローは十分に確保できていることが分かる。

 また、PC外への排気は、背面上方の18cm角ファンが中心となる。各パーツ、CPUクーラーをスムーズに通過した空気は、この背面ファンによりスムーズに排気されていた。V8 ACE 3DHPの12cm角ファンを抜けた風が多少拡散したとしても、より大口径のHAF II 500リアファンがほとんどを吸い出してくれる、というわけだ。スモークを使用したテストで、ビデオカード裏面のブラケットに近い部分、マザーボードのVRMや最上段のM.2 SSD付近、ケース内の背面上方の角など、熱が滞留しやすい部分のエアフローも十分確保できることも確認できた。前述のグラフでVRMがかなり安定して低めの温度だったこと、M.2 SSDがV8 ACE 3DHP環境で特に温度が抑えられていたことは、こうした風量バランスが関係しているのだろう。

 さらに、ファンを装着していない天板方向、ビデオカードのバックパネル付近、電源ユニットの背面部分からも拡散した風の流れの一部が軽く抜けていく様子も観察できた。V8 ACE 3DHPとHAF II 500の組み合わせは、風量も強力、流れも理想的でスムーズで抜けもよい、ということが視覚的にもしっかり確認できるテストだった。

【最新ハイエンドPCケースとクーラーのエアフローを見せます】
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これだけ冷えて静かなら空冷で十分!快適で安心して使えるハイエンドゲーミングPCが組める!!

 以上、Cooler Masterの最新製品として、空冷ハイエンドCPUクーラーV8 ACE 3DHPと、エアフロー重視のハイエンドケースHAF II 500のパッケージを試してみた。まず、現在のハイエンドCPUを運用するにあたり、空冷CPUクーラーで間に合うのかという点についての答え合わせだが、検証結果のとおり、Core Ultra 9 285Kを定格で運用する場合には、V8 ACE 3DHPのような最新設計のハイエンド空冷クーラーであれば、問題なく冷やせていると言ってよいだろう。「1℃でも低く」を望むなら別の選択肢もあるが、CPUを安全に運用できるマージンはまだ十分にあるので問題はない。

 今回の構成については、冷却性能だけでなく静音性もなかなか優秀であったことを最後に触れておく。通気性がよい設計である半面、音漏れの影響がありそうなHAF II 500だが、実際には「常に静か」と言ってよいものだった。3つのファンすべてが大口径かつ低回転なので、HAF II 500自身の動作音はほとんど気にならないレベルだった。

 V8 ACE 3DHPも非常に優秀で、Cinebench 2026で高負荷をかけた際にファンが最大2,419rpmで動作したときはそれなりの動作音にはなったが、それでも轟音・爆音と感じるところまではいかなかった。カタログ公称値のファンノイズは、一般的に不快と感じるレベルである40dBを下回る、フロント37dB、リア34dBに収まっている。アイドル時はきわめて静かで、今回はマザーボードの自動設定に任せて、アイドル時は520rpm前後で緩やかに動作させていたが、この状態はほとんど無音になる。スペック上は“ゼロ回転”に設定することも可能だが、これだけ静かならあえてゼロ回転設定にする必要はないだろう。

 あとは組み合わせるビデオカード次第で、ここで静かな製品を選べれば、かなり静かなゲーミングPCが実現できるだろう。CPUの発熱の増大傾向が続いた状況に加え、派手なビジュアルも演出しやすいことから、近年は大型の水冷クーラーが人気を集めているが、しっかりと冷却性能が出せるハイエンド空冷クーラーは、組み込みやすさや使い勝手のよさで水冷クーラーに勝る点も多い。「空冷で冷やせるなら手間のかからない空冷で運用したい」という方は、本稿で紹介した結果のとおり、V8 ACE 3DHPの性能を信頼していただきたい。HAF II 500のような優れたエアフローを構築できるPCケースと組み合わせるなら、さらに快適な“オール空冷のハイエンドPC”が組み上げられるだろう。