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【前編】次のスマートフォンは“中古”もアリ!製品探しで迷わないために知っておきたいこと

チェックポイントはどこ?利用制限って?きちんと買えば中古だって安全・安心です!! text by 石川 ひさよし

 以前のような過度な値引き競争がなくなったスマートフォン。最近は端末価格も値上がり傾向にあり、買い換えに慎重になってきた方も少なくないかもしれないが、高性能化が進んでいるため、数年の型落ち程度では、ベーシックなスマホの使い方であればスペック的にはまだまだ十分ということも多い。

 そこで注目したいのが“中古スマートフォン”だ。端末そのものの高性能化もあって多少の型落ちでも十分実用に耐えるスペックを持ち、流通量がそれなりに多く価格もお買い得という状況にあるため、中古スマホは現在かなりホットなジャンルの一つと言える。本稿では、そんな中古スマホ購入時のチェックポイントやスマホ特有の注意点などの基礎知識を簡単に紹介する。

中古スマホ“購入時”に知っておきたいポイント

 現在中古スマホは、通信機器の専門店、メーカー自身による再整備リユース販売、中古を取り扱う量販店やPC/IT系の販売店、ホビーショップなどの店頭やオンラインショップなどでさまざまなルートで販売されており、かなり入手しやすくなっている。ただ、自分で見極めなければならない部分や、何らかのトラブルが生じる可能性がある点も少なからず存在している。

 中古スマホで一番懸念されるのは“状態”に関するものだろう。外観のように見て判断できるものもあれば、SIMロックやネットワーク利用制限の有無のように製品を目視しただけでは分からないものもある。ポイントとなるものを順に説明する。

外観に関するチェック事項

 まずは比較的簡単な外観。気になるキズや使用感などは、現物を確認できればそれが一番。オンライン販売を利用するときは、中古スマホ取扱店における「ランク」を目安にするのが一般的だ。

オンラインで探す場合は、ショップが付けている“ランク”やテキストによるコメント、実機写真が外観の状態についての貴重な判断材料

 基準はショップによって異なるが、ほとんどキズがないならSランクやAランク、目立たない程度にキズがあるとBランク、目立つキズがあるとCランク……といった具合だ。当たり前だが美品であるほど高い価値が付き、使用感が現われるほどに安くなる。どのランクを購入するのが最適かは、感じ方や予算感などにもよるので人それぞれ。

気にしない人は気にしないかも知れないが、店頭で購入した中古スマホであっても、心情的にクリーニングしたい、という人もいるだろう。家庭で対応するなら、除菌ウエットティッシュやアルコールスプレーなどを利用するのが楽

SIMフリーかSIMロックか、特定キャリアモデルか

 SIMフリーなのか、SIMロックなのかも購入時に注意すべきポイント。ここ数年の間に販売された端末は原則SIMフリーで、2021年10月がひとつの目安。これよりも古い端末をお求めの場合は、SIMロックで販売されていたものを解除した状態で販売されているのが多いと思われる。

実際の販売ページでは、SIMロックのものは単に“キャリア名”が記載されているだけ、SIMロックを解除したものは“キャリア名+SIMロック解除品”という記載が付いているのが一般的

 また、iPhoneではほとんど問題にならないが、どのキャリアが販売したものかどうかの確認が必要になることもある。キャリアモデルの場合、通信に使用できる周波数帯がキャリアによって異なっている箇所があり(周波数帯ロックと呼ぶこともある)、キャリアモデルの場合、SIMフリー端末であっても、A社のSIMでは使えてB社のSIMでは使えない周波数帯がある、という可能性が生じる。一部使えない周波数帯があると一切通信できないということはないが、速度や安定性でマイナスにはなりかねない。

 なお、SIMロック状態のスマホであっても、お使いのSIMと同じキャリアの端末ならSIMフリー化しなくても利用できる。周波数帯ロックのことも併せると、Android端末に乗り換える際に極力手間を避けたい、自力でSIMロックや周波数ロックの問題に対応できる自信がない場合は、同じキャリアの中古スマホを選ぶか、キャリアモデルではないSIMフリー端末から探すのが無難だろう。

基本は“白ロム”。確実な販売店で買おう

 中古スマホが、PC本体やPCパーツともっとも異なり一番の厄介事になりやすいのが、いわゆる“白ロム”や“赤ロム”の問題だ。これはネットワーク利用制限に関するもので、たとえば、白ロム=ネットワーク利用に制限がない中古スマホであれば、お手持ちのSIMカードを挿した段階で問題なく利用できるので、基本的にはトラブルフリーだ。

 一方赤ロムは、SIMカードを挿したとしても通話ができないデータ通信できない状態の端末のことを指す。前所有者の契約不履行(端末代金の支払いに問題がある)などでキャリアからネットワーク利用に制限がかけられた状態で、この制限付きの端末が中古市場に流通してしまうことがある。赤ロムの解除は非常にハードルが高く、中古スマホを購入するなら白ロムの端末を購入するのが原則だ。

NTTドコモのネットワーク利用制限確認ページ。製造番号(IMEI番号)を入力すると〇/△/×の判定が表示される。いわゆる赤ロムは判定が×のもの

 赤ロムのリスクを避けるなら「どこで買うか」に気を払いたいところ。まず個人間の売買は、相当慣れている or リスクの覚悟ができているのでないなら、筆者個人としてはオススメしにくい。特に現物を確認できないオンラインでの取引(オークションなど)はリスクが高めと言えそう。対面取引でも外観チェックは当然、その場で赤ロム/白ロム確認をする方法(端末識別番号、IMEI番号を確認するなど)を知っていればよいが、そうでなければやめておいたほうがよい。

 次に大手の中古スマホ取扱店。前所有者から購入者の直接取引ではなく、その間にお店という端末の状態確認の行程が入るのがメリットだ。メーカーやキャリアによるリユース販売はもっとも確実なルート。また、スマホやIT機器を専門に取り扱っているしっかりとしたお店であれば、品質の検査だけでなく、端末情報の確認などでもきちんとしたノウハウを有しているはずなので安心感は高い。

 大手の中古スマホ取扱店というくくりでは、本サイトでもよく登場するPCパーツショップもオススメできる。スマホもIT機器の一つ。古くから新品・中古スマホを取り扱っていたのはご存じだろう。「パソコン工房」などもそんな中古スマホを取り扱っているショップの一つだ。

読者にもおなじみPCはパーツショップも中古スマホ取り扱いがある

 また、購入時にはネットワーク利用制限がなくても、あとから制限がかかってしまう場合(前所有者が端末を売却した時点で残債があり、後日その残債の支払いが滞った、不正に入手・処分された端末で後追いで制限がかけられた、など)も少なからずあるようだ。こうなってしまうと基本的には赤ロム状態を解除して使用を続けるのはかなり難しい。

 そんな不安を解消してくれるのが、中古店などが実施している“赤ロム保証”という仕組だ。文字通り、手元の端末が赤ロムになってしまったときに交換や返金などしてくれるというもので、故障などに対する保証制度とともに、いざというときの備えとして活用したい。

次回は“購入後”の段取りをご紹介

 前編となる今回は、安全・安心に中古スマホを買うための基礎の基礎を解説してきた。次回は、今回の知識をもとに購入した中古スマホに引っ越すための基本的な手順を紹介する。Android→iOSのような“異OS間移行”は可能なのか、引っ越しの際に気を付ける必要があるところはあるのかなど、キーとなるポイントをチェックしていく。