ゲームをパソコンや家庭用ゲーム機で楽しむ時に使うコントローラー。現在ではアナログスティックを複数備えたジョイパッドタイプが主流ですが、皆さんが最初に使ったコントローラーはどのタイプでしたか?今回はそんなことを思い出していただきながら、30年前にどのような環境でゲームを楽しんでいたのか、ご案内しましょう。
MZ-80K専用(キーボード端子接続,1スティック+2ボタン)
μcom製ジョイスティックです。正確な発売日は分かりませんが30年位前のモデルです。キーボードの代わりとして動作するため、特別なソフトを必要としません。 真上から見た様子です。矢印が8方向に向いていますが、4方向にしか対応していません。斜め移動は2キー同時押しに対応したソフトのみに対応します。 横から見た様子。スティックのシャフトがサビだらけです……。 接続コネクタです。逆挿し防止のために1ピン分埋められています。また、対応させるキーを変更する場合は、コネクタの結線を変更します(半田ごてと専用の金具部品が必要です)。 配線の様子。現在の設定は4方向スティックが「U」「H」「K」「M」に、ボタンは「S」「Z」に設定されています。 九十九電機 AMP-99 1981年製(Apple II独自I/F,1スティック+2ボタン,センタリング機構なし)
右下に書いてある「TSUKUMO」の表記は、自作PCでおなじみのパソコンショップ「九十九電機」のことです。 真上から見た様子。スティック部分はアナログで、傾きも検知できます。 スティック部分は手を離してもセンターに戻りません。 特殊I/F経由で接続する製品です。同社のオリジナルソフトで対応していることが多かったと記憶しています。 当時の広告(Apple用)です。ちなみに、今回ご紹介しているのは、MZ-2000用です。 当時の広告(PC-8001用)です。「apple-IIにそのまま使えます」という表記があります。 九十九電機製ジョイスティック 型番/製造年不明(ATARI規格準拠,1スティック+1ボタン)
スティックの感触はラジコンのプロポに近く、“カチっ”と入った感触がありません。ボタンは1つしかありませんが、これは規格のもとになったATARI社製ゲーム機に付属しているスティックのボタンが1つだったためです。 真上から見た様子。矢印が4方向に向いていますが、ソフトウェア側の対応により8方向にも対応します。当時は、左手で本体を持ちながら親指でトリガーを、右手でスティックを操作していました。 横から見た様子。コンパクトになった反面、スティックのシャフトが短くなってしまったので、俗にいう「ぶっさし持ち」では操作しづらく、「つまみ持ち」で遊んでいました。 「TSUKUMO」のマーク。当時の九十九電機は、周辺機器やソフトウェアを独自に開発していました。機会があったらご案内しましょう。 接続コネクタです。ATARI規格準拠のD-Sub9ピンコネクタになります。国産パソコンで搭載されたのは、NECのパソコン「PC-6001」(1981年11月頃)あたりからだったと記憶しています。 キーボード時代は「2」「4」「6」「8」「スペース」キー。
パソコン向けにアクションゲームが登場し始めた頃のコントローラーはキーボードでした。スティック相当の操作を行うキーは、現在では「W」「A」「S」「D」キーですが、当時は左右が逆の「2」「4」「6」「8」キーでした。細かい操作をするには右手のほうが有利という考え方だったのでしょうか?そんな理由からか、初期のジョイスティックにも現在には見られない左右逆転の特徴があります。