【 2000年1月29日号 】

LANまで取り込んだ新統合チップセットSiS630搭載のマザー登場
第一弾はLeadtek製「WinFast 6300MAX」、拡張性もあり

価格は約18,000円WinFast 6300MAX
【価格は約18,000円】【WinFast 6300MAX】
パッケージUSBの上にEthernet
【パッケージ】【USBの上にEthernet】
ADIMMスロット付属の3Dグラス
【ADIMMスロット】【付属の3Dグラス】
3ポートUSBブラケットADIMM用カード
【3ポートUSBブラケット】【ADIMM用カード】

 周辺機能の統合化をさらに進めたSiSの最新統合型チップセットSiS630を搭載したマザーボードが初めてアキバに登場した。製品の第一弾として現れたのはSocket 370に対応したmicro ATXサイズのLeadtek製「WinFast 6300MAX」。SiS630を搭載したことにより、ビデオ、サウンド、モデムはもちろん、HomePNA対応も含めたEthernetコントローラーの機能まで持ち、さらに独自の拡張性も持つというユニークな製品になっている。

 販売されているのは国内代理店経由のリテールパッケージ品で、価格は17,800円(PCiN秋葉原)。

“全部入り”で1チップ

 SiS630は極めて集積度の高いSlot 1/Socket 370用の統合型チップセット。MVP4やi810などと同じようにサウンドやビデオ、モデム機能を内部に統合しているほか、PC用のチップセットでは初めてHomePNA対応を含む10Base-T/100Base-TX対応のEthernetコントローラーまで取り込んでいる。また、これまで2チップに分かれていたサウスブリッジとノースブリッジの機能を全てまとめて1チップ化しているというのも大きな特徴。基本機能としては、USB最大5ポート、PC133 SDRAM、VC-SDRAM、Ultra ATA/66などに対応している。ただし、SiS630は1チップに全機能が統合されているとはいえ、シリアルやパラレルといったレガシーデバイスはサポートしていないため、この「WinFast 6300MAX」ではSuper I/OチップのSiS950もいっしょに搭載している。

AGP似のA-DIMMスロットで拡張可能

 SiS630は集積度の高さ以外にも、統合型チップセットでありながら拡張性を持つという点で注目されている。SiS630の持つ拡張性はAGPコネクタを逆転したような「ADIMM」スロットによって確保され、このスロットには2種類のカードを挿すことができる。1つはテレビ出力+デジタル液晶ディスプレイ(DFP)+セカンダリモニタ出力のカードで、もう1つはビデオメモリの拡張カード。

 特に後者のカードはユニークで、ビデオメモリのインターフェイス幅を拡張することができるという特徴をもつ。SiS630のビデオ機能はもともとSiS300がベースで、128bitのメモリインターフェイスをサポートするが、標準ではUMA(Unified Memory Architecture)方式によってメインメモリの一部を64bit幅のビデオメモリとして利用する。これを128bitにしたい場合は拡張カードを挿すだけで実現するというわけだ。統合型チップセットの中で、エンドユーザーが直接ビデオ機能を拡張できる構造になっているのはこのSiS630だけ。なお、SiS630のビデオ機能は、DVD再生支援機能をサポートしているほか、AGP 4xにも対応するなど、標準でも基本性能は高い。

マニアックな設計?

 アキバに登場したSiS630搭載マザーボードの第一弾はLeadtekの「WinFast 6300MAX」。国内代理店経由で流通しはじめたリテールパッケージで、この中にはマザーボードのほかに、3ポートのUSBコネクタを持つブラケットやCOM2と3Dグラス制御用のコネクタを持つブラケット、Ultra ATA/66対応ケーブルなどが付属し、ゲームなどで利用する3Dグラスも1つ付属している。

 マザーボード上のスロットはDIMM×2、AMR×1、ADIMM×1、PCI×2で、I/Oパネル部分にはUSBコネクタの上にEthrnet用のコネクタが設けられている。FSBは小刻みに66MHz~166MHzまで設定が可能で、BIOSセットアップメニューの中にはオーバークロック設定のために用意したという「X-BIOS」メニューがあり、ここで各種クロックなどを細かく設定できるようになっている。

 ADIMMスロットはちょうど一般的にAGPコネクタがある位置にあり、形状も同じで、一見すると普通のAGP用スロットに見えてしまう。しかし、よく見るとAGPとは実装位置が微妙にずれているほか、コネクタの向きがAGPとは逆になっていることがわかる。このADIMMスロットに挿すカードは、Leadtekからモニタ出力の拡張カード「WinFast ADIMM-DCT」、ビデオメモリ拡張カード「WinFast ADIMM-128」がラインナップされている。ただし、これらの製品の発売時期などはまだ未定だ。

パワーユーザー向けのオールインワンマザーボード

 統合型チップセットを搭載しているとはいえ、この「WinFast 6300MAX」は最新の機能を満載し、拡張性があるほか、設定項目がマニアックになっているなど、実に変わった製品になっている。現時点で性能が未知数という点でも、パワーユーザー向けのオールインワンマザーボードと言うことができそうだ。

 なお、この製品を販売しているPCiN秋葉原では、現時点でEthernetコントローラー部分の動作保証については10Base-Tのみとしているそうなので要注意。

 このあと、SiS630搭載マザーボードはEliteなどからもリリースされる予定になっている。

□SiS630(SiS)
http://www.sis.com.tw/products/pentium2/630.htm
□WinFast 6300MAX(Leadtek)
http://www.leadtek.com.tw/e6300max.htm

[撮影協力:PCiN秋葉原]


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