【 2000年2月19日号 】

ISAスロットに挿すオールインワンSocket 7マザー?

PL-Renaissance/ATPL-Renaissance/AT
PL-Renaissance/ATPL-Renaissance/AT
PL-Renaissance/ATPL-Renaissance/AT

 なんともユニークなSocket 7マザーボードが登場した。なんと、他のマザーボードのISAスロットに挿して使うというオールインワンSocket 7マザーボードで、サイズはISA用のフルサイズカードと同じ。チップセットはMVP4を搭載している。アップグレード用製品のメーカーとして知られるPowerLeapブランドの製品で、製品名を「PL-Renaissance/AT」という。

 ISAフルサイズカード程度の大きさながら、DIMMスロットを2本持ち、8MBのビデオメモリと512KBの2次キャッシュも搭載している。当然のことながら、ほかにIDEやシリアル/パラレル、サウンドやUSBの機能も使えるから、機能的には普通のMVP4搭載Socket 7マザーボードとまったく同じだ。本体のブラケット部分にはUSB×2、VGA、PS/2×2のコネクタがあり、このほかにシリアル/パラレルなどのコネクタのついたブラケットも同梱されている。サポートするCPUはPentium、K5~K6-III、6x86/M II、WinChip C6などで、既存のSocket 7はほぼ全てサポートされている。VCore設定は1.3V~3.5Vまで、FSBは60MHz~110MHzまで設定可能だ。

 ISAスロットに挿すといっても、これは単純に固定設置用に使うだけで、信号的には既存マザーボードとは接続されず、この製品はあくまでも独立したマザーボードとして動作する。つまり、マザーボードを交換せずに古いPCをアップグレードするための製品で、既存のマザーボード上にこの製品を取り付け、I/O類と電源を付け替えることで最新Socket 7環境に早変りするという仕組みだ。電源コネクタはATとATX用の2種類が搭載されており、とにかくISAフルサイズカードを挿せる環境が残っているPCであれば、どんなPCでもすぐにアップグレードできるというのがウリ。ただし、「PL-Renaissance/AT」側でサポートしていない機能を持つ拡張カードが既存のマザーボードにある場合は、その部分は移行できないので要注意。また、構造上PCIやISAのスロットはなく、拡張はUSBのみに頼らなければならないという点も頭に入れておく必要がある。なお、この製品はISAスロットに挿さなくても単独で動作させることもできる。

 アップグレード用の製品にはアクロバチックなものが多く、これまでにも様々な形態の製品が出たが、こういう形態の製品は初めて。以前にもCeleronにアップグレードするPCI用の似た製品があったが、これは既存のマザーボードと信号的に接続し、既存PCのCPUを乗っ取るものであり、構造的にはまったく異なる。とにかくお手軽に旧型PCをアップグレードしたいという人には、要チェックの製品といえそうだ。ロンテック扱いの国内保証品で、価格は17,800円~19,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 なお、同じシリーズには、NEC PC-98シリーズのCバスに挿す「Renaissance/98」という製品もある。

□PL-Renaissance/AT(PowerLeap)
http://www.friendtech.com/RenAT.htm
□Renaissance/98(PowerLeap)
http://www.friendtech.com/Ren98.htm
□PL-Renaissance/AT(ロンテック)
http://www.lontec.co.jp/PL-pro/renaissance-at.html

[撮影協力:パソコンCityパーツ館]


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