Majestyの元祖?巨大円筒形CPUクーラー「ArticCooler」
肉厚のヒートシンクは高さ4cm、直径9cmもある巨大な円筒形で、中央には直径5.5cmの12V DCファンが埋め込まれている。ファン周囲の壁にあたる部分には、縦方向にひねりの入ったスリットが削り出しで作られており、このスリットから吸気し、ファンを通して上部へ排気する構造になっている。このクーラーの構造は空気力学的に解析されたうえでの設計だそうで、まるでジェットタービンのような見た目になっているのは、ある種の必然なのかも知れない。そして、その仕上げと質感の美しさは、ほかの製品にはない存在感を生み出している。
アキバでは1月から似た形の「Majesty」という製品が出回り始め、マニアを中心に人気を呼んでいるが、実は「Majesty」はこのHP用クーラーを真似たもの。HP製ワークステーション用として開発された“元祖”は、その経緯から当初は外販されず、後になってHPの子会社を通して外販事業が展開されることになり、ようやく日の目を見た格好。4月には純然たるPC向け製品として、1.4GHz CPU対応の「ArticCooler Model CA」というSocket 370用CPUクーラーも新たに発表しており、どちらかといえばこちらの方が期待度は高い。Laser5では「ArticCooler」という名で販売中だが、海外で紹介され始めた当時の資料を見る限り、「ArticCooler」の前身である「TurboCooler」という名前で紹介されている例が多いようだ。
本来PC用ではないCPUクーラーだが、あまりの魅力にどうしても自分のPCに取り付けたいと思う人も多いはず。その場合はいくつかの工夫が必要になるので要注意。Socket 7/370用として使う場合は、ソケット周囲の部品と衝突しないような工夫が必要で、例えば同店が店内でデモしているPCのように、背の高いヒートシンクをCPUとの間に挟み、高い位置で固定する工夫が必要。また、Slot 1/A用として使うには、ヒートシンクの一部をカットするなどの大技が必要になる。また、固定用金具などは一切付属していないので、これも自分でなんとかしなければならない。素直に「Majesty」を使うか、「ArticCooler Model CA」を待つというのも手だが、どうしても“元祖”を使ってみたいという人は、自分の腕を頼りに試してみるといい。
価格は5,980円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)で、すでに残りは少ないとのこと。購入時は、本体のヒートシンクよりもさらに大きな台のようものがセットになってついてくるが、PC用として使う場合には必要ないので、気にせず取り外して使えばよい。
□ArticCooler(Agilent Technologies)
http://www.polarlogic.com/
[撮影協力:Laser5]
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