【 2000年11月18日号 】

一部ショップがPentium 4対応マザーボードとケースの販売をスタート
RIMM同梱のPentium 4リテールパッケージも予約開始

入荷しましたマザー2種類展示中
【入荷しました】【マザー2種類展示中】
D850GBの箱Intel D850GB
【D850GBの箱】【Intel D850GB】
ASUS P4Ti850
【ASUS P4T】【i850】
対応ケース入荷山洋電気製対応クーラー
【対応ケース入荷】【山洋電気製対応クーラー】
Pentium 4(BOX)予約オレンジがシンボルカラー
【Pentium 4(BOX)予約】【オレンジがシンボルカラー】

 ついにi850チップセット搭載マザーボードとPentium 4対応電源を搭載したPCケースの販売がアキバで始まった。まだ一部ショップの動きに限られているとはいえ、これで正式発表前にPentium 4を動作させるための全パーツが出揃うかたちになった。

 このほかPentium 4リテールパッケージの予約を受付けるショップが現れるなど、アキバではPentium 4に関連した動きが急加速している。

マザーボードはASUSとIntel製の2種類

 18日(土)時点で販売を確認できたマザーボードは、Intel製「D850GB」とASUS製「P4T」の2種類。i850チップセットを搭載したマザーボードで、CPU用ソケットは新型の423ピンタイプが載っている。どちらも特別なオンボードデバイスを特に持たず、RIMMスロットが4本、PCIスロットが4本、チップセット上に背の高いヒートシンクが載せられているなど共通点は多いが、やはりユニークな部分をいくつも持っているのはASUS製の「P4T」。

 「D850GB」になく「P4T」にあるユニークなところは、AGPスロットがAGP Pro対応になっている点、設定変更用のディップスイッチを持っている点、マザーボードと重ね合わせる金属製ベースボードがついている点などが挙げられる。マニュアルによると、ディップスイッチによってFSBを100~150MHzまで細かく設定でき、さらにCPUの内部倍率も8倍~16倍まで設定できるとある。もし両方の設定が本当に有効にならば、保証外とは言え、正規以上の高いクロックでPentium 4を動作させることが簡単にできそうだ。まさにASUS製らしい、マニアックな仕様になっていると言える。

PCケースは従来品でもOK?

 Pentium 4は正式発表がまだのため、電源やPCケースなどといった周辺パーツにどんな新しい仕様が求められているか正確には不明で、情報も錯綜気味だが、マザーボードの販売が始まったことによって、いくつか新仕様の推測材料が増えている。

 まず、どちらのマザーボード上にも従来の20ピンATX電源コネクタのほか、新たに6ピンのAuxiliary電源コネクタ、さらに4ピンのATX 12V電源コネクタが搭載されている。これはやはり、電源まわりに関してフルスペックを満たすには、これら新しいコネクタに対応した新しい電源ユニットが必要になるということらしい。電源コネクタの新設そのものは、先にPentium 4対応電源ユニットが単体で出回っていたこともあり、ある程度予想はされていたが、これで確認が取れことになる。ただし、新たなコネクタに対する電源供給が動作の必須条件なのかどうかは不明。試しに「P4T」を従来の電源ユニットを使ってATX電源コネクタのみ接続し、カード類を一切挿さずに起動したところ、BIOS画面までは正常に表示された。少なくとも「P4T」については、新設コネクタに電源を供給しなくとも、まったく動かないということはなく、ある程度は動作するようだ。

 もうひとつの点は、どうやらPCケースについては従来のものでもそのまま使えそうだということ。先にサンプル展示が行われたPentium 4対応のPCケースは、対応電源を搭載しているほか、CPUクーラーの固定用部品を取り付けるためのネジ穴まで用意されていたため、これが利用する上で必須条件のものなのかどうかが関心の的だったが、マザーボード側のマニュアルを見る限りでは、両マザーボードともケース側の穴を使わずともCPUクーラーの固定用部品を取り付けられる仕様になっており、どうやらケース側の穴は必須ということではないらしい。「D850GB」は、固定用部品をマザーボード上に直接ネジ止めできる構造になっており(ただし肝心なネジが付属していない別途手に入れる必要がある)、「P4T」では付属の金属製ベースボード側についているネジ穴で止められる構造になっている。まだ推測の域は出ないが、少なくとも両マザーボードを使う限りは、既存PCケースに取り付けても特に問題は起きないようだ。

21日にPentium 4リテールパッケージも解禁?

 確認できた限り、「D850GB」は全てバルク品のPentium 4とセット販売となっており、価格は1.4GHzとのセットが138,000円、1.5GHzとのセットが149,000円~168,000円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。「P4T」は単体で47,800円となっている(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。平日中にマザーボードの販売を一旦始めたものの、その後諸事情から中止にしたという気になるショップの例も複数あるが、18日(土)時点で少数とはいえ、一部ショップはそのまま販売を実施、確実にマザーボードはエンドユーザーに流れ始めた。

 なお、クレバリー3号店では、店先の展示スペースに「D850GB」と「P4T」を置き、多くの買い物客の注目を集めている。高価で手が出ないものの、とりあえず実物のチェックだけはしておきたいという人は、同店のサンプル展示をチェックしておきたいところだ。

 このほか、パソコンCityパーツ館ではRIMMを同梱したPentium 4リテールパッケージの予約も受付中で、ツクモeX.ではPentium 4対応をうたったPCケースの販売も始めている。さらに山洋電気製Pentium 4用CPUクーラーの単体販売も始まっている。Pentium 4に関連する製品が今まさにアキバに集結し始めているというわけだ。なお、Pentium 4リテールパッケージやマザーボードに関しては、複数のショップの話によると、21日(火)午後から本格的に流通が始まるという。Pentium 4の正式な幕開けも、もう間近ということらしい。

□Pentium 4(インテル)
http://www.intel.co.jp/pentium4/

 (Intel D850GB)
 (ASUS P4T)

[撮影協力:パソコンCityパーツ館ツクモeX.クレバリー3号店俺コンハウス]


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