【 2001年2月10日号 】

RADEONの廉価版?未発表のRADEON LE搭載ビデオカードの販売開始
GeForce2 MXに対抗しうる意外な伏兵登場か?32MB DDR SDRAMを搭載

お買い得モデルビデオカード(表)
【お買い得モデル】【ビデオカード(表)】
ビデオカード(裏)シール
【ビデオカード(裏)】【シール】
ATIの文字は削除メモリ
【ATIの文字は削除】【メモリ】

 見慣れぬビデオチップ「RADEON LE」を搭載したビデオカードがアキバに出回り始めている。複数のショップによれば、Hardware T&Lや動画再生支援機能などRADEONの機能をほぼそのまま継承しつつ動作クロックを落とした廉価版だという。

 確かに、32MB DDR SDRAMを搭載して実売価格が12,300円~13,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)と安く、今後も継続して流通するのであれば、今や圧倒的な販売シェアを誇るGeForce2 MX搭載ビデオカードの有力な対抗馬になる可能性も見えてくる。

動作クロックを148MHzにダウン

 出回っているのはいずれもバルク品で、デバイスドライバ収録CD-ROMとセットで販売されている。見た目ではRADEON搭載ビデオカードとの違いはほとんどなく、基板上のパターンもほとんど同一。違っているのは、DDR SDRAMのチップ型番が若干異なっているのと(搭載されているメモリはSamsungのK4D62323HA-QC60という166MHzタイプのDDR SDRAM)、ビデオチップ上のファン付きヒートシンクがファンなしのヒートシンクに変更されている点など。細かいところでは、RADEON搭載カード上にはシルク印刷で「ATI Technologies」とメーカー名を記してある部分が、RADEON LE搭載カードではなぜかすべて省略されているという違いもある。メーカー名が省略されているところをみると、もしかすると、これは本来OEM専用の製品なのかもしれない。

 動作クロックについては、PowerStripを使って確認してみたところ、確かにメモリとチップのクロックが148MHzになっており、RADEON搭載ビデオカードの164.3MHz(実測値)からは若干引き下げられているのがわかる。冷却部品が簡素化されたという点は、まさに動作クロックが低くなって発熱量が小さくなったことの裏付けと言えそうだ。

 ビデオカードにはRADEON LE搭載であることを示す記号などはなく、ビデオチップ上のマーキングも「RADEON」とあるのみ。販売されている製品には「RADEON LE」と書かれたシールがブラケット部に貼られているものや、基板上に貼られたものなどいくつか種類があるが、いずれにしても、製品を目視でRADEON LE搭載と見分けられる部分はこのシールのみだ。ただし、これも簡素なもので、果たしてメーカー側がつけたものか、それとも流通段階で代理店等が貼り付けたものなのか詳しいことはわからない。

RADEON VEとは別物?

 同じRADEONシリーズに、RADEON VEというDACやCRTコントローラーをそれぞれ2つ統合したマルチディスプレイ標準対応の廉価版チップがあるが、これと何か関係があるのかどうかは今のところ不明(現在出回っている製品は単独VGAポート)。

 このまま未発表ビデオチップの状態で販売されつづけるのか、それとも後日発表があるのか、それとも実はRADEON VEの間違いなのか、この先どう展開していくのかは予測不能。ただ一つ言えることは、今や独り勝ち状態のGeForce2 MXを脅かす意外な伏兵となる可能性を、このビデオカードが秘めているということだ。

□RADEON Technology(ATI Technologies)
http://www.ati.com/na/pages/products/pc/pc_index.html#radeon

 (ATI RADEONシリーズ)

[撮影協力:OVERTOPPCiN秋葉原高速電脳]


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