【 2001年2月17日号 】

17mmの薄型HDD「531DX」がMaxtorから登場、新趣向の仕様に注目

531DX531DX
531DX531DX

 Maxtorが12日(月)に出荷発表を行ったばかりの新型3.5インチHDD、531DXシリーズの販売が、もうアキバで始まっている。このHDDはインターネットアプライアンス(IA)やセットトップボックスなどの新市場を狙ったモデルで、厚みが通常のHDDより約30%薄い17mmしかない点や、部品点数の大幅削減を実現しているなど、低コスト化を追求した設計になっている。出回り始めたのは10GBの「2R010H1」という製品で、ラインナップにはこのほか15GBの「2R015H1」もある。

 一見して17mmという薄さにまず驚かされるが、PCよりもさらに下の層を狙っている製品だけに、ほかにも内部の仕様がいろいろと従来製品とは異なっている。部品点数の削減でヘッドの管理方法を簡易化した影響からか、平均シークタイムは15msと最近の製品にしてはかなり遅くなっている一方、1プラッタ/1ヘッドという最小構成で記憶容量をある程度確保するために、プラッタのトラック密度は極限まで引き上げられている。

 20GBプラッタ搭載のDiamondMax Plus 60と仕様書のデータで比較すると、1インチあたりのトラック密度は1.3倍も高く、結果として1平方インチあたりの記録容量は最大1.55倍に達している。プラッタの径仕様が不明なため憶測の域は出ないが、つまり単純に考えるとプラッタ容量としては現行製品で最大の約30GBクラスということになる。もちろん、あくまでも線密度ではなくトラック密度を高めただけのため、データ転送速度は20GBプラッタのものとほとんど変わらないが、全くこれまでとは違うアプローチでコストパフォーマンスを向上させているという意味では面白い。なお、スピンドル回転数は5,400rpmでキャッシュは2MBと、このあたりは標準的なスペックを持っている。

 まだ出回り始めたばかりのため実売価格が10,900円~12,800円と少々高めで(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)、低コストという意味でのメリットはまだ出ていないのが実情だが、これもじきに下がってくるのは確実と見られる。

 このモデルが自作PCマーケットでどんな展開を見せるのかはまだわからないが、薄さとコストの点から言えば、省スペースな低価格ベアボーンPC用として使われたり、1つの5インチベイにHDDと別の機能を組み合わせたコンボドライブの形で利用される可能性はありそうだ。なお、PCiN秋葉原では15GBモデルが来週入荷予定とのこと。

□531DX(Maxtor)
http://www.maxtor.com/products/DiamondMax/diamondmaxvl/information.html#531dx

 (Maxtor 2R010H1)
 (Maxtor 2R015H1)

[撮影協力:PCiN秋葉原コムサテライト3号店]


[前の記事]: PCIスロット用初のGeForce2 MX搭載TwinView対応ビデオカード登場
[次の記事]: 30GBプラッタを搭載したHDDの第2弾が登場、容量は40GB

[ Back ]戻る  

Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.
E-Mail:akiba-pc-info@impress.co.jp