【 2001年3月3日号 】

3台のディスプレイに出力できる廉価ビデオカード「RADEON VE」登場

RADEON VERADEON VE
RADEON VERADEON VE
RADEON VERADEON VE

 ATIの廉価版ビデオカード「RADEON VE」がリテールパッケージ品で出回り始めた。約1週間前に量産出荷発表が行われたばかりの製品で、まさにできたての新製品だ。

 「RADEON VE」はGeForce2 MX対抗とも言われるRADEONシリーズの廉価モデル。HydraVisionと呼ぶマルチディスプレイ機能を標準サポートする一方、3D描画の要であるハードウェアT&Lの機能を省くなどといった大胆なデザイン変更が行われ、ビジネスシーンなどでの実用的な用途をターゲットにした製品となっている。その意味では、先日から出回り始めている、動作クロックが低いだけでRADEONとの機能差がほとんどない「RADEON LE」とはまったく性格が異なる。

 カードをチェックしてみると、まず「RADEON」や「RADEON LE」とは異なり、ビデオチップが一回り小さくなっているのがわかる。おそらくハードウェアT&L機能を省いた影響と思われるが、チップのサイズと製造コストは密接に絡む部分であり、まさに廉価版モデルゆえの変化だと言える。

 また、出力コネクタの構成も大きく異なっている。「RADEON」や「RADEON LE」はVGAコネクタが1つしかないのに対し、「RADEON VE」では、VGAコネクタとS端子とDVIコネクタの計3つがついている。それぞれの特性から考えると、CRTディスプレイ用、TV用、液晶ディスプレイ用ということになるが、これらは3つすべて同時に出力できるという特徴をもつ。ただし、同梱されている説明書によると、独立した画像処理は2画面までで、3画面目はほかの画面の一方と同じものが出力されるという制約がある。なお、DVIコネクタに関しては、VGA変換コネクタが同梱されているので、結果的にVGAコネクタ×2のデュアルディスプレイ運用も可能だ。

 搭載しているメモリはDDR SDRAM 32MBで、実売価格は14,580円~16,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。リテールパッケージ品ということもあって、GeForce2 MXと競争するにはやや不利な状況だが、3つのディスプレイに同時出力できるというのは珍しい特徴であり、その点に魅力を感じる人ならば、格安の貴重なアイテムと言える。

□RADEON VE(ATI Technologies)
http://www.ati.com/na/pages/products/pc/radeon_ve/
【2001/2/10】RADEONの廉価版?未発表のRADEON LE搭載ビデオカードの販売開始
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20010210/radeon-le.html

 (ATI RADEON VE)

[撮影協力:PCiN秋葉原コムサテライト3号店]


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