【 2001年3月31日号 】

Linux搭載PDAの開発バージョンが発売されるも、即売り切れ

Agenda VR3Agenda VR3
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 Linux + X-Windowの環境で動作するPDA「Agenda VR3」が発売され、局所的な現象ながら、ちょっとした注目株となっている。以前からサンプル機を展示していたぷらっとホームが開発者向け特別バージョンの販売を始めたところ、あっという間に売り切れてしまったという。

 Agenda Computing製の「Agenda VR3」は、一見するとただのごくありふれた英語版PDAだが、その中身はPCユーザーにとっては見逃せない驚きの内容になっている。なんとOSにはLinuxがインストールされ、そのうえX-Windowまで動き、まさに“手のりUNIX”環境が実現されているのだ。CPUは66MHz動作のVR4181(MIPS)、メモリはRAM 8MBとフラッシュメモリ16MB、液晶ディスプレイは160×240ドットの16諧調モノクロ液晶を搭載し、標準でスケジューラーやTO-DOリスト、ゲームなどのPDA用ソフトもインストールされている。バッテリーは単4電池2本。

 Palmのようなペン入力型のスタイルだが、ソフトウェアキーボードを利用してコンソール画面のシェル操作もできるから、UNIX使いにとっては非常に魅力的なPDAと言える。標準搭載のソフトだけを使う限り、OSがLinuxであることを意識させられることはないものの、コンソールを起動した場合のシェル画面や、電池交換後などの初回起動時にブート画面やログオン画面が表示されるあたり、PCユーザーなら思わずニヤリとさせられる。

 国内発売元のコシダテックでは開発者向けWebの立ち上げや、メーリングリストの運営も始めるなど、オープンソース型OSを搭載したPDAならではのコミニュティ作りも着実に実行中。

 「Agenda VR3」はOSがLinuxだけに、ソフトの開発が自由にできるというのが大きな魅力。ハードウェアの仕様も全て公開されているので、今後ユーザー自身のニーズから様々な周辺機器が開発される可能性もありそう。同店では再入荷時期は未定としているものの、店頭販売は今のところ同店だけとなっているので、どうしても手に入れたいという人は問い合わせてみるといい。また、コシダテックが通信販売の受付を近日始める予定にしているので、これを待つという手もある。

 なお、今回発売された開発者向け特別バージョンは、あくまでもエンジニアや開発者向けのものであり、同梱されているソフトが一部開発途中のものであったり、一部ソフトが含まれないなどの条件付きとなっているので要注意。実売価格は29,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

□コシダテック
http://www.koshida.co.jp/
□AgendaVR3開発者向けWebサイト(コシダテック)
http://www.attic-jp.com/agenda/developer/index.html

 (Agenda Computing Agenda VR3)

[撮影協力:ぷらっとホーム]


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