【 2001年6月2日号 】

1GHz対応の自作用ノートPCがようやく発売、店頭でデモ中

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 Mobile Pentium III 1GHzの店頭デビューから遅れること約2ヶ月、ようやく店頭に1GHz対応の自作用ノートPCが並び始めた。CPUがあっても動作させる本体がないという異常事態はこれで解消し、“GHz級モバイル環境も金次第”という状況になった。

 1GHzに対応した初の自作用ノートPCとして店頭に並んだのは、Clevoの「2700S」。14.1インチのTFT液晶を搭載したオールインワン型モデルで、チップセットはSiS630Sを採用、DVD-ROMドライブとFDDなどを内蔵しているほか、サウンドやビデオはもちろん、モデムとLANも標準搭載している。ただし、サイズのわりにはPCカードスロットがType II×1のみと少ないのは気になるところ。CPUソケットはMobile CeleronやMobile Pentium IIIが採用しているMicro-PGA2で、対応可能なCPUはMobile Celeronが500~800MHz、Mobile Pentium IIIが600~1GHzまでとなっている。デザインはいかにも事務的でオーソドックスなタイプだが、質感は悪くない。

 Micro-PGA2を採用した自作用ノートPCはこれまでにもいくつか出回っており、基本的に同ソケットに対応したCPUならば載せ換えるだけでアップグレードが可能なはずが、Moobie Pentium IIIは850MHzから900MHzに移るタイミングでSpeedStepのパフォーマンスモード時の電圧が1.6Vから1.7Vへと上昇するなど一部仕様変更が行われたため、従来のMicro-PGA2採用ノートPCではほとんど動作しない状態となり、新仕様Mobile Pentium III対応モデルの登場が待たれていた。

 すでに大手メーカー製のノートPCでMobile Pentium III 1GHzの搭載モデルが出回り始めているが、自作用ノートPCとしてはこれが初。Mobile Pentium III 1GHzとメモリとHDDをあわせて購入すると30万円は下らないため、初期導入コストは大手メーカー製PCとさして変わらないが、CPUのアップグレードも可能で、仕様の自由度が高い点は魅力。最初は安いCPUを載せておいて、あとで余裕ができたときに1GHzに載せ換えるという段階的な運用も可能だ。

 1GHz動作による店頭デモも始まっているので、自作のデスクトップPC並の最強モバイル環境求めている人なら要チェック。実売価格は168,000円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。なお、同社にはSocket 370を搭載した1GHz対応ノートPC「2700C」もあるが、こちらの発売時期などは未定という。

□2700S(Clevo Computer)
http://www.clevo.com.tw/products/2200s.asp
【2001/3/31】ノートPC用のMobile Pentium IIIがついに1GHzに到達、電圧に変化あり
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20010331/etc_mobile1ghz.html

 (CLEVO 2700S)

[撮影協力:LAOX PC・DO SHOP]


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