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MorganコアのDuron 1GHzがデビュー、コア形状は縦長に
実物を見てまず気付くのは、CPUコアが従来のDuronやAthlonに比べて縦長になっている点。Athlon MPや先週登場したMobile Athlon 4は正方形に近い形状だったが、Duron 1GHzのCPUコアは縦に細長く、コアの面積自体もSpitfireより明らかに小さい。そう、このCPUコアこそSpitfireに続くDuronの新型コア「Morgan」なのだ。Spitfireコアに比べ形状が小型化されたMorganコアだが、製造プロセスルールはSpitfireコアと同じ0.18μm。64KBのL2キャッシュを搭載、FSB 200MHzといった仕様も従来どおりでいわばMorganコアは、Spitfireコアのマイナーチェンジモデルといったところだ。なお、MorganはPalominoと同シリーズのコアのため、キャッシュのハードウェアプリフェッチや3DNow! Professional対応によるSSE命令のサポートという特徴ももっている。
ただし動作電圧については従来の1.6Vから1.75Vに引き上げられており、さらにAMDのデータシートによればTDP(Thermal Design Power)もSpitfireコアに比べると若干大きめの数値になっている。つまり、CPUの発熱量もより多くなっていることになり、これまでSpitfireコアのDuronで使っていたCPUクーラーが、冷却性能的にMorganコアDuronで通用するかどうかが分からないといった不安な面がある。とくに、今回登場したのはCPUクーラーが付属しないバルク品であるため、同時にCPUクーラーも購入するという場合は冷却性能に十分余裕のある製品を選択したいところだ。また、CPU表面のキャパシタの配置も微妙に変わっており、従来のコア欠け防止CPUスペーサーなどが利用できない場合があることも覚えておいたほうがよいだろう。なお、現在出回っているものは全てL1ブリッジがオープンになっているため、内部倍率の任意変更はできないものとみられる。
また現時点では、ほとんどのSocket AマザーボードについてMorganコアへの対応状況が不明という状態にあるので要注意。ASUSについては、一部マザーボード向けにMorganコア対応用BIOSをWebサイトで公開するといった動きが見られるが、逆に考えると、そうした対応が必要になるということは現在店頭で販売されているSocket AマザーボードでMorganコアのDuronが動作しない可能性が高いということになる。
バリューPC向けCPUとしては初の1GHz突破ということで話題性に富むDuron 1GHzだが、CPUの発熱量やマザーボードの対応状況に関しては不安な面もある。今どうしても手に入れたいという人以外は、マザーボード側の対応状況が明らかになった後に、あるいは今後登場すると思われるリテールパッケージ品の発売後に購入するというのが賢明かもしれない。
□Duron 1GHz(日本AMD)
http://www.amd.com/japan/news/prodpr/nr21070.html
□AMD Duron Processor Technical Documents(AMD)
http://www.amd.com/products/cpg/duron/techdocs/index.html
□ASUS Socket A Mainboard BIOS
http://www.asus.com.tw/products/motherboard/bios_socka.html
(AMD Duron 1GHz) |
[撮影協力:コムサテライト2号店と高速電脳]
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