音質重視設計のCD-R/RWドライブがヤマハから登場、CD-MRWにも対応
ATAPI接続による内蔵型CD-R/RWドライブの「CRW3200E-VK」は、ヤマハとしては初となるCD-R書き込み24倍速のドライブ。CD-RW書き換え速度は10倍、読み込み速度は40倍(いずれも最大速度)で、そのほか同社独自の書き込みエラー総合防止技術「SafeBurn」を搭載するなど、基本機能に関しては他社製ドライブとほぼ同等といったところだ。ちなみに、バッファ容量は8MBとなっている。
しかし「CRW3200E-VK」の最大の特徴は、高音質記録モードの「Audio Master」を備えている点にある。「Audio Master」とは、具体的にはCD-R記録時(CD-RWには非対応)の線速度を通常の1.2m/sから1.4m/sに上げ、メディア上に記録されるピットの長さを伸ばすモードのことで、これによって「ジッターの発生を抑制し、より高音質な音楽CDの制作を可能にした」(ヤマハ)という。
音質については人によって判断基準も異なるため一概には言えないところだが、ジッターの抑制によって再生信号の安定化が図られているという点は、たとえば手持ちのカーステレオでCD-Rに記録した音楽がうまく再生されないといったトラブルを抱えている人にはうってつけと言えるかもしれない。さらに、「Audio Master」は音楽CDだけでなくデータCD作成時にも使用することができるので、リードエラーの発生しにくいマスターCDを作成したいといった場面にも活用できそうだ。
ただし「Audio Master」使用時は線速度が上がるため、記憶容量が650MB/74分メディアで63分まで、700MB/80分メディアで68分までと、通常時よりも減少してしまう点に注意が必要だ。さらに「Audio Master」モードでは、書き込み速度が4倍速に、SafeBurnは無効の状態に自動的に設定される。バッファを8MB搭載しているためバッファアンダーランエラーが起こる可能性は低いが、20倍速や24倍速といった書き込み速度に慣れた人にとって4倍速という速度はかなり苦痛に感じらるだろう。
「Audio Master」を使用するにはライティングソフト側の対応が必要で、現時点での対応ソフトは「CRW3200E-VK」に付属のB's Recorder GOLDのみとなっている点も覚えておいたほうがよいだろう。
また、「CRW3200E-VK」はCD-RW用の次世代パケットライトフォーマットである「CD-MRW(Mt. Rainier)」規格に対応した初のドライブという特徴も持っている。この規格は、メディアの不良セクタ管理やバックグラウンドによるフォーマット処理などをドライブが受け持ち、専用ソフトを用いることなくCD-RWへのパケットライティングが可能になるというもの。ただし、現在のOSではCD-MRW対応ドライブのサポートはなされていないので、「CRW3200E-VK」がCD-MRW対応とは言え、使い勝手は他のCD-R/RWドライブとほとんど変わらない。現時点では、CD-MRW対応という点についてはオマケ的なスペックと考えるのがよいかもしれない。
個性を出しにくいとされるドライブ製品で、色や形といったギミックに頼ることなく機能面で独自色を打ち出してきた「CRW3200E-VK」は、CD-R/RWドライブというジャンルにおいて注目の製品となりそうだ(ただし「CRW3200E-VK」自身も「Audio Master」モード時には前面のLEDが青く光るという「ギミック」を持ってはいるのだが)。書き込み品質にこだわる人はもちろんだが、同じCD-R/RWドライブでもほかとは違うモノが欲しいという人にもおすすめの製品と言える。
□CRW3200E-VK(ヤマハ)
http://www.yamaha.co.jp/product/computer/products/crw3200/crw3200.html
http://www.yamaha.co.jp/news/01091702.html
(ヤマハ CRW3200E-VK) |
[撮影協力:LAOX PC・DO SHOPとTSUKUMO eX.とRockValleyとT-ZONE. PC DIY SHOP]
[↑前の記事]: | USB 2.0に対応した初めてのUSB Hubが発売に、ポート数は4つ |
[↓次の記事]: | まるでビデオデッキのようなmicroATX対応スリムPCケースが発売に |
Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.
E-Mail:akiba-pc-info@impress.co.jp