i850E搭載マザーも同時に出回る、ただしRIMMの仕様に注意点あり
Intel純正品が4モデル、ASUSは独自保証でPC1066規格に対応
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FSB 533MHz版の新型Pentium 4のデビューとほぼ同時に、その対応チップセットであるi850Eを搭載したSocket 478マザーボードの販売もスタートした。新型Pentium 4と同様に、こちらも一部で期待されていた“フライング販売”とはならずIntelからの正式発表を受ける形でのデビューということになった。販売を確認できたのはIntel純正の4モデルと、ASUS製の1モデル。
実売価格はASUSの「P4T533-C」が24,570円~26,980円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)、Intel純正品のmicroATXでLANなしの「D850EMD2」が21,480円~22,800円、microATXでLANありの「D850EMD2L」が21,980円~23,780円、ATXでLANなしの「D850EMV2」が21,480円~22,980円、ATXでLANありの「D850EMV2L」が22,700円~24,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
●新たな「PC800-40」規格のRIMMが必須に?
i850Eチップセットの特徴として、FSB 533MHz版の新型Pentium 4に対応するという点は先週搭載マザーボードがフライング販売されたi845E/i845Gチップセットと同じだが、サポートするメモリがDDR SDRAMではなくDRDRAM(Direct RDRAM)RIMMとなっているのが大きな相違点。I/OコントローラのICHには従来型のi850と同じICH2を採用しており、i850との実質的な機能差はFSB 533MHzをサポートしている点のみといったところだ(そのかわりに、今回発売されたマザーボードのいずれにもNEC製のUSB 2.0コントローラーが搭載されている)。
従来型のi850がDDR SDRAM対応のi845 Bステップとの比較においてメモリ帯域幅では優位にあったことから、パフォーマンス重視のパワーユーザーにとっては新型のi850Eも注目の存在となりそうだが、そのメモリ仕様に関しては気になる点がある。というのは、今回登場したIntel製のi850E搭載マザーボードでは、FSB 533MHz動作時は「PC800-40」規格のDRDRAMが必須となることがうたわれているのだ。「PC800」の後に続く「40」という数字は、メモリチップの動作速度を表わす「tRAC(Row Access Time)」(単位ns)のことで、この値が小さいほど高速で動作するメモリであることを示す。いわば、SDRAMでCL2、CL3などと表わされるCAS Latencyと同じようなものといえる。
●PC800-40 RIMMは256MB以外は極少量の流通
これまで市場に出回っていたDRDRAM RIMMはPC800-40より低速のPC800-45というタイプのため、i850E搭載マザーボードに切り替えるタイミングで全てメモリも買い直さなければならない状況だ。PC800-40規格に対応したDRDRAM RIMMについては、i850E搭載マザーボードの発売直後から少しずつ出回り始め、現時点で128MB/256MB/512MBの3種類が店頭にならんでいる。ただし、256MB以外はまだ極めて少量のため、メモリ容量を大きくしたいならば、まだしばらくの様子見が必要だ(詳細は「メモリ最安値情報」参照のこと)。
もっとも、FSB 400MHzであればPC800-45タイプでも動作するとしているので、PC800-40タイプが入手できない場合の逃げ道がまったくないというわけではない。また、ASUS製のマザーボードに関しては、「NEC PC800-45」(エルピーダ)のチップを搭載したRIMMのみFSB 533MHzで動作しないものの、ほかの既存PC800-45のRIMMではFSB 533MHzでも動作するとマニュアルには明記されているので、すでに手持ちのRIMMを持っている人はASUS製マザーボードの方を選ぶといいだろう。
●ASUSはPC1066規格のRIMMに対応
Intel純正の4モデルは、安定志向と言われるIntel純正品ということでマニアックな仕様を望むユーザーには物足りないかもしれないが、ハイパフォーマンスの期待できるi850Eチップセットを搭載した初のマザーボードだけに要注目だ。
また、ASUSの製品に関しては1,066MHz動作で4.2GB/sのメモリ帯域幅を確保するPC1066 RIMMに対応しているという点で注目が集まりそうだ。i850Eチップセット自身はメモリのサポートはあくまでPC800までで、PC1066は公式にはサポートしていないが、ASUSが独自にメモリ供給クロックを1,066MHzにまで引き上げたうえで、システム全体が動作することを保証している。マニュアルにも動作確認の製品として、SAMSUNG MR16R0828BN1-CM9というPC1066-35の128MBメモリをリストに掲載しているので、とにかくメモリのパフォーマンスアップに期待を寄せている人は、PC1066のメモリ製品の登場を待ちつつ、「P4T533-C」を手に入れて使うのがいいかもしれない。
FSB 533MHzとi850Eチップセットの登場でメモリ規格に関してはまた混乱しそうだが、あくまでパフォーマンス重視という人ならi850Eチップセット搭載マザーボード+新しいメモリ+新型Pentium 4のセットが一番の注目株に違いない。
□i850E(Intel)
http://www.intel.com/design/chipsets/850/
□D850EMD2(Intel)
http://program.intel.com/shared/products/boards/d850emd2/
□D850EMV2(Intel)
http://program.intel.com/shared/products/boards/d850emv2/
□P4T533-C(ASUSTek Computer)
http://www.asus.com.tw/mb/socket478/p4t533-c/overview.htm
(Intel D850EMD2/L) | |
(Intel D850EMV2/L) | |
(ASUS P4T533-C) | (PC800-40 RIMM) |
[撮影協力:コムサテライト2号店とコムサテライト3号店とZOA 秋葉原本店とLAOX PC・DO SHOPとT-ZONE. PC DIY SHOPとツクモパソコン本店II]
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