【 2002年6月8日号 】

準ファンレス自作PCキット第2弾、ケースファンなしもCPUファンはあり

LPX-8601LPX-8601
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 ファンレスPCの現実度が徐々に増しつつある中、今週は小型マザーボードにケースファン非搭載のPCケースを組み合わせた小型自作PCキット「LPX-8601」がBONA Computechが発売された。実売価格は39,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 似たような自作PCキットとしては、ファン類にケースファンだけを搭載した「EPIA533/Barebone」が先に登場しているが、PCケースにファンを一切搭載していないというのは今回の製品が初めて。しかも、この製品は電源にファンを必要としない外付けのACアダプタを用いており、思わず「ついに完全ファンレスPC実現か!?」と期待してしまうところ。しかし、残念ながら「LPX-8601」が採用しているApollo PLE133チップセット搭載Mini LPXフォームファクタのマザーボードには、オンボードのCPU上にファン付きのCPUクーラーが装着されており、これも“準ファンレス”という域は出ていない。

 気になるCPUについては、ショップ側では「533MHz動作のEdenと聞いている」と言い、マニュアル上にも「Eden CPU」と記されてはいるものの、マニュアルのスペック表には正式名称であるはずの「Eden ESP 5000」という記載はなく、代わりに「Embedded C3」と記載されている。本来、EdenのESPシリーズはファンレスで動作するはずなので、これは低電圧版のC3 533A MHzが搭載された製品という可能性もありそうだ。

 完全なファンレスとなっていないのは確かに残念だが、高さ60mm×幅260mm×奥行き240mm(横置き時)という小柄な筐体でありながら、PCIスロットが1つ利用できるのは大きな魅力。ライザーカードを使用するため、LowProfileサイズではなく標準サイズのカードが挿せるというのも大きな特徴だ。スロット付近に内部接続用のコネクタ類が並んでいるため干渉しないよう注意が必要だが、マザーボードのレイアウトを見る限りでは長さのあるカードでも挿せそうだ。マザーボード上のオンボードデバイスはVGA、サウンド、LANインターフェイスなどで、シリアルポートが合計4ポート、パラレルポートが合計2ポート用意されているという特徴もある。

 PCケースに関しては、HDD用の3.5インチシャドウベイとスリムタイプのCD-ROMドライブなどが利用できるオープンベイを1つずつ装備し、「EPIA533/Barebone」と同様にFDD用の3.5インチオープンベイは持たないという仕様になっている。なお、付属ACアダプタの電源仕様は12V/5A(60W)で、これは「EPIA533/Barebone」の12V/4.58A(54.96W)よりも若干余裕がある。

 ケースファン非搭載のPCケースを採用しながら結局今回も“準ファンレス”仕様だったということで、ファンレスPCを待ち望む人達にとっては肩透かしを食らった格好だが、腕に自身のあるユーザーなら、CPUクーラーをヒートシンクのみのものに載せ替えたり、あるいはマザーボードをESPシリーズ搭載マザーボードに換装するなどして、完全ファンレスPCを実現してみるというのも悪くないだろう。

□LPX-THIN/LPX-8601(BONA Computech)
http://www.lex.com.tw/case-lpx-thin.htm
http://www.lex.com.tw/lpx8601.htm
【2002年6月1日】ACアダプタ仕様のMini-ITXフォームファクタ対応PCケースが近日登場
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20020601/etc_accase.html
【2002年5月18日】準ファンレスの自作PCキットが登場、Edenマザー採用で電源はACアダプタ
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20020518/fanless.html

 (BONA Computech LPX8601)

[撮影協力:T-ZONE. AKIBA PLACE]


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