【 2002年6月22日号 】

DVIコネクタ直付けのマザーを採用した小型自作PCキットが発売

Hermes 650-PHermes 650-P
Hermes 650-PHermes 650-P
Hermes 650-PHermes 650-P
Hermes 650-PHermes 650-P
Hermes 650-PHermes 650-P

 MSIから多機能なスリムデスクトップ型Socket 478対応自作PCキット「Hermes 650-P(MS-6232-PF)」が発売になった。このキットはPCカードスロットやIEEE-1394、6chサウンド出力など多彩な機能を持つほか、DVI出力のコネクタを直付けしたマザーボードを採用しているという珍しい特徴がある。

 採用マザーボードのMS-6535が搭載しているチップセットは、SiSがPentium 4向けのビデオ機能統合型チップセットとして最初にリリースしたSiS650。このチップセットはオプションのコンパニオンチップを搭載することにより、ディスプレイ出力を拡張できるという特徴があるが、このマザーボードはそのコンパニオンチップを標準搭載し、VGAコネクタのほかに珍しくDVI出力のコネクタ(DVI-I)までマザーボードに直付けで装備している。S端子やコンポジットなどTV出力用の拡張コネクタをマザーボード上に装備したマザーボードは数多いが、DVI出力のコネクタまで装備しているというのは極めて珍しい。もちろん自作PCキットという意味でも、それは同じだ。

 これまでSiSから公式に発表された仕様では、SiS301BというコンパニオンチップとSiS650チップセットを組み合わせることで、セカンダリのVGA出力やDVI出力、TV出力が可能になるとされていた。「Hermes 650-P(MS-6232-PF)」のマニュアル上にも、マザーボード上には、このSiS301Bを搭載していると記されている。しかし、実際に実物をチェックしてみると、SiS301MVというコンパニオンチップが実装されていることが確認できた。これがSiS301Bと互換のあるものならば、デュアルディスプレイも可能になるはずだが、残念ながらSiS301MVの仕様は不明で、製品のマニュアル上にもデュアルディスプレイをサポートするという記述はなく、少なくとも現時点でデュアルディスプレイは製品としての動作保証範囲内に入っていないようだ。省スペースを優先して機能を省かれがちな小型PCだけに、そこまで機能を詰めこめられればかなりの魅力となるはずだが、この点は残念なところだ。

 もっとも、DVI出力が標準でできるという点をひとつとっても、小型自作PCキットのジャンルではほかにない魅力といえる。これまでスリムデスクトップなどの小型自作PCキットでDVI出力に対応させるには、LowProfileのDVI対応ビデオカードを別途入手して取り付けなければならない例が多かった。ただでさえスペースや電源の余裕が無い小型PCでは、こうしたことはかなりのハンデであり、それが解決されているのは魅力といえる。

 「Hermes 650-P(MS-6232-PF)」はスリムデスクトップのPCケースを採用しつつ、メモリースティック×1/PCカードスロット×2、IEEE-1394、6ch出力サウンド、10Base-T/100Base-TX LANインターフェイスなどを備えた多機能PCで、さらに銅製の強力なCPUクーラーも同梱されているなど、個性的な仕様になっている。FSBのサポートが400MHzまでのため、最新のPentium 4は使用できないが、DVI対応の液晶ディスプレイなどと組み合わせる多機能な小型PCを作る場合には、有力な選択肢となるに違いない。

 電源は200Wで、PCIスロットは標準サイズのカードが2枚利用可能。スリムタイプのFDDを標準搭載している。実売価格は32,800円~33,780円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

□Hermes 650-P(MS-6232-PF)(Micro-Star International)
http://www.msi.com.tw/products/slim_pc/spec/6232.htm

 (MSI Hermesシリーズ)

[撮影協力:コムサテライト3号店コムサテライト2号店]


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