【 2002年7月6日号 】

カノープスのGeForce4 Ti4600搭載カード「SPECTRA WX25」発売

SPECTRA WX25SPECTRA WX25
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 最初の製品が出てから実に4ヶ月。満を持してというべきか、ようやく国産トップメーカーのカノープスからGeForce4 Ti4600搭載ビデオカードが発売になった。発売になったのは「SPECTRA WX25」で、実売価格は62,800円~69,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 「SPECTRA WX25」は同社SPECTRAシリーズ中の最上位モデルにあたる。ビデオチップにGeForce4 Ti4600、ビデオメモリに128MBのDDR SDRAMを採用、パーソナル向けのビデオカードとしてはまさにハイエンドのスペックを誇る。もっとも、こうした基本仕様はすでに多数出回っているGeForce4 Ti4600搭載カードとなんら変わらず、この製品のハイエンドとしての魅力は別のところにある。

 リファレンスデザインではなくオリジナル設計の基板を採用している点、動作クロックに余裕ある高性能メモリチップを搭載している点(715MHzのDDR SDRAMを650MHzで駆動)、PCの電源ユニットから直接電源供給を受けるなどといった点はシリーズ共通の特徴だが、今回はまた新たな独自のアドバンテージが盛り込まれている。それは、まずGeForce4 Ti4600搭載ビデオカードとしては世界最小のサイズを実現していること。PCの電源ユニットから直接電源供給を受ける「APS」(Advanced Power Supply)の機構を今回初めてドーターカード化して本体と分離、これによりカード長が175mmにまで抑えられている。GeForce3 Ti500を搭載した「SPECTRA X21」と比較すると、カード長は26mm短くなっている。これにより最近のトレンドとなっている小型PCケースにも十分設置が可能というわけだ。また、この構造は基板上のチップに伝わる電源ノイズを低減するのにも役立っているほか、チップクーラーの排気を効率的に誘導するダクトとしても機能するという。これは一石二鳥ならぬ一石三鳥の構造というわけだ。

 このほか、「W-RGB」と呼ばれるデュアルディスプレイ機能をサポートしているのも大きな特徴。「SPECTRA WX25」の「W」はこの機能からとられたものだ。これはVGAコネクタを2つカード上に標準装備したもので、これはほかの製品で一般的なVGA+DVIやVGA+TV出力といった構成とは一線を画している。デュアルディスプレイ環境を構築する場合、同一ディスプレイ製品を2つ並べるのが一般的だということを考えれば、2つのディスプレイ出力コネクタが同一仕様で並んでいるのは確かに便利。利便性向上という意味は当然として、これは同社が培ってきたアナログ出力(VGAコネクタ)の高画質化に対する自信の表れとも言えるのかも知れない。ただし、これによりビデオ出力コネクタ部の基板仕様が変更され、従来のSSHオプションの一部が利用できなくなっている点は要注意。

 相変わらず同クラスの製品と比較すると発売時期が遅く実売価格も高めだが、パフォーマンスとクオリティ第一のパワーユーザーにとっては、そうした不利な部分を補って余りあまる独自のアドバンテージが大きな魅力として映るに違いない。

□SPECTRA WX25(カノープス)
http://www.canopus.co.jp/catalog/wx25/spwx25_index.htm
□関連記事
【2002年3月9日】GeForce4 Ti 4600搭載ビデオカードが登場、第1弾はLeadtekから
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20020309/gf4ti4600.html

 (カノープス SPECTRA WX25)

[撮影協力:コムサテライト2号店TSUKUMO eX.]


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