完全ファンレスの自作PCキットが初めてキューブ系でデビュー

　6月にスリートップ2号店で行なわれた動作デモが話題を呼んだ、キューブ系では初となるACアダプタ採用の完全ファンレス自作PCキットがついに販売スタートとなった。製品は展示時のものと同じ、Apollo PLE133Tチップセット搭載Socket 370マザーボードを採用したBONA Computechのキューブ系自作PCキット「MANA」で、実売価格は32,800円～36,000円（詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと）。

　6月の動作デモに使われたマシンは、ヒートシンクのみのCPUクーラーをCPUに装着し、標準搭載の背面ファンを使用しない（ファンの電源コネクタを抜いて非通電にする）というかたちでファンレスを実現していたが、今回製品バージョンとして登場したものもまったく同じ仕様だ。ただし、付属のCPU用ヒートシンクはC3 933MHzまで対応可となっており、Pentium IIIやCeleronに対応していないのはやや残念なところ。加えて、Pentium III/Celeronのリテール品に付属しているCPUクーラーは物理的に装着できないとしているので要注意だ。

　とはいえ、電源に使われているACアダプタが容量60W（12V/5A）という小さなものでありながら、同店の動作デモで、C3 800A MHzや東芝製CD-R/RW＋DVD-ROMコンボドライブのSD-R1202、3.5インチHDD、FDDを搭載し、OSにWindows XPをインストールした状態で安定動作したという実績があるというのは大きな強みだ（製品にはこれらのパーツは付属しない）。ちなみにデモ機は、多少コマ落ちはするもののソフトウェアによるDVD-Videoの再生やCD-Rのライティングもクリアできたとしているので、こうした用途での確実な安定動作を目指すのであれば、前述したものと同様のパーツ構成で組み上げてしまうというのも手だろう。

　なお、付属のライザーカードを使うことでPCIスロットが1本利用できるが、消費電力の大きいビデオカードなどを装着した場合は電力不足状態に陥ってしまうことも考えられるので注意が必要だ。

　小型のPCでさらに完全ファンレス仕様となると、標準のタワー型PCなどに比べて排熱や電源容量に関する問題といったクリアしなければならないハードルがいくつかあるが、今回の「MANA」は動作デモというかたちでの動作実績があるだけに自作初心者にも薦められる製品といえる。また、腕に自身のある人は、同店の保証外とはなるもののPentium IIIやCeleronでのファンレス動作に挑戦してみるのもよいだろう。

□MANA（BONA Computech）
http://www.lex.com.tw/case-mana.htm
□関連記事
【2002年6月8日】いよいよファンレス自作PCキット登場か？キューブ系製品のデモ開始
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20020608/etc_mana.html

（BONA Computech MANA）

[撮影協力:スリートップ2号店]

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