シャットダウン後の余熱を強制排気するファンコントローラーが登場
「Cooling After」は、PCケース内に設置可能な小型のファンコントローラー。一般的なファンコントローラー製品のように、PC稼動中のファンの回転数を調整して静粛性を高めるのではなく、PCのシャットダウン後にも一定時間だけCPUクーラーのファンやケースファンなどを動作させ、PC内部の余熱を強制排気させることを目的としているのがこの製品のユニークなところだ。
通常、PCをシャットダウンすると、それに伴ってCPUファンやケースファンも同時に停止するため、CPUやHDD、ビデオカードといったパーツの余熱がケース内にこもってしまうことになる。しかし「Cooling After」を使用すれば、シャットダウン後も内蔵タイマーによって一定時間ファンが動作し続けるので、ケース内に残留した熱を通常よりも早く排気することができるようになる。タイマーの設定時間は、本体に備えるジャンパで1分、3分、5分、10分のいずれかから選択できる。
さらに、シャットダウン後にファンを動作させる際は、PC稼動中の時よりもファン回転数を抑えるようになっているなど、静粛性に対する配慮がなされているのもうれしい点だ。
使用方法は、これまで使っていたファンの電源ケーブルなどをこの「Cooling After」を介してマザーボードに繋げるだけといういたって簡単なもの。PCケースの電源LEDなどを「Cooling After」に接続することで、シャットダウン後のファンの動作状態をPCケースの外から確認することもできる。また、「Cooling After」1台で2つまでのファンをコントロールできるが、「Cooling After」同士を付属ケーブルでカスケード接続することで、3つ以上のファンにも対応が可能だ。
ただし、この製品が利用できるのはWOL(Wakeup On LAN)コネクタを持つマザーボードに限定されている点には要注意だ。仕様として明記はされていないが、おそらくシャットダウン後のファンの作動にWOLコネクタの待機電流を利用しているためと思われる。なお、前述のカスケード接続用ケーブルとはWOLケーブルのことで、「Cooling After」とLANカードをWOLケーブルで接続すれば、これまでどおりWOLを利用することもできる。
シャットダウンしていきなりファンを停止すると、CPUを筆頭に高熱を発したままの内部パーツがそのまま放置されるため、PCの信頼性に悪影響が出る恐れもあり、特にハイパフォーマンスのPCの場合は保険としてこれを導入するのも良さそうだ。
□Cooling After(VICS Technology)
http://www.vicstech.com/jp/rd7-ca/
(VICS Cooling After RD7-CA) |
[撮影協力:TSUKUMO eX.]
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