独自のコマンド制御技術「tag 'nseek」の採用により高速化を実現したというIBM初の60GBプラッタ採用3.5インチHDD「Deskstar 180GXP」が登場した。同社が公開しているデータシートによると、容量では180GB/120GB/80GB/60GBの4モデルがあることになっているが、今回はまず80モデルを除く3種類が登場している。実売価格は180GBモデルの「IC35L180AVV207-1」が35,770円~43,799円、120GBモデルの「IC35L120AVV207-0」が24,980円~26,800円、60GBモデルの「IC35L060AVV207-0」が13,940円~14,980円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
「tag 'nseek」とは、CPUからHDDに対して送られるデータの読み出しや書き込みなどを行なうためのコマンドを制御する同社独自の方式。そのメカニズムは、まずコマンドごとにタグ(ID)を割り振り、そのIDをもとに処理の効率化が最も良くなるようにコマンドの並べ替えを行なうことで、コマンド処理の高速化が図れるというもの。その結果、シーク動作が最小限に抑えられ、1世代前の同社製品に比べ約25%の速度向上を実現できたという。
また、「Deskstar 180GXP」は同社の3.5インチHDDとしては初めて流体軸受けモータを採用しているのも大きな特徴だ。アイドル時の動作音量は1プラッタモデル(60GBモデル)が26dB、2プラッタモデル(120GB/80GBモデル)が28dB、3プラッタモデル(180GBモデル)が30dB。静粛性を最重視するなら60GBモデルが狙い目だが、180GBモデルもプラッタを3枚搭載するHDDとしてはなかなか優秀な静粛性を実現しているといえる。
そのほかの仕様は、対応インターフェイスがUltra ATA/100、スピンドル回転数が7,200rpm。1プラッタタイプの平均シークタイムは8.8ms/アイドル時動作音 2.6Belで、2プラッタタイプは同8.5ms/2.8Bel、3プラッタタイプは同じく8.5ms/3.0Bel。バッファ容量はモデルによって2MBまたは8MBと異なっており、180GBモデルは8MBタイプ、60GBモデルは2MBタイプ、120GBモデルと90GBモデルは2MB/8MB双方のタイプがラインナップされている。
もともと人気の高かった同社の3.5インチHDDだが、「tag 'nseek」による高いパフォーマンスと流体軸受けモータによる静粛性を兼ね備えたこの「Deskstar 180GXP」で更なる人気を呼びそうだ。
□Deskstar 180GXP(IBM)
http://www.storage.ibm.com/hdd/desk/ds180gxp.htm
http://www.ibm.com/news/jp/2002/10/10011.html
| (IBM Deskstar 180GXP) |
[撮影協力:OVERTOPとコムサテライト3号店とTSUKUMO eX.]