大型の放熱フィンを用いながらAGPスロット脇のPCIスロットのスペースを占有しないという画期的なビデオカード用ファンレスクーラー「VM-101」の展示が複数ショップでスタートした。カード裏面にフィンが位置するユニークな構造が特徴だ。
とくにハイエンド向けAGPビデオカードは、冷却システムの大型化によりファンレスタイプでなくても隣接するPCIスロットのスペースを占有してしまうものが少なくない。この「VM-101」はカードの裏面に放熱用の30枚のフィンを配置するというユニークな構造で、その欠点を克服した注目の製品だ。
本体は主にビデオチップ用ヒートシンク、フィン、ヒートパイプの3点で構成され、装着時はビデオカードを表裏からヒートシンクとフィンで挟むような形になる。ヒートシンクとフィンは2本の太いヒートパイプで繋がれており、ビデオチップの熱をヒートパイプを通じてカード裏面のフィンに送り、そこで放熱するという仕組みだ。重量が220gと比較的軽いのも特徴といえる。
冷却性能に関しては、スペックでは70W以上の熱に対する放熱効果があり、ビデオチップはGeForce FX 5900/RADEON 9800 PROに対応するとされている。また、高速電脳はRADEON 9800搭載カードとの組み合わせで4日間の連続動作を確認したとしており、ファンレスタイプとしては比較的高いパフォーマンスを持っていると見てよさそうだ。
ただし、フィンは長さ165mm、厚さ30mmと大きいため、AGPスロット付近にあるチップセットクーラーなどのパーツとの干渉には要注意と言える。また、実際に動作検証行ったTSUKUMO eX.によると、AGP直下のPCIスロットは物理的に占有しないものの、取り付けた底面のプレートがかなり熱くなるので、できれば直下のPCIは使用しないほうがよく、ヒートパイプが長いためにケースによってはサイドパネルがしまらなくなる場合もあるとのこと。
主なショップの入荷予定時期/予価は、OVERTOPが6月2日(水)/4,000円前後、クレバリー1号店が6月3日(木)頃/3,958円、高速電脳が6月上旬/3,980円前後、TWOTOP秋葉原本店が近日/3,980円前後、ツクモパソコン本店とTSUKUMO eX.が6月2日(水)/3,780円、フェイス秋葉原本店が6月上旬/4,000円前後となっている。
□VM-101(Aerocool Advanced Technologies)
http://www.aerocool.com.tw/aerocool-files-v3/cooler/vga/vm101.htm
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| (AeroCool VM-101) |
[撮影協力: 高速電脳とクレバリー1号店とTSUKUMO eX.]