【 2006年12月9日号 】
	家庭内電力線をLAN利用するPLCモデムがデビュー

　家庭内の電気配線を用いてLANを構築できるPLC（Power Line Communications、電力線通信）に対応した製品が初登場。PLCアダプタ2個がセットになったパナソニックの「BL-PA100KT」とPLCアダプタ増設用の「BL-PA100」が発売された。実売価格は「BL-PA100KT」19,600円前後、「BL-PA100」が13,000円前後（詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと）。

　PLCとは電気配線を用いて通信を行なう技術で、コンセントに接続したPLCアダプタ同士でデータ転送を行なうことが可能になる。例えば、家庭内の離れた部屋同士に置かれたPCの間で、LANケーブルを引き回さずにLANが構築できるのがメリットだ。PLCアダプタとPCなどの接続には従来のLANケーブルを使用する。

　ただし、電波法によってPLCアダプタの使用は屋内に限られているほか、PLCアダプタから発生する高周波により無線マウス、ラジオ、アマチュア無線といった無線機器や、医療機器などの動作に影響を及ぼす場合があるといったデメリットもある。

　また、逆にPLCアダプタが電気的なノイズを発生する機器（ヘアドライヤー、掃除機など）から影響を受けて通信速度が低下したりすることもあり、同社はこれらの機器にノイズフィルターを装着するよう推奨している。PLCアダプタを、テーブルタップなどを介さずに壁のコンセントに直接挿すように推奨している点も注意が必要だろう。

　「BL-PA100KT」はPLCアダプタが2個セットになった製品で、それぞれ親機、子機としてあらかじめ登録されており、そのまま使えるようになっている。単品の増設用子機「BL-PA100」もラインナップされている。

　PLCインターフェイスの最大通信速度は190Mbpsで、最大実効通信速度はUDP 80Mbps、TCP 55Mbps。LANインターフェイスは10BASE-T/100BASE-TX。LANポートは1基だが、Hubを繋げればPCなどの機器が複数台接続可能だ。本体サイズ（約）は幅121×高さ70×奥行き40mm。

　家庭内で有線LANを構築するのに便利なPLCだが、ノイズに関するトラブルが発生する可能性がある点には十分に注意が必要。同社のWebサイトには他にも注意点が記されているので、導入を考えている人は一度目を通しておいたほうがよいだろう。

□BL-PA100KT/PLC（パナソニックコミュニケーションズ）
http://ctlg.panasonic.jp/product/info.do?pg=04&hb=BL-PA100KT
http://panasonic.co.jp/pcc/products/plc/
□高速電力線通信推進協議会
http://www.plc-j.org/
□関連記事
【2006年11月13日】パナソニック、家庭内電力線をネットワーク化するPLCアダプタ（PC Watch）
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/1113/pana.htm

（Panasonic BL-PA100KT）

[撮影協力:パソコンハウス東映]

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