【 2009年9月12日号 】 | |
Intelがイベント開催、LGA1156をアピール 「日本が一番売れている」、5.7GHzのOCも |
Intelの新プラットフォーム、LGA1156をアピールするイベント「Intel Technology Day in Akiba 2009」が9月12日(土)に開催された。会場はベルサール秋葉原(住友不動産秋葉原ビル1階)。
イベントでは「神様」こと天野伸彦氏によるCPU/SSDの解説が行われたほか、各社のLGA1156マザーボードやCPUクーラー、ショップブランドPCなどがデモ。さらに液体窒素によるオーバークロックやショップによる500円抽選会などが実施された。
「神様」天野氏が
LGA1156をアピール 
●「神様」天野氏がLGA1156をアピール
予告された「お詫び」の解説や、ライバル意識、そして新情報(?)
CPUの解説セッションを担当したのは、やっぱり天野氏。発表後の製品のため、さほど新味のある内容はなかったが、Core 2に対するLGA1156のアドバンテージを「メモリコントローラ内蔵とDDR3メモリによるメモリ性能の強化」「Turbo Boost」「アイドル時の省電力化」の3つに分類。中でも、「公式オーバークロック機能」ともいえるTurbo Boostに関してはLGA 1366版Core i7と比べてもブーストされるレベルが強化されているとのこと。
Turbo Boostは「未使用コアのTDPを利用して、利用コアをオーバークロックする」という機能だが、Core i7-950では「1-1-1-2」(3.2GHz〜3.33GHz)だった最大ブースト段階数(それぞれ4コア/3コア/2コア/1コア使用時)がCore i5-750では「1-1-1-4」(2.8GHz〜3.2GHz))に、Core i7-860では「1-1-4-5」(2.93GHz〜3.46GHz)に、Core i7-870では「2-2-4-5」(3.2GHz〜3.6GHz)に、それぞれ大きく上がっているという。
発熱に関しては、「アイドル時の発熱は(Core 2よりも)今回のCPUのほうが少ない」と説明したが、Turbo Boostなどがついている分、「純粋な発熱量」という点では今回のCore i5/i7のほうがCore 2よりも大きくなるとのこと。
また、前回イベント時に言及があった「お詫びすることがある」点も解説。
これはP55チップセットのUSBコントローラに関するエラッタで、「USB 1.1の同期転送デバイスとUSB 1.1の非同期転送デバイスを組み合わせて利用する際、両者を同じコントローラグループに接続してしまうと、同期転送デバイス側のデータ取りこぼしが起きてしまう」という内容。症状の発生する「USB 1.1の同期転送デバイス」は、USB 1.1対応の古いUSBサウンドアダプタなどで、最近のUSB 2.0デバイスやUSB 1.1でもマウス/キーボードなどの非同期デバイスでは問題ないとのこと。また、そうしたデバイスを使う際でも、接続コネクタを別のコントローラグループに切り分けることで、問題なく利用できるという。発生条件がややこしい不具合だが、要するに「USB 1.1のサウンドデバイスでノイズなどが出たら、マウス/キーボードとは別のコネクタグループに接続する」ということでいいようだ。ちなみに、この不具合は次のステッピングで改善予定。
Q&Aセッションでは、LGA1366、LGA1156とソケットが増えてしまったことを「メモリコントローラをCPUに内蔵したデメリット部分」と解説。AMDのSocket 939/Socket 754時代になぞらえて説明するなど、この分野で先行したライバルを意識した面もある様子。
なお、毎回「内容(に暴走がないか)が気がかり」と同社広報が心配する同氏のセッションだが、今回きっちり広報確認済み。
おかげで(?)、大きな脱線などはなかったが、来場者からの質問「(将来出ると思われる)デュアルコア×各2スレッドのCPUとクアッドコア×各1スレッドのCPUでは、どちらが性能が高いですか?」に答え、「デュアルコア製品は高いところのクロックで出てくると思うので、悩まれるのでは?」と微妙に「新情報」な発言も一部にあった。
ちなみに同氏はSSDについてもセッションを実施した。こちらに関しては別記事(現在作成中)を参照のこと。
[動画] "神様"のLynfield解説@Intel Technology Day in Akiba 2009 / 13分
●吉田社長と本社副社長もそろい踏み
「日本が一番売れた」
また、会場のオープニングセッションは、インテル社長の吉田和正氏と、「このために来日した」というIntel本社セールス&マーケティング本部 副社長 兼 インテル・リセラー・チャネル統括部 部長のスティーブ・ダルマン氏がそろい踏み。
吉田氏
ダルマン氏吉田社長曰く、「今回の新製品、発表されてから売れた数っていうのが、日本が一番多かった」「皆さんが“これは楽しい”“持って帰って作ってみよう”と思ってくれた、というのがすごいことで、僕もできるだけ皆さんと話がしたかった」と喜び満面。
ちなみに両氏、昨年のCore i7発売時もイベントに登場している。
□関連記事
【2008年11月15日】カウントダウンで販売開始、インテル社長&副社長の挨拶も
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20081115/etc_intel7_countdown.html次ページ→:公認(?)オーバークロック実施最大5,721MHz?
□Intel Technology Day in Akiba 2009(インテル)
http://www.intel.co.jp/jp/go/techday/Intel製品