【 2009年9月26日号 】
現行最速のSSDでゲームは快適になるのか?
FPSゲーマーfumioが試す「G-Monster-PROMISE PCIe SSD」


お盆にValore ION 330を購入したfumio氏。「地デジも見れるし古いゲームなら快適に動くので、メインのゲーム用PCを使う機会がめっきり減ってしまった」と好印象な様子。

 

-fumio-
FPS系のゲームを中心にプレーするゲーマー。過去、世界最大のe-SportsイベントWorld Cyber Gamesに日本代表の一員として参加しているほか、フリーのFPSゲームWarsowの国内大会での優勝、Crysisアジア大会で4位の成績を収めるなど、国内トップクラスの実力を有する。


超高速SSDはゲームプレイを快適にする?

 昨年末、筆者はIntelX25-M SSDを使用して"ゲーム中の読込み時間がどれだけ短縮できるのか"というレビューを書いた

 SSDの登場でストレージデバイスの速度は一気に向上したわけだが、当時は実際に使った際のデータが少なく、「これでPCゲームを遊ぶとどれくらい快適になるのか」という観点からテストをしてみた。終えた時点での感想としては、検証前の期待が大きすぎたこともあり、"数値ほど快適な印象はない"というのが本音だった。

 あれから月日も流れ(といっても9ヶ月程度だが)、X25-Mよりも高速なSSDも登場した。今回は現在市場で入手可能な最速クラスのSSDを使って、"超高速SSDは理想のゲームプレイ環境をもたらすのか"をお伝えする。

高価だが高性能、G-Monster Promise PCIe SSD 512GBを試す

 今回テストするのは、PhotoFastG-Monster Promise PCIe SSD 512GB

 PromiseのPCIe x8 RAIDカードSuperTrak EX8650に同社のG-Monster V3 128GBを4台搭載したというもので、その贅沢な構成のため店頭価格は20万円を越えている(2009年9月現在)。気軽に手を出せる価格では断じてないが、現在手に入る単体SSDとしてはぶっちぎりで最速といえる製品だ。

 同製品ではRAID 0/5/6などのRAIDレベル選択することができるが、今回は速度を重視し、RAID 0で動作させている。比較対象としては、筆者が普段使っているSeagate製HDDST31000333ASを用いた。それ以外のテスト環境は以下のとおり。

CPU:Core2 Duo E8400
マザーボード:ASUS P5K-E
メモリ:DDR2-667 2GB×2 (SANMAX SMD-4G88CP-6E-D)
ビデオカード:Sapphire Radeon HD 2900 Pro
サウンドカード:オンボード(SoundMax)
OS:Windows XP Professional SP3

 なお、今回使用しているG-Monster Promise PCIe SSD 512GBはメーカー評価機だ。ちなみに、パッケージに含まれているものは、本体とドライバ/PDFマニュアルの入ったCD-Rのみ。紙のマニュアルやOSインストール時に使用するフロッピーディスクなどは付属していない。筆者はRAIDに慣れていないため、導入にやや戸惑った。RAID初心者には若干ハードルの高い製品かもしれない。

 補足だが、マザーボードのP5K-EはPCI Express x16スロットを2本備えており、片方はx4動作となっている。今回はx4動作のスロットを用いてテストしているのだが、G-Monster Promise PCIe SSD 512GBはx8動作のカードため、動作に問題がないか速度を計測してみた。下がCrystalDiskMarkでの結果だが、x4動作のスロットでも問題なく速度は出ているようだ。

・G-Monster Promise PCIe SSD 512GB・ST31000333AS

CrystalDiskMark(50MB時)

CrystalDiskMark(1,000MB時)

CrystalDiskMark(50MB時)

CrystalDiskMark(1,000MB時)

ゲームタイトルに左右される超高速SSDの効果

 テストにはLeft 4 Dead、Alliance of Valiant Arms、Crysis Warheadの3タイトルを使用した。全てFPSタイトルなのは特に基準があるわけではなく、強いて言えば筆者の趣味。ゲーム中に最も気になるであろうローディングの発生する部分を選び、読込みが完了するまでの時間を計測した。


Left 4 Dead

[動画] マップロード完了まで / 36秒
※別ウィンドウで開きます
 一つ目は「Left 4 Dead」。SSDのロード時間はHDDの半分ほどで、この程度の差が出ると体感でも効果がはっきりわかるようになる。

 ゲームエンジンにSourceエンジンを使用したゲームは全般的にロード時間が長い傾向あるが、SSDを導入することで待たされるストレスはだいぶ軽減される。

 動画には無いが、ゲームの起動時間もSSDの方が半分ほどに短縮されており、今回テストしたタイトルの中では最もSSDの性能を発揮する結果となった。

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Alliance of Valiant Arms

[動画] マップロード完了まで / 21秒
※別ウィンドウで開きます

 二つ目は「Alliance of Valiant Arms 」。Crysis同様にSSDとHDDの読込み時間の差は約7秒だが、ロード時間はSSDの方が30%減と大幅に短縮されることもあり、ある程度SSDの効果を感じられる。

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Crysis Warhead

[動画] マップロード完了まで / 58秒
※別ウィンドウで開きます

 三つ目は「Crysis Warhead」で、セーブポイントから開始し、マップのロードが完了するまでの時間を比較した。

 違いは6秒ほどで、SSDが10%ほど高速。ただし、SSDはロードが完了するまで約50秒、HDDは約56秒と相対的な差は小さく、体感的にもあまり快適になったとは感じられない。

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HDDよりは間違いなく速い、究極のゲームPCを手に入れたいならアリ?

 3つのタイトルでのテストを終えて、いずれのタイトルにおいても読込み時間はHDDから短縮される結果になった。タイトルによってはロード時間を大幅に短縮する例もある。ただし、X25-Mレビュー時と同様、体感的な速度差はベンチマークの数値ほど大きくはないと感じた。

 また、ゲームタイトル毎にストレージ性能が影響する度合いが大きく違うため、SSDの速度が活かされるタイトルもあれば効果の薄いタイトルもある。必ずしも劇的に速くなるものではない点には注意が必要だ。

 導入コストや効果などを考えると万人には進められないが、"究極のPCをつくりたい”というのであれば話は別だ。CPUやビデオカードを強化しきった状態で、さらに快適なゲームプレイ環境を手に入れたい状況であれば、G-Monster Promise PCIe SSDを導入する意義を見出せるだろう。ゲームPC向けのアップグレードパーツとしてみた場合、妥協の無い"究極のゲームPC”を手に入れたい人に向けたストレージと言えるかもしれない。

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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaimono/20090604_212323.html

G-Monster-PROMISE PCIe