1998年4月25日号
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そのほか今週気になった新しいモノ/動き
EPOXからはEP51-MVP3E-Mが出荷され、アキバでは実売価格1万円後半で計6店で販売中(「今週見つけた新製品」参照のこと)。これはMVP3搭載マザーボードとしては初のATXフォームファクタを採用した製品で、多くの人が待ち望んでいた製品と言える。なにしろ、日本では先走りの特殊事情から、とうの昔にフォームファクタの主流はATからATXに移行しているため、Socket 7最新マザーボードがATフォームファクタでばかり出てくることに不満を持っている人は数多い。実際、2枚だけ入荷したというあるショップでは、途端に3人の客が「それ欲しいんですけど」とやってきて、店員が「困りましたねぇ、ジャンケンで決めてもらえますか」という会話が交わされる現場も目撃してしまった。スペックはATX/AGP×1/PCI×3/(ISA/PCI)×1/ISA×2/DIMM×3/SIMM×2。2次キャッシュのPBSRAMについては512KB版と1MB版の2種類が出まわっており、チップはUMC 6464AF-5という5nsの高速チップが採用されている。ベースクロックは60/66/75/83/100MHz、内部倍率は2倍~5倍まで0.5倍刻みで設定できる。あるショップのサポート部門がテストしたところでは、メルコのPC100対応SDRAMと組み合わせてベースクロック100MHzも安定して動いたそうで、VIAのチップセットでは実績があるEPOXということもあって人気が出ることは必至だ。
もう一つはしばらく新製品では音沙汰がなかったFICから出ている。VA-503+という主にOEM向けのシリーズの製品で、フォームファクタは例によってAT。スペックはAT/AGP×1/PCI×2/(ISA/PCI)×1/ISA×2/PBSRAM 1MB/DIMM×4/SIMM×2で、PBSRAMはEPOXと同様にUMC 6464AF-5という5nsの高速チップが搭載されている。PCIスロットが最大3本までしか利用できないというのが、日本のユーザーからするとかなり厳しいところではある。ベースクロックは66/75/83/100MHzに対応、内部倍率は2倍~5.5倍まで0.5倍刻みで設定可能。実売価格は16,800円で、販売しているのは現在USER'S SIDE秋葉原店だけ。ほかにはTWO-TOP秋葉原1号店5Fでサンプル品の展示が行われている。
どちらのマザーボードも、MVP3の特徴であるCPUのベースクロックとは別に、SDRAMへのクロック供給設定を単独で変更できる(100MHzと66MHz)仕様に対応しているので、とりあえずPC100対応SDRAMは後回しにしてCPUとマザーボードだけを新調して遊ぶ、ということができる。Socket 7最速のK6/300と組み合わせても約6万円で購入できるわけで、とにかく即ベースクロック100MHzの環境に移行したいという人には、かなり魅力的な製品といえそうだ。
□EPOX
http://www.epox.com/
・EP51-MVP3E-M
http://www.epox.com/51mvp3em.html
□FIC
http://www.fic.com.tw/
・VA-503+
http://www.fic.com.tw/fic/products/mainboards/1stmain/va-503+.htm
[撮影協力:ぷらっとホームとUSER'S SIDE秋葉原店]
ショップの話によると、今はまだ取引先の代理店によって入荷する製品が従来のタイプだったり、新しい小型のタイプのものだったり、混在している状況とのこと。中身は変わっていないので、だからどういということもないのだが、ショップ側は一様に「在庫スペースが小さくなるのでいい」と大喜びしている。「Intelも大企業なのだから、環境のことを考えてゴミが出ないようにもっと簡易なパッケージにしてもいいんじゃないか」という人もいるほどで、むしろもっとスリム化して欲しいという要望も多いようだ。
「Intelのリテールパッケージって無駄にでかいんですよね」とは、某ショップ店長の弁だが..。
[撮影協力:BLESS]
これは先週からDOS/Vパラダイス本店で販売されているもので、基本的にはISAバス用の格安16bitサウンドカードという位置付けの製品。価格は2,480円。サウンドチップはOPTi 82C931が載っているものの、とにかくパッケージにも説明書にも仕様らしきものがほとんど書いておらず、なんとも怪しげ(だから面白い?)。わかることは、Full Duplex(全二重)対応であること、SoundBlaster ProとAdLib互換であること、Line/Mic/Speaker/ジョイスティックポートがサポートされていること、WaveTable用ドーターカードが使えること、くらい。ちなみにドライバはWindows 3.1/95/NT4.0用のものが同梱されている。
赤いサウンドカードといえば、Gravis Ultra Sound(通称GUS)が元祖だけれども、このカードはメーカーがサウンド事業から撤退したことで事実上消滅している。このときの赤はハイスペックの象徴だったのに、今度は格安サウンドカードで復活とはなんとも皮肉なもの。サウンドカードのないサブマシンを持っている人がいれば、シャレで1枚いかが?
製品名は「Create & Share Camera Pack PCI MODEM」というもので、基本的にテレビ会議システムのシリーズの一つ。モデムカードは、Rockwellのモデムチップ+ビデオキャプチャ用チップが載った変り種の56Kbpsモデムで、モデム側にビデオ入力端子もついている。もちろんCCDカメラとセットになったもので、実売価格は48,200円。このシリーズには、ほかにもUSB接続のCCDカメラや、アナログCCDとビデオキャプチャカードがセットになったものなどがあり、すべてT-ZONEミナミ 5Fの輸入コーナーで販売中だ。
また、Flip-Flapでは、COMDEX/Spring '98の取材時にシカゴで見つけたという変わり種商品を店内で展示中で、この中で「Create & Share Camera Pack PCI MODEM」も展示中だ。実物をしげしげと見てみたいという人は、ここへ行くといい。ちなみに、このコーナーは名前がついていて「Chicago Hotline!」という(どこかで聞いたことがあるような気がしないでもない)。このコーナーでは、460Kbpsまで対応するPCIバス対応の1Portシリアルカード「SIIG CyberSerial PCI」や、Logitec製のワイヤレスマウス&キーボードなども展示中で、今後も順次いろいろ紹介していく予定とのこと。ホームページ上でも紹介するそうなので、期待しよう。
□Chicago Hotline!
http://www.flipflap.com/chotline.html
□Intel
http://www.intel.com/
・Create & Share Camera Pack PCI MODEM
http://www.intel.com/createshare/selector.htm
[撮影協力:Flip-Flap]
この臨時店舗、やはり使い古しのトヨタ・ハイエースに商品を詰め込んでいる姿がよく似合い、完全に目印のような存在になっているようだ。店舗前にあるハイエースの姿を見るなり、人がワンサカと寄ってきて、写真のような人だかりがすぐに発生、ピーク時は交通の邪魔にならないよう店員が整理に入らなくてはならなくなるほど。
25日(土)の営業は、ソフトを100円ワゴンセールで販売したり、HDDやマザーボードを格安販売したりで大繁盛の様子だった。今後も、またちょくちょく週末限定で営業する予定にしているそうなので、アキバに出かけたときは要チェック。また、ホームページ上でも事前に営業案内が出るので、出かける前に見ておくといいだろう。
[撮影協力:TWO-TOP東京ハイエース店]
ブロックE2のMSビル 5Fから末広町寄りのリーテムビル1Fへと移転したもので、地理的には秋葉原の中心からさらに離れた格好。しかしながら、道路に面したビル1Fのスペースを利用しているため、買い物客からすると以前より入りやすい状況になっている。特に店内が外からよく見える構造になっているのは、オープンな雰囲気が出ていて、初めての人でも安心して店内に入ることができそう。
セールでは、CPUやデスクトップ機、IBM PC110などが目玉商品として用意されていた。通常商品としては、ほかにビデオカードやHDD、キーボードなどの型落ち品や中古品などを中心に取り揃えているので(ジャンクのMOドライブ1,000円というのもあった)、一度足を伸ばしてみると、思わぬ掘り出し物が発見できるかもしれない。
現在出まわっている日本語シール付のパッケージを見てみると、箱の外側にはそのあたりのことが何も書かれていないにもかかわらず、実際に買って中を開けて見ると、日本語マニュアルで「注意 Intel社のPentium-IIのみサポートしています。」という記述を初めて見せられることになり、さらにマニュアルに挿し込まれた1枚紙で決定的な「NOTICE: PLEASE DO NOT INSTALL THE AGP-V2740 WITH ANY SOCKET-7 MOTHER BOARD.The AGP-V2740 requires motheboard with intel 440LX or future corelogic chipsets from intel.」という記述を発見することになる。いつからこうなっているのか不明だが、買う前には注意がないのに、買って中を開けてみると「Intel以外のチップセットでは使えない」と言われるという妙な状態になっている。AGP-V2740はAGPバス専用のカードのため、PentiumIIのみのサポート、と言われると自動的にIntelのチップセット以外に選択肢がなくなるし、IntelはSocket 7用のAGP対応チップセットを作っていないので、Socket 7マザーボードにインストールしないで、というのはつまりIntel以外のチップセットのマザーボードでは使わないで、という意味になる。アキバの各ショップを見る限りでも、技術的に詳しい一部のショップが独自に店頭でこのあたりの内容をアナウンスしている程度で、これでは知らないで買った場合に悔しい思いをする人も出てきそうだ。
ASUS自身は先日の都内の新製品説明会で「問題は認識しており、今後はドライバのチューンで改善する」と公言しているので、技術的な問題はそちらに期待するとしても、今のパッケージ自体にも問題があると言わざるを得ない。AGP-V2740に限らず、i740搭載ビデオカードを使おうとしている人は、自己防衛のためにこのあたりの問題をしっかり頭に入れておく必要がありそうだ。
□ASUSTeK(ASUS)
http://www.asus.com.tw/
[撮影協力:ぷらっとホーム]
そのラジオ会館に、またもやそれと関連する異変が起きた。先日は駅側にある3Fの窓ガラスに「アニメK-BOOKSコミックス同人誌」という大きな張り紙が貼られたばかりだが、今度は4Fの窓ガラス部分に「綾波レイ」の等身大フィギュアが設置された。もちろん綾波レイとは、超有名アニメのエヴァンゲリオンに出てくる人気少女キャラクター。看板があるわけでもなく、ただ置いてあるだけなのだが、見た目のインパクトは大きい。4Fにフィギュア専門店ができるようで、現在工事が行われている。
ちょうどJR秋葉原駅の電気街口周辺をレイが見下ろす格好になっているわけだが、これはいかにアキバのアニメ街化が進んだかの象徴のような気がしてならない。2年後は、いったいこの街はどうなっているのだろう?
同店の店頭ではサンプルをいくつか展示中だ。ペイントの手法は、車のペイントでよく使われるエアーブラシによるもので、仕上がりはとても綺麗。もちろんすべて手作業だ。同店では「プレゼントやインテリアに」とアピールしている。どうしても自分オリジナルのユニークなデザインにしてみたいという人は利用してみるといいだろう。いまごろは、アニメ系キャラクターのペイント注文が殺到してたりして?
詳細な問い合わせについては、次のところまで。
日立から世界初のDVD-RAMドライブ「GF-1055」が15日(水)に登場し、発売直後に品切れとなってしまったことは先日お伝えした通り。そして、今度はPanasonicブランドのDVD-RAMドライブの予約受付がLAOX THE COMPUTER館で開始された。
型番はLF-D100Jで、もちろん外付けSCSI仕様の製品。価格は79,800円と、GF-1055よりも1万円ほど安い。また、メディアの予価も出ていて、こちらは2.6GBが2,280円、5.2GBが3,580円となっている。これもmaxellブランドと比較すると若干安い(maxellは5.2GBのみの発売)。結果的に後発となってしまったこともあり、価格の点で競争意識が働いているのかもしれない。Panasonicの製品も、当初は出荷量が少ないことが予想されるので、どうしても今すぐ欲しいという人はこの機会に予約しておくといいだろう。
□松下電器
http://www.panasonic.co.jp/panasonic-j.html
・LF-D100J
http://www.panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn971029-1/jn971029-1.html