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2006年12月10日
i-RAMが「フタ」で外付け可能に
「手軽にi-RAMが外付けにできる」と聞いたら信じられますか?
電源部分をPCIから4ピンに変換するアダプタを自作して外付け化していた人もいましたが、プロ並みの知識を持った人以外にそういったものが作成できるわけはなく、i-RAMを外付けにするのは一般的には無理というのが常識ですよね?
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▼実は簡単(?)だったi-RAMの外付け化
ところがきちさんのサイト内で公開されている「究極のストレージi-RAM4枚でRAID0の構築」というレポートを読んでビックリ。その中では「フタ」と呼ばれるPCI Express x1-PCI変換アダプタDCT-FUTA1とACアダプタを使ってi-RAMが動作していたのです。どういうことかというと、DCT-FUTA1の持つ、4ピンコネクタからPCIスロットへの給電機能、これを使ってPCIスロットに電力を供給、そしてi-RAMが動作するという寸法です。
i-RAMはPCIバスからの電源供給が必須なため、設置場所の制約が大きかったことも弱点でしたが、外付け化が可能ならば設置場所の制約はなくなり、将来的にPCIバスが無くなったとしてもi-RAMを使うことが可能となります。i-RAMをなんとか外付けにできないかとずっと悩んでいたので、「こんなに簡単に外付けにできていいのか!」と思ったと同時に、「フタが発売されたときになんで気づかなかったんだ~」とショックを受けつつ早速DCT-FUTA1を買ってきました。
▼電源は何を使う?
電力を供給する口は簡単に確保できましたが、電源に何を使うかが問題です。IDE-USB変換コネクタ付属のACアダプタなどが使えると安上がりかつ手軽ですが、動作するかどうかはわかりません。i-RAMの消費電力に関するデータは公表されていないので、まずワットチェッカーを使って調べてみることにしました。
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▼消費電力は最大で14W
左の写真がそうして調べたメモリ枚数別の消費電力です。
i-RAM+DCT-FUTA1+PC3200 1GB×4枚という最大構成時の消費電力は14W。日立製HDD HDT722525DLA380の消費電力が8~12W程なので、HDDと比べてi-RAMの消費電力が特に高いということは無い模様。さらに最大構成の状態から一枚ずつメモリ枚数を減らして消費電力を測ったところ、3枚時で13W、2枚時で12W、1枚時で11Wとなり、1GBのメモリ1枚で1W程度の電力を消費することがわかりました。 ちなみに、最大構成時からi-RAM搭載の電池を外した時の消費電力は11Wなので、電池の充電に3W程度消費しているようです。 なお、調べてみてわかったのですが、i-RAMはアイドル時もフルロード時も消費電力があまり変わらない特性を持っている様子。動作中にメーターの値が変わることはほとんどありません。 |
▼IDE-USB変換コネクタ付属のACアダプタで一応動作可能
テストに使ったGH-USH-IDE付属のACアダプタの最大出力を計算してみると13.92~15.36W(※1)。マージンをとらずに使うのは危険なので、結論としてはこの種のACアダプタを使用する場合メモリは3枚までか、i-RAMの電池を抜いて使用したほうがよさそうですね。
その後、外付け状態でフォーマットや書き込みなどの動作テストを行いましたが、データ化けなどの問題は無く、電源が断たれた場合もバックアップの電池があればデータは保持されています。これならPCIバスに搭載した状態と同じ感覚で使えそうです。 ※1 電源の出力は「V×A×PF(力率)=W」で計算可能、テストに使用したACアダプタのPFの値は0.58~0.64。 |
▼外付け化は無事成功、そのままRAIDは組めるのか?
こうして外付け化は問題なく終了。設置場所の制約もなくなったのでRAIDを組んでみようと思ったのですが、掲示板などの情報によるとRAID環境での使用は相性問題などによりかなり厳しいようです………。しかし、RAIDで使えれば4GB以上の容量を扱えるようになりますし、うまくいけばHDDでは不可能な速度をたたき出すことができるかもしれません!(笑)
i-RAM好きとしてはやはりRAIDを避けて通ることはできないので、次回はRAID環境構築に挑戦してみたいと思います。