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2007年12月31日

i-RAM4枚でRAIDカードを比べてみた
投稿者: 久保@i 13:00 カテゴリー:レビュー


 手持ちのi-RAM4枚を利用してRAIDカード(i-RAMが使える)を比べてみました。

 i-RAMを使って最速起動ディスクを作ろうといろいろやっていたわけですが、意外とi-RAMが動くRAIDカードは少なくてですね、ほんと苦労したですよ。ベンチマークの結果はHDDでは出ないような数字になっているので、i-RAMに興味のない人にもネタとして見てもらえればコレ幸い。

 左の写真は今使っているi-RAM×4枚で、PC本体とはマルチレーンケーブルで接続しています。なかなか安定動作させられず、ケーブルを全て換えてみたり、電源を変えてみたり、i-RAMを買い直したりと泥沼にはまり、口座の残高を見て「人生オワタ\(^o^)/」という状態に一度突入(苦笑)。まあ、今は安定動作しているので、メデタシメデタシ?となっていることにしています。


※注意

・この記事を読んで行なった行為によって生じた損害は、AKIBA PC Hotline!編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません。
・構造などに関する記述は編集部が使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません 。

 それでは、それぞれのRAIDカードの使用感をお伝えしようと思います。ベンチマークソフトにはCrystalMark 2004R2、OSはWindows XP Professionalを使用しました。なお、体感速度を重視し、RAID 0のアレイはカード側で設定可能な最も小さいブロックサイズで組み計測しています。

・i-RAM単体時の速度
 左の写真はi-RAM単体時のもの。今回は4枚のi-RAMを使用しているので理論的にはこの数字を4倍したものがMAXの値となり、その値にどれだけ迫れるかがRAIDカードの性能の指標となります。

 数字は上からシーケンシャルリード、シーケンシャルライト、ランダムリード(512K)、ランダムライト(512K)、ランダムリード(64K)、ランダムライト(64K)の値です。


RC5210-08(実売価格3万5千円前後)
ブロックサイズ不明(設定不可) 使用マザーボード P5N32-E SLI
 Randam Read 64Kが落ち込んではいるものの、ベンチマークの結果はi-RAMの性能を限界近くまで発揮しているといえる数字で、速度面の性能はかなり優秀。動作の安定性も非常に高く、PCI Express接続な点も◎。

 ただし、このカードはほかのカードには無い特殊な処理をしているようで、起動にかなりの時間を要する(Windows起動時のバーの進みがすさまじく遅い)。OSが起動してしまえば体感速度はかなりいいので、その点だけが惜しい。


LaCie SATA II 3Gbits/s PCI-Express Card 4E ※BIOS入れ替え済み(実売価格3万2千円前後)
ブロックサイズ8KB 使用マザーボード P5N32-E SLI
※BIOSの書き換えを行わなければRAIDで使用できませんが、BIOSの書き換えはメーカー保証外の使用となるため、書き換えた場合はサポートや保証は一切受けられなくなります。

 i-RAMの性能を引き出しており、バランスよく速度が出ている点は優秀。PCI Express接続な点も◎。RAIDカードのBIOS処理が軽いこともありOSの起動時間はかなり早く、Windows起動時の青いバーが全く進まないうちに起動する高速っぷり。起動後の体感速度も良好。

 だだし、起動時に時々i-RAMを見失うことがある点と、RAIDで使用する場合はカードのBIOSを自己責任で書き換える必要がある点には注意が必要(搭載チップのSiI3124はSiliconImageがRAID用のリファレンスBIOSを公開しており、自己責任で書き換えて使用しています)。しかし、リスクを補う分の性能を秘めたカードでもある。

・起動時間の参考動画
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/
tmp/blog/20071208/iramraid.html


RocketRAID 1820A(実売価格2万8千円前後)
ブロックサイズ16KB 使用マザーボードP5WDG2 WS Professional
 速度はまあまあ。カードに癖がなく、今回比べた中で扱いやすさは1番。体感速度も上二つとほぼ同等で高性能。また、RAIDアレイのブロックサイズが16KB~2MBまでと、ほかのカードより幅広く選べる点は面白い。ためしにブロックサイズ2MBでRAIDアレイを組んでみたが、ベンチマークの数字は散々な結果となったものの、体感速度は意外と速かった。

 唯一残念なのはPCI-X接続なのでマザーボードを選ぶ点のみ。

・ブロックサイズ2MB時のベンチマーク結果http://www.watch.impress.co.jp/akiba/
tmp/blog/20071208/idiram6.html


SuperTrak EX8350(実売価格5万3千円前後)
ブロックサイズ32KB 使用マザーボード GA-945P-DS4
 ベンチマークはそこそこの値がでるが、体感速度はかなり遅い。感覚的には単体のi-RAM以下でHDD並。実際に使うとほかのカードには無い無駄な引っ掛かりを感じ、かなり遅く感じる。ベンチマークにも現れているが、細かいサイズのランダムアクセスがかなり苦手な模様。

 今回の中で唯一のハードウェアRAIDカードかつ128MBキャッシュ搭載モデルのため期待したが、速度面では今一な結果に。PCI Express接続なのはいいが、価格を考えるとちょっと厳しい。速度を求める人にはおすすめできない。


 4つほど比較してみましたがいかがでしょうか?起動時の遅さを我慢できるのなら体感速度や安定性からRC5210-08が一押しですが、i-RAMの良さを満遍なく発揮して楽しむならLaCie SATA II 3Gbits/s PCI-Express Card 4Eがいいかもしれません。リスクのある製品ですが、見返りのあるリスクはある意味自作PCの醍醐味でもあり、使いこなせたときの楽しさはひとしおです。

 ちなみに、今はLaCie SATA II 3Gbits/s PCI-Express Card 4EをメインPCで使っています。このカードの起動時間の短さは特筆すべきものがあり、起動の様子をみているだけで自己満足に浸れます(笑)。

 
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