週刊3Dプリンタニュース

光造形式3Dプリンタがついにパーソナルに?XYZプリンティングが発表

〜「文具王」による3Dプリンタの楽しみ方とは?〜

 今回の週刊3Dプリンタニュースは、「COMPUTEX TAIPEI 2014」で発表された3Dプリンタ関連のニュースと、パーソナル3Dプリンタを使ってなにかモノを作ってみたいという人にお勧めの3Dプリンタガイドブックを紹介したい。

光造形方式の個人向け3Dプリンタを発表、来年発売、2,500ドルで「3Dスキャナ一体型パーソナル3Dプリンタ」も700ドル割れで

XYZプリンティングのブース。Tom's GuideのBest of COMPUTEX 2014に選ばれたそうだ
デュアルヘッド搭載で2色での出力が可能なda Vinci 2.0 Duo
デュアルヘッド搭載でタッチ操作対応カラー液晶パネルを採用したda Vinci 2.1 Duo Plus
da Vinci 2.1 Duo Plusでの出力例。花の部分と茎の部分が別々の色で出力されている
同社の3Dプリンタを使って、ホビーロボットの外装を作った人もいる

 6月3日〜7日、台湾・台北でPC/IT関連の総合トレードショー「COMPUTEX TAIPEI 2014」が開催された。COMPUTEX TAIPEIでは毎年、PC本体やマザーボード、グラフィックボードなどのPCパーツなどの新製品が多数展示されるが、今年は、3Dプリンタ関連の展示もいくつか行われており、来場者の注目を集めていた。

 COMPUTEX TAIPEI 2014の3Dプリンタ関連展示の中でも、特に広いスペースを使っていたのが、XYZプリンティングのブースである。XYZプリンティングは、台湾の3Dプリンタメーカーあり、日本でも2014年3月に同社のパーソナル3Dプリンタ「ダヴィンチ1.0」の販売が開始されている。ダヴィンチ1.0については、発表会の様子を過去に取り上げているのでそちらを見ていただきたいが、税込み69,800円という低価格ながら、200×200×200mm(幅×奥行き×高さ)という広い造形エリアを実現したことで、話題を集めている。

 今回、XYZプリンティングはCOMPUTEXにあわせて、「da Vinci 1.0 AiO」「da Vinci 2.1 AiO」、「Novel 1.0」という新製品を発表した。da Vinci 1.0 AiOとda Vinci 2.1 AiOは、外見はベースとなったda Vinci 1.0およびda Vinci 2.1とほとんど変わらないが、3Dスキャナを内蔵しており、1台で3Dスキャンから3Dプリントまで行える、オールインワン(AiO)仕様になっていることが特徴だ。

 また、da Vinciシリーズは、糸状のフィラメントを熱で溶解して積層する熱溶解積層方式(FDM)を採用しているが、Novel 1.0は、紫外線硬化樹脂に光をあてて造形を行う、光造形方式を採用している。光造形方式のほうが、熱溶解積層方式よりも積層跡が目立ちにくく、高精度な出力が可能であるが、熱溶解積層方式に比べてコストがかかるため、現時点でパーソナル3Dプリンタで光造形方式を採用している製品はほとんどない。

 da Vinci 1.0 AiOとda Vinci 2.1 AiOの詳細なスペックは公開されていないが、シングルヘッドのda Vinci 1.0 AiOは、2014年第4四半期に700ドル未満で発売される予定であり、デュアルヘッドのda Vinci 2.1 AiOは、2015年初頭に発売される予定である。

 XYZプリンティング初の光造形方式を採用したNovel 1.0は、2015年の発売を予定しており、2500ドル以下で販売されるという。

 なお、COMPUTEX TAIPEI 2014のXYZプリンティングブースでも、da Vinci 1.0 AiOやda Vinci 2.1 AiO、Novel 1.0が展示されていたとのことだが、最終日にはそれらは撤去されており、すでに発表済みのda Vinci 2.0 Duoやda Vinci 2.1 Duo Plusのみ展示されていた。da Vinci 2.0 Duoやda Vinci 2.1 Duo Plusは、まだ日本国内では販売されていないが、年内にも正式販売が開始される見込みだ。

※記事初出時、da Vinci 2.1 AiOの製品名が一部「da Vinci 2.0 AiO」になっておりました。お詫びして訂正させていただきます。(6/20 13:10)

COMPUTEX TAIPEIでは、XYZプリンティング以外にも3Dプリンタ関連の出展ブースがあった。このブースはいわゆる「互換フィラメント」の代理店。純正品より安価なことが特徴で、10kgから出荷できるという
こちらはQuatronというメーカーブース。シンプルな構造の3Dスキャナを参考展示していた

[書籍紹介]3Dプリンタの実践的なガイドブック「文具王・高畑正幸とカラクリ大好き・大谷和利が見つけた3DプリンタCellPの楽しみ方」

目次の一部

 3Dプリンタ関連の書籍やムックが続々と発刊されているが、実践的なガイドブックはそれほど多くはない。そこで今回は、インプレスR&Dから発刊された「文具王・高畑正幸とカラクリ大好き・大谷和利が見つけた3DプリンタCellPの楽しみ方」を紹介する。

 本書では、国産パーソナル3Dプリンタ「CellP」を、文具王として有名な高畑正幸氏と3Dデザイナーの長峰博斗氏、テクノロジーライターの大谷和利氏の3人が実際に使用し、実用的なものを作ってみるまでの過程が詳しく解説されている。パーソナル3Dプリンタを個人で所有することで、何が可能になるのかを知りたい人はもちろん、すでにパーソナル3Dプリンタを導入したが、なかなか使いこなせないという人にも最適な本である。巻末に、主要な3Dプリントサービスの一覧が掲載されているのも便利だ。

 また、3Dデータ共有サイトでの3Dデータの探し方や、自分で3Dデータを作る方法についても丁寧に解説されている。CellPユーザーなら、わかりやすいマニュアルとしても利用できるが、それ以外の3Dプリンタのユーザーでも、3Dデータの探し方や3Dデータの作成方法は役に立つ。

 本書は、インプレスR&Dが開発した次世代型出版メソッド「NextPublishing」を使って発刊されていることも特徴だ。NextPublishingは、電子書籍と印刷書籍を同時に発行できることが特徴であり、電子書籍版はAmazon Kindleストアや楽天koboイーブックストア、Apple iBookstoreなどから購入できるほか、印刷書籍はAmazonや三省堂書店オンデマンド、ウェブの書斎オンデマンド本 楽天市場店から購入できる。ただし、一般書店では販売されていないので注意したい。価格は電子書籍版が1,400円(税別)、印刷書籍版が2,100円(税別)となっている。

(石井 英男)