2016年12月13日 08:05
ゲームプレイをひとしきり楽しんだ忍者増田氏。
最後に少年時代に気が付かなかった『ディグダグ』の奥深さを考察、その本質をあらためて紐解いていく。
『ディグダグ』の世界観の素敵さを改めて確認、専門用語も懐かしい
やっぱアーケード版はよくできてるなぁなんて思いながら、今になって『ディグダグ』の世界観の素敵さも再確認させてもらいました。だって、敵にモリ(銛)を突き刺してパンクさせるとか、岩で潰すとか、冷静に考えたら相当残酷です。
でも、可愛らしいキャラクター、コミカルなBGM、カラフルでメルヘンチックな色使いなど、いろんな要素が絡まって、そんな殺伐さを中学生の拙者に微塵にも感じさせなかった『ディグダグ』に、あらためて感服した次第でござるよ。
そして、「いんけん撃ち」や「目変化」などの専門用語も懐かしく思い出しました。中学時代は目変化で地中を移動して主人公に迫ってくるモンスターたちが怖かったけど、今もやっぱり怖かったです。「うわー、来んな! 来んな!」なんて声出してプレイしちゃいましたね。
ちなみに、目変化に関しては、某ゲームメーカーでプログラマーをしている友人が非常に興味深い説を唱えていたので、最後に記しておくでござる。
友人曰く、「当時の技術だと、敵が確実にルート探索でプレイヤーを追ってくるのはまず無理なんですね。だから目変化で壁を通り抜けるっていうルールは、プログラム上の仕様から考え出された苦し紛れの解決法なはずなんですよ。でも、『ディグダグ』はそういうものも含めて“災い転じて福と成す”に昇華してると思うんです。岩とポンプと目変化の地中すり抜けが非常にバランス良く相関関係にあるんですよね。当時の環境と作り手の情熱が生んだ稀有な傑作ゲームだと思います」とのこと。
子供のころから今まで、そんなこと考えずにノホホンとハナをたらしながらプレイしていた拙者にとって、唸ってしまうほど感心させられた発言でござったよ。いや、ハナをたらしてたのは嘘ですが、なんか『ディグダグ』に申し訳ない気持ちになってきました。
『ディグダグ』の登場から30年以上経った現在でも、チョコレートケーキを食べたときなど、ケーキの断層を見て『ディグダグ』の地層を連想し、ふと懐かしい気持ちになったりすることがあります。嘘です。なんかかっこよくシメたくて今考えました。ホントはチョコレートケーキ好きじゃないからそうそう食わないしなあ。
というわけで、今回はシマらないまま終了します。ではまた!
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『ディグダグ』を今遊ぶには(参考価格/価格は税込表記) | |
ファミコンカセット(中古品/付属品無し) | 800円前後~ |
PlayStation版ナムコミュージアム Vol.3(中古品) | 400円前後~ |
アーケード基板(中古品) | 2万円前後 |
Wii、ニンテンドー3DS バーチャルコンソール(ファミリーコンピュータ版) | 514円 |
Wii バーチャルコンソール(アーケード版) | 823円 |
ARCADE GAME SERIES: DIG DUG(Steam) | 540円 |
※2016年11月調べ ※Newニンテンドー 3DS 本体:17,280円 ※Wii本体:販売終了 ※Wii U 本体:32,400円 ※Steam版要件:Windows 7/8(64bit)、Intel HD Graphics 3000、DirectX 9.0c |
注釈
- 専門用語
『ディグダグ』では他にも、「病気掘り」や「バラライザー縦打ち」などのテクニックがある。知らない人にはわからない、まさに専門用語! - ルート探索
アルゴリズムの一種。敵が主人公を追いかける際にどの道を通っていくかを検索すること。これが強力過ぎても、おバカ過ぎてもゲームはつまらなくなってしまう。 - 『ディグダグ』の地層
4層構造。地中深い場所でモンスターをパンクさせると高得点になったりする。最初の数ステージは赤茶色がメインなので、きっと深い地層は粘土質。
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
増田厚(ペンネーム:忍者増田)
茨城県生まれ。漫画『ゲームセンターあらし』や『マイコン電児ラン』の影響を受け、中学2年生のときにパソコンをいじり始める。東京の大学入学と同時に、パソコンゲーム誌『ログイン』にバイトとして採用され、6年間在籍。忍者装束を着て誌面に出る編集者として認知度が高まる。その後、家庭用ゲーム雑誌『週刊ファミ通』に3年在籍したあと、フリーライターとなる。現在はおもに、雑誌やWeb、攻略本などでゲームのレビュー記事や攻略記事を執筆しつつ、ゲーム以外のライティングも。得意なゲームは、『ポケモン』、『ウィザードリィ』、『サカつく』など。