パワレポ連動企画

6コアCPUでストレスなしの最強マシン

【見せるぜ!俺のメインマシン(8)】

DOS/V POWER REPORT 2015年4月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2015年4月号」の第一特集「見せるぜ!俺のメインマシン」を掲載する。

 DOS/V POWER REPORT執筆陣が作成した「俺のメインマシン」の六台目は、クリエイターアプリ御用達の6コアCPUを使用したストレスフリーのハイエンドマシン。マシンスペックもさることながら、ケースの発光ギミックとLED電飾アクセサリを組み合わせた文字通り「光る」マシンだ。

 この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年4月号は全国書店、ネット通販にて絶賛発売中。特集記事は掲載した第一特集のほか、最近手が届く価格まで下がってきた4K対応製品や、高度な3Dゲーム対応製品など、ポストフルHDをにらむ液晶ディスプレイを解説した「新世代液晶ディスプレイ一斉テスト」や、5インチベイに光学ドライブ内蔵という考えはもう古いのか!?「外付け&スリムベイ内蔵光学ドライブ14」、ミドルレンジGPU期待の新製品を解説する 「ついに登場!! NVIDIA GeForce GTX 960」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は売れ筋から最新Titaniumモデルまで解説した「電源大図鑑37」。自作において、電源は絶対に軽視してはいけない。出力ワット数だけでなく、コネクタの数や寸法も要チェックだ。


- 見せるぜ!俺のメインマシン -
常用PCの最新型は一つじゃない!!


DOS/V POWER REPORT本誌執筆陣7名が競作(6)
6コアCPUでストレスなしの最強マシン

第六弾担当:DJジロー

普段の使い方

 千代田区神田を拠点に活動するファントムアーティスト。ライブではサビのときにほかのメンバーの後ろで手を振るだけだが、Webサイトや配布物のアートデザインなど、バンドの制作活動を自作PCを使って一手に引き受けているらしい。

 ストレスフリーなウルトラハイエンドマシンがコンセプト。CPUだけでなく、グラフィックス、ストレージまで最高クラスのパフォーマンスにこだわって構成した。LGA2011-v3と大型のATXケースの組み合わせを選んだ理由は、制約の少なさ。ATXサイズのX99チップセット搭載マザーボードならポートやスロットが不足することはほぼないし、これだけ大きなケースなら、放熱の問題や物理的な相性の心配をする必要もなく、思いどおりに好きなパーツを好きなところに配置し、拡張できる。また、このケースの自由度を活用した華やかな光の演出もポイントだ。

パーツ構成と共通ベンチマーク結果

LGA1150とはモノが違う!6コアのパワフルなパフォーマンス

6コアの底力を見よ!
LGA2011-v3では最廉価モデルだが、そこは6コア。LGA1150の最上位モデルと比べても、やはり別格のパフォーマンスだ

 CPUには、Core i7-5820Kを採用した。LGA2011-v3としては最廉価ながらLGA1150にはない6コアモデルで、マルチスレッド性能ではLGA1150最速のCore i7-4790Kをぶっちぎる。

 下に掲載したグラフでも分かるように、Premiere Pro CC、Photoshop CCなどのクリエイティブアプリケーションのCPUパワーを必要とする処理では、その実力が遺憾なく発揮される。

 これだけの性能を持ちながら価格は意外とリーズナブルだ。上位のCore i7-5930Kより2万5,000円以上も安いのに同じ6コアで周波数の差は少ない。問題はPCI Express 3.0のレーン数だが、ビデオカードを3枚以上挿すなど極端な使い方をしない限りは28レーンでも十分だ。

Core i7-5820Kの仕様と性能
【検証環境】マザーボード:ASUSTeK X99-DELUXE(Intel X99)、ASUSTeK MAXMUS Ⅶ FORMULA(Intel Z97)、メモリ:ADATA Technology Premier AD4U2133W4G15-2(PC4-17000 DDR4 SDRAM 4GB×2)×2、Corsair Vengeance CMZ32GX3M4X1866C10(PC3-14900 DDR3 SDRAM 8GB×4)、ビデオカード:ASUSTeK GTX770-DC2OC-2GD5(NVIDIA GeForce GTX 770)、SSD:Intel Solid-State Drive 730 SSDSC2BP240G4R5(Serial ATA 3.0、MLC、240GB)、OS:Windows 8.1 Pro 64bit版、Premiere Pro CC-動画編集設定:7本の4K動画(3,840×2,160ドット/ 29.97fps/H.264/MP4)をトランジションエフェクトで結合してBGMを付けた内容のプロジェクトを1本の4K動画(3,840×2,160ドット/ 29.97fps/H.264/MP4)として出力、Photoshop CC- RAW現像設定:500枚のRAW画像(ニコン D3S/14bit RAW)のホワイトバランスを「昼光」、「自動補正」に変更してTIFFに書き出し

存在感抜群のブラックマザーボード
HDDのビデオカード、ストレージも高速に

ブラックの統一感が秀逸
基板だけでなく、コンデンサなどの実装部品、コネクタ、ヒートシンクなど全体を黒で統一した存在感が光る。X99マザーボードとしてはリーズナブルな価格も魅力だ
高速M.2スロットは将来性十分
X99S SLI PLUSは、PCI Express 3.0 x4接続に対応した「Turbo M.2」スロットを装備する。Plextor PX-G256M6eはPCI Express 2.0 x2対応だが、国内で正規流通している製品としてはトップクラスの性能だ
オリジナルクーラーでしっかり冷える
4本のヒートパイプ、7.5cm径のデュアルファンを組み合わせたエルザ ジャパンオリジナルのS.A.C(Silent Air Cooling)クーラーを搭載したGeForce GTX 980カード。ブラックのダクトで見た目もカッコイイ

 マザーボードのX99S SLI PLUSは、黒系で統一したカラーリングが印象的で、X99マザーボードとしてはリーズナブルな価格で入手できる。それでいて実装部品にも手抜きはなく、高負荷用途でも不安はない。

 PCI Express 3.0 x4接続に対応した「Turbo M.2」と呼ばれる高速M.2スロットを搭載しているのもポイントだ。一般的なZ97マザーボードが装備するM.2スロット(PCI Express 2.0 x2接続)に比べて、データ転送速度では4倍も高速。PCI Express 3.0 x4に対応したSSDは日本の市場では入手しづらいが、今後活きてくるだろう。

 ビデオカードは、基板、クーラーともに黒でカッコイイ、エルザ ジャパンのGeForce GTX 980カードを採用した。3Dゲームも快適にプレイできるし、PhotoshopCCやPremiere CCなどのNVIDIAのCUDAアクセラレーションに対応しているクリエイティブ/マルチメディアソフトを快適に利用することができる。

GeForce GTX980とGTX970の性能比較

DJジローが提案する活用&拡張プラン

超高速・最新M.2 SSDのポテンシャルを垣間見る

超最新のハイエンドM.2 SSD
Samsung Electronics
SM951 MZHPV128HDGM
価格:未定

PCI Express 3.0 x4に対応したM.2 SSD。公称スペックはシーケンシャルリード2,150MB/s、シーケンシャルライト1,550MB/sと爆速
最新コントローラを採用
Samsungの自社製コントローラ「S4LN058A01-8030」。PCI Express 3.0 x4接続に対応している

 Plextor M6eの性能は正規流通品の中ではトップクラスだが、いわゆるバルク品を含めれば、より高速な選択肢もある。

 PCI Express 2.0 x4接続のSamsung XP941、そしてその後継として、PCI Express 3.0 x4接続に対応したSM951も発表されている。SM951はノートPCでの採用例はあるが、バッテリ消費を意識してか、どれもPCI Express 2.0 x4接続にとどまる。Turbo M.2スロットを持つこのマシンならそのポテンシャルを解放できるのに…ということで特別に最新ファームウェアの評価機を借りることができた。

 128GBモデルのためか、シーケンシャルライトは案外な結果だが、シーケンシャルリードでは1,800MB/s超とXP941をもぶっちぎる異次元のスコア。さらに4Kリード/ライトも速い。市場への流通を楽しみに待ちたい。

2,000MB/s突破は時間の問題
128GBモデルのためかXP941に比べてシーケンシャルライトが振るわない、と言ってもSerial ATA 3.0のSSDとは次元が違う

クリエイター向けにカスタマイズする

メディアへのアクセス性を高める
メモリカードリーダーやリムーバブルベイがあると素材の取り込みや管理が楽になり、利便性はグッと向上する。なお、一番上の5インチベイは水冷ラジエータのファンと干渉するため、実質使えるのは下二つだ

 クリエイティブアプリの使用感を大きく左右するのはメモリ容量。できれば32GB以上搭載したい。また、CFやSDXCカードなどのメモリカードがダイレクトに読めるリーダー/ライターがあると素材の取り込みがスムーズにできる。

 さらに、2.5インチSSD/HDDや3.5インチHDDをリムーバブル仕様にできるベイがあれば、大容量の素材や作品をドライブごと管理/移動するのに便利だ。

信頼性の高さに定評あるDDR4メモリ
1TB SSDが約5万円で買える
Micron Technology
Crucial CT4K8G4DFD8213
実売価格:53,000円前後

PC4-17000 8GB DIMMの4枚セット。素材も作品も高画質化・大容量化傾向にあるため、必要なメモリ容量も増えている。本格的にクリエイティブアプリを使うなら32GB以上は搭載したい
Micron Technology
Crucial BX100
CT1000BX100SSD1
実売価格:52,000円前後

大容量の素材や作品になると、ドライブ単位で管理し、取り込み、受け渡しもドライブごとしてしまうのが早い。バリュー向けの低価格SSDはそういう用途にも向く
合計61メディアに対応するリーダー
ワンプッシュで取り出せる
Enermax Technology
ECR501
実売価格:5,000円前後

CF、SD、メモリースティックなど多彩なメモリカードに対応するほか、USB 3.0、USB 2.0、2.4Aの急速充電ポートも備える多機能カードリーダー/ライター
SHARKOON Technologies
SATA QP Intern Multi
実売価格:5,500円前後

5インチベイ1台分のスペースに2.5インチドライブと3.5インチドライブが搭載できるリムーバブルベイ。ドライブの電源を独立してON/OFFできるスイッチも搭載

最強マシンの見た目も最強にする!!

 いつも使うメインマシンは、性能や機能だけでなく見た目も重要と考えている。今回はLEDで発光するアクセサリを使って、光の演出にこだわってみた。LEDで発光するファンはたくさんあるが、フレーム、フィンともクリアだと光が透過してケース内に行き渡るため、すべてクリアファンで統一。これだけファンを使ってもケーブルがゴチャ付かないのは、マザーボードベース裏に6基のファンコネクタを装備するPWMハブのおかげ。このケースとドレスアップの相性はとてもよい。

 さらに、発光色とパターンを変えられるLEDリボンも活用した。このケースは標準で10通りに変化できるライトバーを内蔵しており、さまざまな組み合わせが楽しめる。発光色は統一したほうがスマートに仕上がるが、今回はあえてたくさんの色を使い、自由さ、華やかさを強調。ファンタスティックな世界観を演出してみた。グラッチュレイション。

透明度の異なる2種のクリアファン
SilverStoneの12cm角クリアファンは輝度の高いLEDを内蔵しており、ビビッドに強烈な光り方。レッドとグリーンを3基ずつ配置した。オウルテックのファンはフレーム、フィンともクリア仕様でLEDを内蔵しており、透明感のある光が特徴。14cm角のスカイブルーと12cm角のピンクを使用
リボン状のLED電飾アクセサリ
30cmのLEDリボン(2本)と制御ユニット、リモコンのセット。給電は4ピンペリフェラルコネクタから行なう。リボンは連結して使うことも可能。今回は2セット用意し、60cmに連結したリボンをケース背面?底面の端に、30cmのリボンをドライブケージ脇に貼って、一つのリモコンで制御
リモコンで光を自在に操る
LED ILLUMINACIONのリモコン受光部はドライブケージのフレームに固定。制御ユニットはドライブケージを外し、空いたスペースに設置している
8基のLEDファンを搭載
標準の背面14cm角ファンをオウルテックのOWLFY1425L(SB)に換装。36cmラジエータの12cm角ファンはすべてSilverStoneのSST-FN121-P-GLに換装。写真では分からないが、その上部にはSST-FN121-P-RDを1基追加してメッシュ越しに見えるようにした。そのほか前面や底面を含めると、合計8基のLEDファンを搭載している

これがオススメの5大セッティングだ!

赤+黄
紫+黄緑
赤+赤

 ケース内蔵のライトバーとLED ILLUMINACIONは発光色を変えることができるので、さまざまな組み合わせが楽しめる。前面と同じ赤にするとまとまりがよくなるが、どのファンとも異なる黄色にすればカラフルさを強調できる。

 ILLUMINACIONは発光パターンが4種類あり、とくに高速で発光色が切り変わる「FLASH」が楽しい

青緑+赤
青緑+OFF

【共通ベンチマーク条件】

OS:Windows 8.1 Pro 64bit版、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:OCCT 4.4.1 POWER SUPPLYを10分間実行中の最大値、電力計:Electric Educatinal Devices Watts Up? PRO

【使用パーツ問い合わせ先】

Intel:0120-868686(インテル)/ http://www.intel.co.jp/
Micro-Star International:web-jp@msi.com(エムエスアイコンピュータージャパン)/ http://jp.msi.com/
Corsair Components:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/ http://www.corsair.com/
エルザ ジャパン:03-5765-7615 / http://www.elsa-jp.co.jp/
Lite-On Technology:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/ http://www.plextor.com/
Phanteks:info@itc-web.jp(アイティーシー)/ http://www.phanteks.com/
Sea Sonic Electronics:046-236-3522(オウルテック)/ http://www.seasonic.com/
Thermaltake Technology:03-5215-5650(アスク)/ http://jp.thermaltake.com/
SilverStone Technology:03-3768-1321(マスタードシード)/ http://www.silverstonetek.com/
オウルテック:046-236-3522 / http://www.owltech.co.jp/
サイズ:support@scythe.co.jp / http://www.scythe.co.jp/
Samsung Electronics:Webサイトのフォームから(サムスン電子ジャパン)/ http://www.samsung.com/jp/
Micron Technology:―/ http://jp.crucialproducts.com/
Enermax Technology:03-5812-5820(リンクスインターナショナル)/ http://www.enermaxjapan.com/
SHARKOON Technologies:03-5298-3880(ディラック)/ http://www.sharkoon.com.tw/


DOS/V POWER REPORT 2015年4月号は2015年2月28日(土)発売】

★第一特集「見せるぜ!俺のメインマシン」
★第二特集「新世代液晶ディスプレイ一斉テスト」
★特別企画「ついに登場!! NVIDIA GeForce GTX 960」「外付け&スリムベイ内蔵光学ドライブ14 選」「趣味系SNSにどっぷりハマる!」
★連載「最新自作計画」「POWER REPORT PLUS」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」

★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 特別付録小冊子「電源大図鑑37」(紙版のみ別途付録、電子版では本誌末尾に収録)
★ 電子版は割安な税別926円
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http://book.impress.co.jp/teiki/dvpr/2014-12-26-1549.php

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(AKIBA PC Hotline!編集部)