パワレポ連動企画
Windows 10世代のパーツ選び
CPU/マザーボード編
【即効! Windows 10×PC自作(10)】
(2015/8/12 11:30)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2015年9月号」の第一特集「新OSがあなたのマシンを変える 即効!Windows 10 × PC自作」を掲載する。
第十回目では、Windows 10世代の自作PCに最適なCPUとマザーボードを選んでいく。
なお、本記事が掲載された「DOS/V POWER REPORT」は7月29日発売であったため、8月5日に登場した「skylake」コアの第六世代Coreプロセッサ「Core i7-6700K」、「Core i5-6600K」および「Z170チップセット」搭載マザーボードについては触れられていない。内蔵GPUの性能では「Brodwell」が優位ではあるが、別途ビデオカードを取り付ける場合などCPU内蔵のビデオ機能を重要視しない場合はそちらも選択肢となるだろう。
この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年9月号は全国書店、ネット通販にて7月29日(水)に発売。ついに発売されるWindows 10を解説した第一特集のほか、頻繁に買い換えるものではない電源ユニット、カタログや口コミだけでは分からない部分を徹底解析する第二特集「出力だけじゃない! 効率だけじゃない! 2年後に後悔しない電源」、二次元世界の嫁の写真(イラスト)もきれいに拡大!「“最新ハードによる”waifu2x活用講座」、容量も重要だけど、やっぱり品質にも気を遣いたい「安くなった高性能、高品質メモリを狙え! DDR4/DDR3メモリコレクション2015」、MVNOのお供に選べるスマホ「選べる自由とハイコスパをその手に! すぐ買えるSIMフリースマホ」など、特別企画も満載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。
今号の特別付録は高音質、ハイレゾ対応、デザイン性、コストパフォーマンス、多彩なニーズに応えます!「サウンドデバイス大全2015」だ。
-Windows 10世代のパーツ選び CPU/マザーボード編-
Windows 10世代のパーツ選び
CPU編
Windows 10世代の最新トレンド
Windows 10から導入されるDirectX 12は、内蔵GPUの性能や消費電力に影響がある。新たに導入されるディスプレイドライバモデル「WDDM 2.0」でもGPUの利用効率が上がる。アプリケーションの対応しだいでこれまでとはCPU間の力関係が変わってくる可能性もある。
1. Intelの高性能GPU内蔵モデルに注目
開発コードネーム「Broadwell-C」こと第5世代Coreプロセッサは、デスクトップPC向けとして初めての14nmプロセスルール製造モデルであり、従来版より機能が大きく強化されたGPUコア「Iris Pro Graphics 6200」を統合する。従来の2.4倍にあたる48基のEU(実行エンジン)を搭載。さらに「eDRAM」と呼ばれる128MBの大容量キャッシュメモリをCPUパッケージに実装し、描画性能を大幅に強化する一方、CPUの動作クロックは控えめに抑えたこれまでにないGPU重視モデルだ。
Iris Pro Graphics 6200の描画性能は、従来のHD Graphics 4600の2倍ほどもあり、Windows 10環境でもその力関係は変わらない。CPUとGPUの仮想メモリ空間共有をサポートしていることから、GPGPU環境ではGPUの純粋な性能差以上のメリットもある。内蔵GPUシステムならば、Broadwell-Cは最有力候補として検討したい。
Intel Iris Pro Graphics 6200 | Intel HD Graphics 4600 | |
EU | 48基 | 20基 |
eDRAM | 128MB | - |
動作クロック | 300~1,150MHz | 350~1,200MHz |
最大解像度(HDMI) | 2,560×1,600ドット/ 60Hz、3,840×2,160ドット/ 24Hz | 2,560×1,600ドット/ 60Hz、3,840×2,160ドット/ 24Hz |
最大解像度(DisplayPort) | 4,096×2,304ドット/ 60Hz | 3,840×2,160ドット/ 60Hz |
最大同時出力 | 3系統 | 3系統 |
SVM※サポート | 〇 | × |
※ Shared Virtual Memory:CPU/GPUの仮想メモリ空間共有 |
【「Intelの高性能GPU内蔵モデルに注目」検証環境】
CPU:Intel Core i7-5775C(3.3GHz)、Intel Core i7-4790K(4GHz)
マザーボード:ASUSTeK Z97-PRO(Intel Z97)
メモリ:サンマックス・テクノロジーズ SMD-16G28CVLP-16K-Q(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×4 ※2枚のみ使用)
グラフィックス機能:Intel Iris Pro Graphics 6200(Core i7-5775C内蔵)、Intel HD Graphics 4600(Core i7-4790K内蔵)
SSD:Samsung 840 PRO MZ7PD256HCGM(Serial ATA 3.0、MLC、256GB)
電源:Sea Sonic SS-660XP2(660W、80PLUS Platinum)
アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:PCMark 8-Home Accelerated 実行中の最大値
電力計:Electronic Educational Devices Watts Up? PRO
2. DirectX 12で「ゲーム向けCPU」が変わる?
DirectX 12では、APIのオーバーヘッドが減ることのほかに、マルチコア/マルチスレッドを有効に使えるというメリットもある。AMDは、8コアCPU利用時に、DirectX11環境ではほぼ一つのコアに偏っていたワークロードが、DirectX 12環境では分散して効率よく処理され、フレームレートも2倍に高速化したというデータをWebサイト上で公開している。マルチコアCPUでは大幅高速化が期待できることになり、DirectX 12への対応が進めば、CPUのゲーム適性面での力関係も変わってきそうだ。
また、IntelがGDC2015で行なったプレゼンテーションでは、APIオーバーヘッドの低減がCPUコアの負担を減らし、CPUコアの消費電力も減るというデータが公開されている。内蔵GPUコアがより効果的にターボするようになれば、省電力、パフォーマンス向上の両面でメリットがある。IntelのCPUは、Tubo BoostでCPUコアとGPUコアの負荷を監視しながら動的にそれぞれの動作クロックを決めているので、この影響はかなり大きいと思われる。
そのほかの注目CPU
Intel Core i7-5820K
Intel Core i5-5675C
強力GPU搭載の第5世代Core i5
Core i7-5775Cと同時に発表された第5世代のCore i5。HTには対応しないが、最新設計の強力GPU「Iris Pro Graphics 6200」を内蔵し、グラフィックス性能に優れる。倍率ロックフリー、TDP 65Wである点もCore i7-5775Cと同様だ。
【Specification】
●コア数/スレッド数:4/4●動作周波数(Turbo Boost時最大):3.1GHz(3.6GHz)●3次キャッシュ:4MB●内蔵GPU(最大動作周波数):Iris Pro Graphics 6200(1.1GHz)● TDP:65W●倍率ロックフリー:○ ●実売価格:38,000円前後
Intel Core i5-4460
バランスの取れたリアルクアッドコア
現行のCore i5の中でもっとも低価格で入手できるモデル。CPUコアを四つ内蔵したリアルクアッドコアモデルで安定した性能を発揮でき、ゲームやクリエイティブまで、幅広い用途に対応できる。実測消費電力が小さく、静音化もしやすい。
【Specification】
●コア数/スレッド数:4/4●動作周波数(Turbo Boost時最大):3.2GHz(3.4GHz)●3次キャッシュ:6MB●内蔵GPU(最大動作周波数):HD Graphics 4600(1.1GHz)● TDP:84W●倍率ロックフリー:- ●実売価格:24,000円前後
【CPU編:問い合わせ先】
Intel:0120-868686(インテル)/ http://www.intel.co.jp/
Windows 10世代のパーツ選び
マザーボード編
Windows 10 WHQL認証取得製品が増加中
Windows 8がリリースされたときは、セキュアブートやFast Bootなどの新機能に対応するためにUEFIのバージョンが問題になったが、Windows 10のリリースにあたっては、マザーボードで特別注目する新機能はない。ドライバも出揃ってきており、現行マザーボードであれば問題なくWindows 10が動作するはずだ。
MSIは、5月27日に同社の「H81M-P33」がマザーボードとしては初の「Microsoft Windows 10 WHQL認証」を取得したと発表。これはMicrosoftの検証機関によってWindows 10に対応した製品であることを認められたことを示している。その後、ASRock、ASUSTeKなどからも同認証を取得したマザーボードが次々と発表されている。各メーカーに確認したところ、WHQL認証を取得していなくても現行製品のほぼすべてでWindows 10が問題なく動作するはずとのことだが、確実に動作するマザーボードが欲しいという人は注目してみよう。
Windows 10用ドライバの配布も開始されている
Windows 10では、専用のチップセットドライバやIntel ME(Management Engine)ドライバなどが必要となる場合がある。各社とも、対応ドライバの配布を開始しているので、インストール後、デバイスマネージャーを確認して、!マークがある場合は、メーカーのWebサイトから対応ドライバをダウンロードしよう。
純正ユーティリティはWindows 8用が基本的に動作する
Windows 10では、専用のチップセットドライバやIntel ME(Management Engine)ドライバなどが必要となる場合がある。各社とも、対応ドライバの配布を開始しているので、インストール後、デバイスマネージャーを確認して、!マークがある場合は、メーカーのWebサイトから対応ドライバをダウンロードしよう。
Windows 10はUEFIネイティブモードでインストールしよう
マザーボードがUEFI 2.3.1以上に対応している場合、Fast Boot(高速起動)やセキュアブートなどを有効にしたり、2.2TB以上のHDDを起動ドライブにしたりすることができるが、そのためにはWindows 10 64bit版をUEFIネイティブモードでインストールする必要があることを覚えておきたい。とくにWindows 7 32bit版ユーザーは、Windows UpdateでアップグレードしてしまうとFast Bootなどが有効にならないので注意が必要だ。上記機能を使用したい場合は、Windows 10 64bit版をUEFIネイティブモードでクリーンインストールしよう。
WHQL認証取得済みのマザーボード
Micro-Star International X99A SLI PLUS
高速インターフェースをサポートしたX99マザー
MSIのX99マザーボードのスタンダードモデル。M.2やUSB 3.1といった最新の高速インターフェースをサポートする点もさることながら、全USBポートに安定して5V電源を供給する「USB STEEL POWER」など、独自の機能が充実している点が魅力だ。
【Specification】
●対応CPU:Core i7●メモリスロット:PC4-26600 DDR4 SDRAM×8(最大128GB)●ディスプレイ:-●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×4(x16/x16/- /x8、x8/x8/x8/-などで動作)※、PCI-E 2.0 x1×2●主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 3.0 x4またはSATA 3.0接続)×1、SATA Express ×1、SATA 3.0×8、USB 3.1(Type-A)×2、USB 3.0×10、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1●実売価格:31,000円前後
PCI-E = PCI Express、SATA = Serial ATA、USBのポート数はピンヘッダ含む ※40レーンCPU使用時
ASUSTeK Computer Z97-A
バランスよくまとまったスタンダードモデル
品質、機能、価格のバランスが取れたZ97マザーのスタンダードモデル。M.2、SATA Express、高音質サウンド機能など、Z97世代のマザーボードにおける注目機能はすべて押さえられており全体的に隙がない。
【Specification】
●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-25600 DDR3 SDRAM×4(最大32GB)●ディスプレイ:DisplayPort ×1、HDMI×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×2(x16/-、x8/x8で動作)、PCI-E 2.0 x2(x16形状)×1、PCI-E 2.0 x1×2、PCI×2●主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 2.0x2接続)×1、SATA Express×1、SATA 3.0×4、USB 3.0×6、USB 2.0×8● LAN:1000BASE-T×1●実売価格:17,000円前後
PCI-E = PCI Express、SATA = Serial ATA、USBのポート数はピンヘッダ含む
Micro-Star International Z97A GAMING 6
USB 3.1 Type-Cポートを装備したZ97マザーボード
耐久性と安定性、ネットワーク機能、サウンド機能などが強化されたMSIのゲーミングシリーズのZ97マザーボード。USB 3.1コントローラを搭載し、バックパネルにType-Cポートを1基装備するなど、最新機能に対応している点に注目したい。
【Specification】
●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium、Celeron●メモリスロット:PC3-26400 DDR3 SDRAM×4(最大32GB)●ディスプレイ:HDMI ×1、DVI-D×1、Dsub 15ピン×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×3(x16/- /-、x8/x8/-、x8/x4/x4で動作)、PCI-E 2.0 x1×4●主なインターフェース:M.2(Socket 3、PCI-E 2.0 x2またはSATA 3.0接続)×1、SATA Express×1、SATA 3.0×4、USB 3.1(Type-C)×1、USB 3.0×6、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1●実売価格:20,000円前後
PCI-E = PCI Express、SATA = Serial ATA、USBのポート数はピンヘッダ含む
【マザーボード編:問い合わせ先】
Micro-Star International:web-jp@msi.com(エムエスアイコンピュータージャパン)/ http://jp.msi.com/
ASUSTeK Computer:info@tekwind.co.jp(テックウインド)/ http://www.asus.com/jp/
[Text by 滝 伸次]
【DOS/V POWER REPORT 2015年9月号は2015年7月29日(水)発売】
★第1特集「新OSがあなたのマシンを変える 即効!Windows 10 × PC自作」
★第2特集「出力だけじゃない! 効率だけじゃない! 曖昧な口コミでは分からないデータが一杯! 2年後に後悔しない電源」
★特別企画「二次元画像の美麗アプコンで超話題 “最新ハードによる”waifu2x活用講座」「安くなった高性能、高品質メモリを狙え! DDR4/DDR3メモリコレクション 2015」「選べる自由とハイコスパをその手に! すぐ買えるSIMフリースマホ」
★連載「最新自作計画」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
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