取材中に見つけた○○なもの
~コミケで購入してきた実用書・漫画評論系の同人誌~
(2013/9/11 15:30)
前々回の食べ物系の同人誌、前回のPC・スマホ系の同人誌に続き、今回は実用書、漫画・オタク文化関連、教育関連の同人誌を紹介します。
以前の記事は下記リンクからどうぞ~。
・食べ物系の同人誌
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/wakiba/find/20130902_613273.html
・PC・スマホ系の同人誌
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/wakiba/find/20130905_614205.html
書体の研究 vol. 13【最終号】
ライトノベルのタイトルに使われているフォントを研究した本。
タイトルにはどのような書体が使われているのか、またその書体の解説などが紹介されており、書体をデザインした人の関連情報なども書いてあります。内容的にはフォントマニアのための一冊といっても過言ではありません。
紹介は実際のライトノベルを例としてあげて、タイトルロゴの再現、そのタイトルに使われているフォントの解説といった構成になっています。また、「不思議の国のアリス」を例に、フォントの違いによる印象や読者ターゲットの違いなども紹介。デザイン好きな人ならより楽しめる内容だと思います。
各章の間にはフォントに関するコラムも記載されており、一文字単位でフォントを購入する方法のほか、フォントの基礎知識や、役立つ情報も掲載。
フォントがどのように使われているのか、タイトルの見せ方といった部分を考察するのには役立つ内容なので、これから漫画やライトノベルなどに携わる人にはぜひ見てもらいたい一冊です。
科学を魅せるためのデザイン誌 DeScience Vol.2
科学をもっと一般の人に認知してもらうにはどうしたら良いかを研究した一冊。「人に見せるためのデザインとは何か」といったことが紹介されています
著者(物理学科の大学生)の目的は、あまり日の目を見ない理系分野の地位向上で、「科学を魅せるためには何をしたらいいのか」を研究しているようです。その過程としてより良いプレゼンテーションの方法を研究し、執筆したものが今回の本。
ただ、手段と目的が若干入れ替わっているような……(笑)。内容自体はデザインの本と言って良いと思います。紙面の見せ方もよく考えらており、デザインをすることが好きなんだなと感じさせる点は個人的に好印象。
美術系の本として見た場合、ビジュアル的な面の引き出しを増やしてくれるタイプの本ではありませんが、デザイン概念の解説本としては参考になります。
なお、この号では「名古屋市科学館」を例に、来場者に興味を持ってもらうための展示方法、楽しんでもらうための見せ方など、実例を交えてのプレゼンテーションデザインが解説されています。
科学館スタッフへのインタビューなどもあり、公共施設の運営を知る雑学本としてもなかなか興味を惹かれる内容。
デザインの分野が好きな人にお勧めの本ですが、博物館好きにもお勧めの本です。
メイドカフェ批評
メイドカフェを風俗・文化として考察した本。
表紙を見た時は多くのメイド喫茶の店舗を評価したような本かと思いましたが、内容は社会学というか民俗学というか、かなりがっちりした考察本。
まずはメイド喫茶が時代ごとにどのように取り上げられ、変わっていったのかを紹介。メディアとの関わりや、その影響による変化など、かなりしっかり書いてあるので、ざっくり読むだけでメイド喫茶がたどってきた歴史がわかります。
このほか、メイドの存在そのものの考察、メイド喫茶というものがもたらすものに関する考察、虚構と現実の間にあるメイド喫茶とはなんなのかといった考察や、メイドの声に関する考察など、さまざまな題材が深く考察されています。
学問的アプローチがとられているため、気軽に読むタイプの本ではありませんが、風俗文化的な話が好きな人にはお勧めです。
秋葉に住む 2013.08 VOL.18
秋葉原の都市開発や住環境にスポットを当てた一冊。
駅周辺や再開発地区の情報のほか、物件情報や実際に秋葉原に住んでいる人の部屋の紹介などもあったりします。
この号は都市開発が特集されており、ワテラスやソラシティ、交通博物館跡地やラジオ会館のほか、東北縦貫線の工事なども紹介されています。
物件情報は新築マンションや賃貸マンションが紹介されており、どの物件もなかなかよさそうです。高級そうなところが多く、久保には縁が無さそうなのが悲しいところですが……(涙)。
ランドマークになるものをざっくり知ったりするのにも便利ですし、秋葉原という土地が今どうなっているのかを知るのにもなかなか良い本だと思います。
その他の同人誌
3回に渡ってお届けした同人誌の紹介はいかがでしたでしょうか?
コミケ当日、個人ブースに向かった際には既に売り切れていた本も有り、残念ながら紹介できなかった本も多々あります。面白い本を確実に手に入れるには、事前の調査と準備、それと早起きが必要だったりと、結構大変だったりするんですよね。この部分が無ければ気軽に「コミケに行こう!」とお勧めできるのですが……。そうした部分も祭りの一部として楽しめる人にはお勧めできるんですけどね。
なお、最近は通販や同人誌店等で販売されている本も増えつつあるので、手軽に楽しみたい場合はそちらを利用するのも良いかもしれません。現地購入と違い、中身を完全にチェックできないのと、会場独特のライブ感を感じられないのがデメリットになりますが、気になる人は本のタイトルを検索してみてもらえればと思います。
次回は今回のような規模なものは無理そうですが、時間が取れれば現地で面白そうな本を探してみようと思います。