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MZ-80Kシリーズの最終モデル「MZ-1200」。 |
1978年に発表されたMZ-80Kシリーズは、1982年末までにソフトウェアとハードウェアの互換性を保ちつつ、合計5機種が発売されました。シャープ製パソコンはよく、「5年間は基本設計を変更しない」と言われるのですが、これはMZ-80Kシリーズの実績から始まったのかも知れません。今回はこの5機種を紹介したいと思います。整備不良で一部動作に問題はあるのですが、できるだけ稼動状態でご案内します。
MZ-80K(1978年11月発表/198,000円/キット販売)
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前回ご紹介したMZ-80Kです。稼動ソフトはゲームソフト「クレージーダンゴ」。画面撮影の都合で別売りのグリーンCRTフィルターを取り付けています。 | キーボードとエンブレム。エンブレムには「Personal Computer」の文字と赤いアルゴマーク、LEDは入力モードにより色が変わります。 | MZ-80Kの内部。マザーボードの空きパターンに、自分でスイッチを取り付けて、リセットボタンを追加しています。初回生産モデルは写真とは部品配置が大きく異なるマザーボードが組み込まれています。 |
MZ-80C(1979年11月発表/268,000円)
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MZ-80Cの本体。稼動ソフトはお気に入りのゲームソフト「OIL FIELD」。 | キーボードとエンブレム。MZ-80Kでは「Personal Computer」と書かれていましたが、「Clean Computer」に変更になりました。現在のキー配列に近いですが、カナ文字、特殊記号の細かい部分が異なります。 | MZ-80Cの内部。メモリチップは全てシャープ製を採用、さらに純正のリセットボタン付きです。中央にある小型の基板「PCG MODEL 8000」はサードパーティ製の拡張装置の一部です。 |
MZ-80K2(1980年6月発表/198,000円)
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MZ-80K2の本体。BASICを起動させてみました。本体が不調のため、メモリは16KBしか認識していません(本来は48KB)。 | キーボードとエンブレム。エンブレムは「CLEAN COMPUTER」の表記、アルゴマークの下の2段のLEDでキーの入力モードを判断します。MZ-80Kと同じキー配列ですが、キートップに反射防止の加工がされています。カセットユニットの前に付いている青いプレートは、MZ販売3周年記念「楽キー プレゼント」のキーホルダーです。 | MZ-80K2の内部。温度計とお守り、リセットスイッチは後から追加したものです。コストダウンのためか、CPUがソケット方式ではなく直付け式に変更となっています。そのため、MZ-80CでCPUとマザーボードの間に挟みこむように取り付けているPCG、または倍速カードなどの内部拡張カードをそのまま搭載することが出来なくなってしまいました。 |
MZ-80K2E(1981年10月発表/148,000円)
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MZ-80K2Eの本体。MZシリーズ10万台突破記念モデルとして発売されました。ほとんど使っていなかったので、経年劣化は少ないと思っていたのですが、痛恨のテープリードエラーです | キーボードとエンブレム。キーボードはスッキリとした白いイメージ、エンブレムは今までよりも小さくなりました。エンブレムの表記は「CLEAN COMPUTER」です。 | MZ-80K2Eの内部。何も改造していません。早くカセット読み込みの不具合を解消しないといけませんね……。 |
MZ-1200(1982年6月発表/148,000円)
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MZ-1200の本体。型番の体裁が変わっていますが、MZ-80Kシリーズの最終モデルです。故障しているため、電源が入りません。MZ-1200はカセットの操作ボタンが折れやすく、当時は店頭でも折れているデモ機をよく見かけました。 | キーボードとエンブレム。MZ-80Kシリーズの中では、一番使いやすいキーボードです。右側にあるグラフィック記号キーが、今までの5列×5段から4列×5段になりました。エンブレムマークの表記はMZ-80Kで採用されていた「Personal Computer」に戻っています。 | MZ-1200の内部。これまでとデザインが一新されました。写真の状態にするためには、これまでの筐体のようにカバーを跳ね上げるだけではなく、下部ユニットに残るキーボードとモニターを取り外す必要があります。また、前モデルまではメインメモリの拡張時にハンダ付けをする必要があり、大きなハードルとなっていましたが、それがなくなりました。代わりに4KB毎の拡張はできなくなり、16KBを増設する必要があります。 |
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http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/backno/wakiba/index_c376s1443.html