【不定期連載】レトロな○○ギャラリー
~ カラープリンタ内蔵のパソコン「MZ-700」 ~
(2013/12/24 12:05)
今回紹介するパソコンはシャープの「MZ-700」。「MZ-80K」シリーズの後継機として1982年11月に発表されたモデルです。データレコーダとプリンタの有無で、「MZ-711(本体+キーボード)」「MZ-721(MZ-711+データレコーダ)」「MZ-731(MZ-721+プロッタプリンタ)」の3モデルが用意されました。
白黒に塗り分けられた本体の上部にデータレコーダとプリンタが、その下に明るい配色のキーボードが搭載されています。これまでのシリーズに搭載されていたディスプレイは外付けに変更となり、本体はコンパクトになりました。
デザインの大幅な変更だけではなく、機能面も強化されており、動作クロックの向上や、メインメモリの最大容量の増加(48KB→64KB)、MZ-80Kには無かったひらがなや英小文字の表示といった機能のほかに、従来のモデルでは高価なオプションや専用ディスプレイが必要だったカラー表示も標準で搭載されました。
また、本体にプリンタが内蔵できる点も特徴のひとつで、当時としては珍しかったカラープリンタを搭載していました。ちなみにこのプリンタが採用している印字方式は、ペンプロッタという現在ではあまり馴染みの無い方式です。
高価なPC専用ディスプレイが無くても、家庭用テレビに接続すれば利用できる手軽さと、89,800円という手頃な価格は当時としては非常に魅力的で、当時、アルバイトが出来ない年齢だった筆者は、発売されてすぐに親に買ってもらいました。
ちなみに、MZ-700は同社のパソコン「X1」とほぼ同時期(1982年末)に発売されたモデルです。MZ-700は、MZ-80Kとのソフトウェア互換が高かったため、買ってからすぐに楽しめた事を今でも思い出します。
スペック
・CPU:SHARP LH0080A(Zilog Z80A セカンドソース)
・動作周波数:3.6MHz(0.0036GHz)
・メインメモリ:64KB(0.000064GB)
・周辺IC:i8253互換 i8255互換
・同時発色数:8色 (文字8色、背景8色)
・テキストビデオメモリ:4KB(0.004MB) 表示可能文字 40×25
・解像度:320×200ドット ドット分解能力 80×50
・サウンド:1音モノラル
・記憶装置:データレコーダ
・記憶メディア:コンパクトカセット
・記憶装置容量/60分テープ装着時:約270KB(1,200ビット/秒)
・表示装置:デジタルRGB、コンポジットビデオ、RF(地上アナログ1ch、2ch対応)接続
標準価格
・MZ-711(本体+キーボード) 標準価格:79,800円
・MZ-721(MZ-711+データレコーダ) 標準価格:89,800円
・MZ-731(MZ-721+プロッタプリンタ) 標準価格:128,000円
・MZ-1T01(内蔵データレコーダ) 標準価格:10,000円
・MZ-1P01(内蔵プロッタプリンタ) 標準価格:39,800円
・MZ-1U08(拡張I/Oボックス) 標準価格:25,000円
・MZ-1F07(FDD 2ドライブ) 標準価格:158,000円 (MZ-1E05 同梱)
・MZ-1E05(FDD I/Fカード) 標準価格:不明
・MZ-2Z009(ディスクBASIC) 標準価格:不明 (専用ROM付き)
・MZ-1X03(ジョイスティック) 標準価格:3,800円
・CZ-503F(FDD 1ドライブ) 標準価格:49,800円 ※今回接続したFDD
※当時の物価:はがき 1枚40円・国鉄(現JR)初乗 120円・タクシー初乗430円