【 2012年4月28日 】
Ivy Bridgeがついに発売、省電力モデルは品薄
TDPは77Wでも要95Wクーラー?

 開発コード名「Ivy Bridge」ことIntelの第3世代Coreファミリがついに発売、最上位のCore i7-3770Kや、Core i5-3570KなどデスクトップPC向けの10モデルが発売された。

 プロセスルールの22nmへの縮小や3Dトランジスタの採用、機能面ではGPUの強化やPCI Express 3.0への対応などが注目点。

 今回発売された製品は全てクアッドコアで、実売価格は倍率固定解除モデルであるCore i7-3770Kが29,800円前後、Core i5-3570Kが20,800円前後。

 Core i7-3770/S/Tが27,000円前後、Core i5-3550Tが18,800円前後、Core i5-3550SとCore i5-3570T、Core i5-3450/Sが17,800円前後(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。末尾「S」がTDP 65W、「T」が同45W。モデルナンバーの数字が同じでも、動作クロックなどは異なる、という命名規則だ。

 秋葉原ではZ77マザーボードに続いて深夜販売を実施、多くの来店者で賑わった(詳細については別記事を参照のこと)。

 なお、現時点で「最も売れている」(ショップ)というCore i7-3770Kなどは豊富に流通しているが、Core i7-3770SやCore i7-3770TなどTDP 65W/45Wの省電力モデルは流通量が非常に少ない様子。深夜販売を行ったショップでは、省電力モデルのみ完売している例が複数見られた。


●22nm製造の新CPU、GPUやPCIeが特に強化
 対応ソケットはLGA1155


Core i5-3570K

Core i5-3570K

Core i5-3570T

Core i5-3550S
 第3世代Coreファミリは、22nmプロセスルールで製造されるLGA1155対応CPU。

 前世代で32nm製造のSandy Bridgeと同じCPUソケットを採用しつつ、製造プロセスの進化や内蔵GPUコアの強化、PCI Express 3.0への対応などが実現されている。

 従来同様にデスクトップPC向けとモバイル向けの2タイプが用意され、デスクトップPC向けの現時点のラインナップは、最上位のCore i7シリーズと、その下位のCore i5シリーズの2つ。

 Core i7/i5とも全モデルがクアッドコアで、Core i7はHyper-Threadingにより8スレッドまで対応、Core i5はHyper-Threading非搭載で4スレッドまで対応する。3次キャッシュ容量はCore i7が8MB、Core i5が6MB。

 GPUコアは、DirectX 10.1対応のIntel HD Graphics 3000/2000から、DirectX 11対応のIntel HD Graphics 4000/2500へと進化。HD 3000とHD 4000との比較では、シェーダユニットにあたるExecution Unitが12基から16基へと増加し、性能は70%以上向上したという。

 また、映像処理のハードウェアアクセラレータであるQuick Sync Videoも、トランスコード性能が最大2倍向上するというバージョン2.0へと進化した。

 なお、HD 2500のExecution Unitは6基で、Quick Sync Videoはバージョン1.0相当を搭載する。

 HD 4000はCore i7シリーズ全モデルと、Core i5-3570Kが搭載。HD 2500はCore i5-3570K以外のCore i5シリーズが搭載する。

 ビデオカード用のPCI Expressインターフェイスと、デュアルチャンネルDDR3インターフェイスを内蔵する点はSandy Bridgeと同様。ただし、PCI Expressは、1レーンあたりのデータ転送速度が一方向1GB/sのPCI Express 3.0へと進化し、メモリも最大対応規格がDDR3 1600へと強化されている。


●TDPは77Wに減少、ただしCPUクーラーは要95W?


TDP 95W(Core i7-3770K)

代理店からの告知

Core i5-3570Kの付属クーラー

技術資料より

Core i5-3570Kの付属クーラー

技術資料より

Core i5-3570Kの付属クーラー

技術資料より
 また注目されるのが、最大TDPがSandy Bridgeの95Wから77Wへと低下し、省電力性が向上した点。

 TDPのグレードは通常版の77W、省電力版の65W/45Wの計3種類で、最上位のCore i7-3770Kなどが77W、型番末尾が「S」のモデルが65W、型番末尾が「T」のモデルが45Wとなっている。なお、型番末尾の「K」は、従来同様、クロック倍率がロックされていないことを示している。

 ただし、このTDPについては注意が必要。

 実際に発売された製品を見ると、Core i7-3770KなどTDP 77Wモデルの外箱に貼られているラベルに「95W」という表記があるのだ。

 ショップが代理店から受けたアナウンスによると、この表記は「CPUのサーマルソリューション(CPUクーラー)に必要なスペックを示している」という。

 これについて、Ivy BridgeのCPUクーラーのスペックなどを示したIntelの資料を参照したところ、TDP 77WのCPUでは、TDP 95Wに対応したクーラー「E41759-002」(ソリューション名は「RCFH7-1156 (DHA-A)」)が採用されていることが確認できた。つまり、Ivy BridgeはTDP 77Wながら、クーラーはTDP 95W版を採用している、というわけだ。

 ちなみに、この「E41759-002」はLGA1156プラットフォームとSandy Bridgeでも採用されていたクーラーでもある。

 また、今回のCPUの熱設計を示したIntelの技術資料を確認すると、77W版CPUについてのみ、何故か95Wまでのグラフが作られており、77Wまでが実線で、77W〜95W間が点線で示されている。77W時のTCASE_MAX「67.4℃」が意味深に太字になっている部分もある。

 結局、詳細については判然としないが、少なくとも「付属クーラーは95W仕様」「代理店も95W仕様と告知している」という状況。今のところ、「TDPは77Wだが、クーラーは従来通り95W品が必要」と理解したほうが良さそうだ。

 また、GIGABYTEによると、Intel 6シリーズ+Ivy Bridgeの組み合わせでは、Intel 6シリーズ+Sandy Bridgeで実現されていたセキュリティ機能など一部の機能が無効となるという。とくにセキュリティを重視する企業ユーザーなどは、この点にも注意が必要だろう。

 なお、チップセットとCPUの組み合わせによる機能の差異については、GIGABYTEよるスライドで詳しく説明されているので、そちらを参照してほしい。


□第3世代Core i7/i5シリーズ一覧(Intel)
http://ark.intel.com/products/family/65506/
http://ark.intel.com/products/family/65504


□3rd Generation Intel Core Processor Family Desktop and LGA1155 Socket Thermal Mechanical Specifications and Design Guidelines(Intel)
http://www.intel.com/content/www/us/en/processors/core/3rd-gen-core-lga1155-socket-guide.html

□関連記事
【2012年4月27日】Ivy Bridgeの強化ポイントはGPUアーキテクチャの改革(後藤弘茂のWeekly海外ニュース/PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20120427_529875.html
【2012年4月24日】ついに登場したIvy Bridge「Core i7-3770K」の実力を試す(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/20120424_528691.html
【2012年4月24日】インテル、「Ivy Bridge」こと第3世代Coreプロセッサを発表(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120424_528663.html
【2012年4月8日】Intelの最新チップセット「Z77」搭載マザーが発売、Ivy Bridge対応
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20120407/etc_intel2.html
【2012年3月28日】日本ギガバイト、Intel Z77マザーボードを紹介(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120328_521816.html
【2011年5月11日】Z68チップセットのマザーが登場、Sandy Bridge向けの「全部入り」
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20110514/etc_intel.html
【2011年1月8日】「Sandy Bridge」こと新型Core i7/5が発売
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20110108/etc_intel3.html


Intel Core i7

[撮影協力:パソコンショップ アークドスパラ秋葉原本店TSUKUMO eX.TWOTOP秋葉原本店クレバリー秋葉原店PC DIY SHOP FreeTパソコンハウス東映]

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