2018年1月16日 08:05
ステージクリア法その1チェリーを全て食べる
『Mr.Do!』では、地中にあるチェリーを全て食べると、ステージをクリアすることができます。チェリーは1つ50点ですが、8つ連続で食べると、耳心地のいいド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドの音と共に500点のボーナスが追加されます。
モンスターが勝手にチェリーを食べて、いつの間にかステージクリアとなってしまうこともあり、それはそれでなんとなくお茶目で微笑ましかったでござるよ。
ステージクリア法その2モンスターを全て倒す
『Mr.Do!』では、画面にいる赤いモンスターを全て倒すことでもステージクリアとなります。倒す方法は、パワーボールを当てるか(500点)、リンゴを落として潰すか(1,000点)の2種類。これを『ディグダグ』の攻撃法にあえて置き換えるならば、パワーボールがモリ(銛)で、リンゴが岩というところでござるな。
しかし、パワーボールは壁をバウンドして通路をジグザグに進んでいき、遠くにいるモンスターも倒すことができるので、『ディグダグ』のモリでパンクさせる倒し方とは当然勝手が異なります。主人公はパワーボールを1つしか持たず、一度投げるとモンスターに当たるか拾うかしないと戻ってこないところも、本作独自の要素です。
リンゴは『ディグダグ』の岩と扱われ方はほぼ一緒ですが、2ブロック以上の高さから落とさないと壊れないし、左右から押して動かすこともできるので、より便利な武器となっています。
この段階ですでに、攻略法が『ディグダグ』と全く違ってくることがわかるでござるな。
ステージクリア法その3E・X・T・R・Aの文字を揃える(揃えると主人公の残機も1つ増える)
ケーキやビスケットなどのセンターターゲットを取ると、ボーナス点獲得と共にモンスターが一定時間止まり、エキストラモンスター(親分1匹と子分3匹)が出現します。このうち親分モンスターはE・X・T・R・Aのいずれかの文字を持ち登場。親分モンスターを倒してE・X・T・R・Aの文字が全て揃ったときもステージクリアとなり、さらに残機が1つ増えるという贅沢さ。
親分モンスターは普段、画面上部のエキストラエリアを移動していて、出現前は姿がE・X・T・R・Aのどれかに常に変化しています。ターゲットを取った瞬間に出現するので、任意の文字を持つ親分モンスターを狙って出現させることもできるのでござる。
(C)1995 IMAGINEER /(C)1982 UNIVERSAL Co.,Ltd.】
ステージクリア法その4ダイヤモンドを取る(アーケード版ではクレジットも1つ増える)
リンゴが落ちて割れたとき、ごくごく稀にダイヤモンドが出現することがあります。このダイヤモンドを取ると、8,000点を獲得すると同時にステージクリアとなり、アーケード版ではオマケに1クレジット追加されるという出血大サービス!
大金を持たない子供たちにとって、高得点ゲットでステージクリアしたうえに、タダでもう1回ゲームが遊べるというのは、狂喜乱舞のサービス要素でした。当時、こんな大盤振る舞いをしたアーケードゲームが、『Mr.Do!』のほかにあったでござろうか?(編集部注:読者の方から、1984年に登場したテーカンのアーケードゲーム『ボンジャック』にも、「スペシャルコインを取れば「5000点+ステージクリア+1クレジット」という演出がありました」とご報告を受けました。ご指摘ありがとうございました。ちなみに、こちらも『Mr.Do!』制作者の上田和敏氏が手掛けた作品です)。
せっかくの奥深さを放り置き、チェリーばっかり食べてました!
このように、当時4種類のステージクリア法が用意されているアーケードゲームなんてのは非常に画期的でした。『Mr.Do!』は、それだけいろんな楽し見方ができる、奥深き作品だったということでござる。
にもかかわらず、中学生時代の拙者は、プレイに余裕がなかったのか、ゲームをきちんと理解していなかったのか、「チェリーを全て食べる」という方法ばかりでクリアを目指していたことが思い出されます。当然、高得点など獲得できるわけもありませんし、効率も悪いです。まるで、いろんなアトラクションがある遊園地で、1つのアトラクションしか体験していなかったようなもったいなさでござるな。ニンともカンとも。
次回は、X68000版やスーパーファミコン版の『Mr.Do!』について語ります。お楽しみに!
※次回掲載は1月23日(火)を予定しています。
注釈
- 大盤振る舞い
読者の方から、「1980年に登場した日本物産のアーケードゲーム『クレイジー・クライマー』は、ネームエントリーで“JORDAN.LTD”と入力すると2クレジット入ります」とご報告がありました。増田氏の言う「大盤振る舞い」は、ゲームプレイ中での「高得点+ステージクリア+1クレジット」であり、ゲーム内でオープンになっている要素と、オープンになっていない裏技的な要素は、並列では「大盤振る舞い」として比較できないと考えましたが、貴重な情報として掲載させていただきます。ご指摘ありがとうございました。
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スーパーファミコン版(中古品) | 4,000円前後 |
X68000版(新品) | 2,000円前後 |
Wii/バーチャルコンソールアーケード版 | 800 Wiiポイント |
※2018年1月調べ |
(C)1995 IMAGINEER /(C)1982 UNIVERSAL Co.,Ltd.
増田厚(ペンネーム:忍者増田)
茨城県生まれ。漫画『ゲームセンターあらし』や『マイコン電児ラン』の影響を受け、中学2年生のときにパソコンをいじり始める。東京の大学入学と同時に、パソコンゲーム誌『ログイン』にバイトとして採用され、6年間在籍。忍者装束を着て誌面に出る編集者として認知度が高まる。その後、家庭用ゲーム雑誌『週刊ファミ通』に3年在籍したあと、フリーライターとなる。現在はおもに、雑誌やWeb、攻略本などでゲームのレビュー記事や攻略記事を執筆しつつ、ゲーム以外のライティングも。得意なゲームは、『ポケモン』、『ウィザードリィ』、『サカつく』など。