忍者増田のレトロゲーム忍法帖

『Mr.Do!』と『ディグダグ』、どっちが好き? 忍者増田の回答は……

~『Mr.Do!』編 参ノ巻~

忍者増田氏とX68000版『Mr.Do! / Mr.Do! v.s UNICORNS』のパッケージ。
(C)1995 IMAGINEER /(C)1982 UNIVERSAL Co.,Ltd./(C)電波新聞社

 『Mr.Do!(ミスタードゥ)』編の3回目は、X68000版やスーパーファミコン版の本作について語ります。



忍者増田氏がX68000で一番遊んだゲームは『Mr.Do!』だった?

X68000版『Mr.Do! / Mr.Do! v.s UNICORNS』のパッケージ。
そして取扱説明書。

 拙者が『Mr.Do!』のゲーム内容をきちんと理解してプレイするようになったのは、アーケード版の稼働から12年後、X68000版(電波新聞社)を購入してからです。アーケード版そのまんまの『Mr.Do!』を、自宅で存分に楽しませていただきました。100円を入れずに遊べるのをいいことにいろんなことを試し、ゲーム内容をしっかり頭の中に叩き込みました。拙者がX68000で一番プレイしたゲームは『Mr.Do!』だったかも……というくらい一生懸命遊んでいたでござるよ。

 あ、正確に言うとX68000版は『Mr.Do! / Mr.Do! v.s UNICORNS』というタイトルで、『Mr.Do!』シリーズが2作品も遊べるようになっていたんですけどね。でも拙者は『UNICORNS』のほうはほとんど立ち上げもせず、初代『Mr.Do!』ばかりやっていました。穴掘りゲームとしての『Mr.Do!』が好きだったので、『UNICORNS』以降は別ゲームのようで食指が動かなかったんですよね。これは『ディグダグII』に対しても同じでした。

 X68000版では、余裕を持って高得点狙いのプレイにもチャレンジしました。E・X・T・R・Aをちゃんと狙うようになったのも、X68000版をプレイしてからです。バカですねえ。ただ、プレイに100円が必要ない分、ダイヤモンドでクレジットが増える有り難みは味わえず……。あの衝撃は、当時のアーケード版を遊んだ人だけの特権でござるな。

スーパーファミコン版の取扱説明書内の、微笑ましいダイヤモンドの解説。「すいません」が可愛い。

 なお、スーパーファミコン版の取扱説明書のダイヤモンドの解説に、「オリジナルでは、1クレジットが追加されるという仕様でしたが、本商品に限りステージクリアのみとなっています。すいません」という注釈が付け加えられていて、可愛くて吹き出してしまいました。「すいません」が可愛いな、「すいません」が。

【ダイヤモンド獲得シーン。スーパーファミコン版は、アーケード版に比べて、ダイヤモンドがかなり出やすくなっているみたい。
(C)1995 IMAGINEER /(C)1982 UNIVERSAL Co.,Ltd./(C)電波新聞社】

 今回の画面撮影で初めてプレイさせてもらいましたが、スーパーファミコン版のデキは良く、X68000ほどではないけどアーケード版の内容をそこそこ忠実に再現しているという印象。2人同時プレイのバトルモードが追加されているのは、スーパーファミコン版ならでは。気になったのは、ファミコン版『ディグダグ』をプレイしたときにも感じた、十字ボタンで思うように進路を曲げられないことがある点ぐらい。このせいでチェリーの8つ連続獲得ボーナスを逃すことも多いし、よくヤラれる原因ともなってました。最高得点は132,150点。一応、全10ステージをクリアしたので、ぎりぎりメンツは保てたかな?

バトルモードは、スーパーファミコン版オリジナルの要素。相手と協力するもよし、相手を妨害するもよし。
10ステージクリア後は、「WONDERFUL!」の文字でプレイヤーを称えてくれる。
ネームエントリー。名前を3文字で入力可能。ランクと、スコアと、到達ステージ、かかった時間が表示される。

 そういえば拙者、X68000版ではテンキー(カーソルキーだったかも)で『Mr.Do!』をプレイしていたんだっけ。わかってくれる人はわかってくれると思うでござるが、当時のパソコンのアクションゲームって、慣れてくるとジョイスティックよりテンキー操作のほうが細かい動きに対応できたりするんですよね(もちろんゲーム内容にもよります)。ごついジョイスティックを購入しながらも、『Mr.Do!』に関してはキーボードでカタカタと主人公を操作していたことが思い出されます。

『Mr.Do!』と『ディグダグ』、どっちが好き?

 当時『ディグダグ』そっくりと騒がれた『Mr.Do!』。プレイしてみると、『ディグダグ』とは全く異なる、オリジナリティー溢れるゲームだったわけです。一番似ている要素のリンゴすらも、「1段落としただけは割れない」、「左右に動かせる」、「モンスターが食べてしまうこともある」といった新要素が加えられているところに、作り手の並々ならぬ熱意を感じます。

 リンゴといえば、エキストラモンスターの親分を倒すと子分が全員リンゴになっちゃうんですが、そうして降ってきた大量のリンゴでモンスターが一気に潰れたりするのも圧巻でござったなあ。こんな要素も、『Mr.Do!』ならではですね。

親分モンスターを倒し、エクストラモンスターがすべてリンゴに変わった瞬間。
リンゴはモンスターも押してくるから油断はならない。

 『Mr.Do!』と『ディグダグ』、どっちが好きかと聞かれれば、拙者としてはどちらも大好きなゲームであり、とても甲乙などつけられません。ただし「奥深さ」に関して言えば、豊富なフィーチャーが導入されている『Mr.Do!』に軍配が上がると結論づけていいのではないでしょうか。ニンニン。


 『Mr.Do!』と『ディグダグ』、どちらも独自の魅力がある素晴らしい作品ですよね。次回の『Mr.Do!』対談も、豪華ゲストをお呼びしてお届けします!

 ※次回掲載は1月30日(火)を予定しています。

注釈

  1. ディグダグII
    1985年に登場した、ナムコのアーケードゲーム。『ディグダグ』の続編。全36面の島にひびを入れ、崩して敵を海中に沈める「戦略的島崩しゲーム」。登場キャラクターは前作と同じで、主人公はディグダグ、敵はプーカとファイガー。1995年に電波新聞社より、X68000用として発売された『ディグダグ I&II』に、初代『ディグダグ』と同時収録された。
  2. テンキー
    コンピューターのキーボードにある数値入力用のキー。0から9までの10個のキーがあることからテンキー(ten key)と呼ばれる。当時のパソコンのアクションゲームは、テンキーの「2」「4」「6」「8」でキャラクターを操作するパターンが多かった。

 当連載の書籍版が現在好評販売中です! 過去に掲載した『パックランド』や『ディグダグ』、『いたスト』に加え、Webでは一部しか掲載していなかった『ウィザードリィ』を全文掲載。さらに、3人の対談相手からの増田氏への手紙や、書き下ろしタイトル『ウィザードリィ・外伝I』を収録! レトロゲームに関する諸々を全128ページに詰め込みました!

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『Mr.Do!』を今遊ぶには?(参考価格/価格は税込表記)
スーパーファミコン版(中古品)4,000円前後
X68000版(新品)2,000円前後
Wii/バーチャルコンソールアーケード版800 Wiiポイント
※2018年1月調べ

(C)1995 IMAGINEER /(C)1982 UNIVERSAL Co.,Ltd./(C)電波新聞社

増田厚(ペンネーム:忍者増田)

 茨城県生まれ。漫画『ゲームセンターあらし』や『マイコン電児ラン』の影響を受け、中学2年生のときにパソコンをいじり始める。東京の大学入学と同時に、パソコンゲーム誌『ログイン』にバイトとして採用され、6年間在籍。忍者装束を着て誌面に出る編集者として認知度が高まる。その後、家庭用ゲーム雑誌『週刊ファミ通』に3年在籍したあと、フリーライターとなる。現在はおもに、雑誌やWeb、攻略本などでゲームのレビュー記事や攻略記事を執筆しつつ、ゲーム以外のライティングも。得意なゲームは、『ポケモン』、『ウィザードリィ』、『サカつく』など。