ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち
ゲームプレイ画面を録画可能! X1シリーズで初めてビデオ出力端子を備えた「X1G」
2019年1月29日 07:05
想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回はシャープが1986年に発売したX1シリーズの新機種「X1G」を取り上げます。
1982年に最初のX1が発売されてから4年後となる1986年、シャープはX1シリーズの新機種としてX1Gを登場させました。
X1シリーズの前モデルとなるX1Fでは、FDDは横にレイアウトされていましたが、X1Gでは縦に2段のレイアウトへと変更されています。他に似たようなデザインを採用したのは、NECのPC-8801MCや後に発売されるX1twinなどがありますが、これまでのX1シリーズがX1Cシリーズを除けば横幅39cmで統一されてたものが、そうではない形状になったことには驚いたものです。
このデザイン変更で、カラーディスプレイテレビCZ-820Dとの組み合わせでは、縦置きすることで高さがピッタリと同じになりました。CZ-820Dとセットで買えば自分専用のテレビが持てるということで、それが購入動機になったという人もいるのではないでしょうか。
また、X1シリーズとしては初めてとなる、ビデオ出力端子も搭載しています。これにより、ゲームプレイ画面をビデオで録画することなどができるようになり、残したいと思った場面を保存しておくことが可能になりました。ただし、キーボードはX1Fまでのメカニカル方式からメンブレン方式に変更となったことで、ユーザーからはさまざまな評価を呼んだとのことです。
X1Gには、ファミリーコンピュータのコントローラと酷似した、X1ロゴ入りの十字キーを採用したジョイカードも同梱されていました。広告にも映っているところをみると、ゲームユーザーへの訴求だったのでしょう。ちょうどこの時期に、ハドソンから『スーパーマリオブラザーズスペシャル』が発売されていて、プレイするにはジョイパッドなどの外部入力装置が必須だったため、X1とセットで買った人もいたかもしれません。
用意されたモデルは、高速電磁メカカセットレコーダ内蔵型のModel 10と、FDDを2基搭載したModel 30の2種類です。カラーリングはブラックとオフィスグレーの2色になり、ローズレッドが消えてしまったのが残念なところでした。値段は、Model 10が標準価格69,800円、Model 30でも標準価格118,000円と、初代X1とほぼ同じスペックとはいえ、この時期に御三家が発売したパソコンのなかで一番安価でした。X1シリーズの豊富な資産を有効活用するのであれば、安くて良いマシンだったと言えるのかもしれません。