ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち
キャッチコピーは“青春はレタス。君たちのLet us!”、三菱電機の「ML-F110」
2019年7月2日 07:05
想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回は1984年に三菱電機から発売されたMSX「ML-F110」を取り上げました。
1983年にMSX規格が発表されると、その年からMSXマシンが続々と登場します。初MSXとしてML-8000を市場へ送り込んだ三菱電機が、翌年の84年に発売した2代目、それがML-F110/ML-F120/ML-F120Dでした。
キャッチコピーは「青春はレタス。君たちのLet us!」ということで、愛称は“Let us”をもじった「レタス(Letus)」です。今回取り上げたのは、その中でも一番の廉価モデルとなるML-F110となります。本体左上に書かれている型番に、おしゃれなフォントが使われているのも特長でしょう。
ML-F110は、メモリ16KBに拡張スロット2基を搭載。その他は、MSXマシンとしては極標準的な仕様でした。上位機種であるML-F120は16KBの簡易言語C-BOLを内蔵しメモリは32KB、それらにくわえ最上位機種のML-F120Dは、MSX1としては珍しいRGB出力端子を備えていました。値段は、ML-F110が一番リーズナブルで標準価格54,800円、ML-F120が標準価格64,800円、そしてML-F120Dが標準価格74,800円と設定されていました。
83年から84年にかけて登場したMSXマシンらしく、キータッチが非常にしっかりとしています。カーソルキーも一つ一つが大きく、とても押しやすいです。親指でカーソルの下、人差し指で左、中指で上、薬指で右という操作方法を採る人であればシューティングゲームも快適に遊べますが、中指を上下カーソルキー担当にしている人は、上キーと下キーの距離があるため少々ツライかもしれません。もちろん、ジョイスティック端子を備えているので、そちらにジョイパッドなどを接続して遊べばまったく問題ありません。
注意すべき点があるとすれば、最上位機種であるML-F120Dにはビデオ端子が用意されていないというところでしょう。RF端子とRGB端子だけなので、中古ショップなどで衝動買いすると、映る環境を作るのに一苦労する可能性があります。その点を踏まえると、ビデオ出力端子を備えメモリ32KBを搭載したML-F120が、一番使い勝手が良いかもしれません。ML-F110の場合、メモリ不足からカセットテープで供給されているゲームが遊べない場合が多いので、ROMカートリッジで供給されているソフトがメインになりそうです。