ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・マイコンたち

さまざまなメーカーから数多くの機種が登場したデータレコーダたち ~富士通・NEC編~

外部データレコーダの本命ともいえるシャープのCZ-8RL1をはじめとした、いわゆる御三家の各メーカー純正機種を揃えました。NECのデータレコーダは、自社パソコンでは標準で取り扱えない2400ボーを採用した、ある意味で“純正らしくない”ハードともいえます。

 想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回は少し趣向を変えて、当時の周辺機器を取り上げる番外編として「データレコーダ シャープ・富士通+NEC編」を2回にわけてお届けします(シャープ編は別記事を参照)。

 80年代初頭から86年くらいまで、パソコンで使用されていた安価で手軽な記録媒体といえば、ダントツでカセットテープでした。もちろん、これ以外にも早い段階からフロッピーディスクはありましたし、バブルメモリやクイックディスクといった媒体も利用されています。しかし、カセットテープが優れていたのは、なんといっても安価で入手しやすかったことでした。

 一般的に使われていたラジカセでもデータの保存などは行えましたが、やはりパソコンをターゲットとして作られたデータレコーダは信頼性が高く、パソコン側からの制御も行えたため、安心して使えたものです。そのぶん、価格は一般的なカセットレコーダやカセットプレーヤ、ラジカセなどよりも高かったものがほとんどでした。

 今回は、そんな数あるデータレコーダの中から、シャープ純正の2機種と富士通純正1機種、そしてNEC製パソコンでは対応していない速度をサポートしたNEC純正1機種を取り上げます。

富士通 FMデータレコーダ MB27502 12,800円

 以前に紹介した三洋電機のデータレコーダ「MR-11DR」は、富士通からは「MB27501」という型番でOEM販売されていました。本機はその後継機種で、製造元は同じく三洋電機、販売元は富士通となっています。実際に市場に出回った時期ですが、広告を調べてみると、どうやら1984年の夏頃のようで、そのタイミングで前機種から変わり本機が掲載されるようになりました。

 MB27501と比べると、縦の長さが短くなったのが大きな違いです。実際にサイズを測ってみると、縦195mm×横130mm×高さ45mmとコンパクト。左上には四角形を対角線で切ったような形をしたボタンが用意されていて、一番大きな三角形がモニタ音の、残り半分の三角形のうち上側がフェーズ切換、下側がボーレートの切換という、それぞれの機能を持つボタンになってました。

背面には、お馴染みのEAR(CMT OUT)端子とREM(REMOTE)端子、MIC(CMT IN)端子が並んでいる以外は、電源コードが出ているのみです。この手の平置きタイプは電池駆動できるものも多いですが、本機は不可能となっています。

 それ以外の操作ボタン部分に関しては、オーソドックスなデータレコーダと同じです。再生中に、早送りまたは巻き戻しボタンを押すと“キュルキュルキュル”と収録されている音が聞けるので、次の先頭位置を割り出すのに便利でした。

 もちろん、FMシリーズだけでなく他機種でも使うことができます。ただし、FMシリーズはデータレコーダとの相性がシビアな場合もあるので、できれば本機のような純正か三洋電機のモデルを使うのが、エラーを起こさずにセーブロードできる近道かと思います。

広告を探してみましたが、単体では取り上げられていないようでした。代わりに、FMシリーズの周辺機器群の1機種として、ページの片隅に小さく掲載されていました。

NEC データレコーダ PC-DR312 12,800円

お弁当箱を大きくしたようなDR-320や、DR-330のように縦置きの直方体型ではなく、三洋電機のMR-DR33のようなシルエットを採用した、NECとしては珍しい形のデザインが印象的です。

 この当時に発売されていたNECのパソコンは、テープからのロード速度はどれも1200ボーまでとなっていました。そのため、従来リリースされていたデータレコーダには特段ボーレート表記は無かったのですが、ここで取り上げた「PC-DR312」はNEC製としては初めて2400ボーに対応したためか、蓋の部分に大きく“高速2400ボー対応”と赤字で記載されているのが特徴です。

 カセットテープ挿入口が斜めになっていますが、据え置きタイプのように上から下へではなく、平置きタイプと同じく手前から奥(下から上)へ向かってカセットテープを入れるようになっています。他でも似たものを見られないのが操作ボタンで、1つ1つがゴツい印象でした。実際に操作してみると、ガツンとした押しごたえがあるもので、いかにも“機械を操作している!”という感じになれます(笑)。

正面にはゴツい5つの操作ボタンが備わり、右端にはMONITOR LEVELと書かれたボリューム調整スライドがありました。

 正面には操作ボタン類が並んで、その右端にはボリュームを調整するスライドが用意されていました。左側面には、NEC製データレコーダにはお馴染みのロード調整スライドと、隣にはフェーズをノーマルとリバースから選べる切替スイッチがついています。

 背面には電源コードのほか、オーソドックスなCMTケーブルを接続するための端子が3つ用意されていました。一番右端にあるTV INPUTと書かれた端子は、蓋の部分に「テレビ番組のプログラム録音端子付」と書かれているところから考えると、この時期に放映されていた『パソコンサンデー』などのように、副音声でプログラム音を流していたものを録音するためではないかと思われます。

左側面にはフェーズ切替スイッチとレベル調整のスライド、背面には電源コードとシロと書かれたCMT OUT端子、クロと書かれたREMOTE端子、アカと書かれたCMT IN端子が用意されています。色で表示されているので、非常にわかりやすいです。右端のTV INPUT端子は、一部のテレビ番組が副音声で流していたプログラムを録音するために使用すると思われますが、マニュアルが見つからなかったため正確な情報は不明です。

 これだけの機能を搭載して12,800円という手頃な価格でしたが、登場時期が85年と遅かったためか、今見かけることはほとんどありません。ちなみに、同じ年の12月に発売されたワープロ・文豪ミニ3(PWP-30)は、文書の保存をするためのFDDは内蔵していなくて、DR-312をオプションで接続して行いました。