ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち
SHARPのパソコンテレビ「X1」シリーズ 前期モデルと、1980年代後半のソフトハウス「日本ファルコム」編
~永久保存版 80年代マイコン大百科~
2018年5月1日 00:00
連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 80年代マイコン大百科」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。
今回取り上げるページは、懐かしのマイコンたち!!編からSHARP「X1シリーズ Part1」編と、ボクたちを虜にしたソフトハウス編から1980年代後半の「日本ファルコム」。
なお、書籍版では画像はモノクロ(電子書籍 Kindle版はカラー)だが、本記事ではカラーの写真を掲載している。
- 懐かしのマイコンたち!! -SHARP「X1シリーズ Part1」- -
初代X1は1982年に登場しながらも、640×200ドットで8色のグラフィック(マニアタイプは要G-RAM)/8オクターブ三重和音といった、ホビー向けにマッチした機能を搭載していたことで、ソフトが非常に充実していた。さらに、データレコーダの読み込み速度が他機種よりも倍以上速い2,700ボーで、プログラムから頭出しなどの各種制御が可能だったこともあり、テープ版のゲームも豊富だった。テープが便利すぎて、ディスクに移行するのが遅れた、という弊害もあったが……。
この当時、特にX1の名前を響かせたのが『ゼビウス』の発売だろう。家庭で遊ぶのは不可能と言われていた名作だが、これをきっかけにX1シリーズを買った人もいたはず。また、日本ファルコムの名作『ザナドゥ』が唯一テープ版で発売された機種であり、T&E SOFTの『ハイドライド』でただ1機種、スムーススクロールしたハードでもあった。
その後、FDDを搭載したFシリーズ、ブラックの筐体が渋さを醸し出していたGシリーズ、さらにPCエンジンのゲームも遊べるtwinと発売されたが、そこで“X1”シリーズはその役目を終える。
- - ボクたちを虜にしたソフトハウス・80年代後半編 -日本ファルコム-
「ザナドゥ」を筆頭に、ヒット街道を驀進!!
1984年末に『ドラゴンスレイヤー』を発売し、それまでとは違うRPGの方向性を示したファルコムは、翌年ついにモンスター級の売り上げを誇ったタイトル『ザナドゥ』を登場させる。1年後の86年秋には、『ザナドゥ・シナリオII』をリリースし、パソコンゲーム史上に『ザナドゥ』旋風を巻き起こしたのだった。これにより“ファルコムのゲームにハズレなし!”との認識がパソコンゲームユーザの間に広まり、俗に言う“ファルコムファン”と呼ばれる層も増えていった。
1987年には、従来RPGのアンチテーゼともいえる『イース』を生み出し、『ドラゴンスレイヤー』シリーズとはまた別のユーザから支持を得た。その『イース』の特徴は、難易度が低いだけでなく、美しいBGMにもあった。これを皮切りに、1988年にはファルコムレーベルが作られ、『MUSIC FROM Ys』などのCDがリリースされていく。
80年代後半は、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで快進撃を見せたファルコム。ここで挙げたタイトル以外にも、『ロマンシア』『太陽の神殿』『イースII』など、どれもがヒットを飛ばした。
そんな流れが変わったのは、1989年に入ってから。この年は『スタートレーダー』『ワンダラーズ・フロム・イース』、そして「ドラゴンスレイヤー」シリーズ6作目となる『ドラゴンスレイヤー 英雄伝説』が発売されているが、当時を知るものであれば、あらゆる意味でこの年が一つの区切りだったと語る人も多いだろう。
以降、徐々に16ビットPC、WindowsOS、そしてコンシューマゲーム機へと軸足を移していくこととなるのだった。