ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

OSやビジネスソフトにも関わっていた老舗ソフトハウス「ハドソンソフト」と、海戦ソフトが人気だった「マイコンセンターウエノ」

~永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本~

永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本

 連載「ボクたちが愛した、想い出のレトロパソコン・ゲームたち」の番外編として、この記事では総合科学出版から発売されている「永久保存版 激レア!お宝発掘!! 80年代マイコン読本」(著:佐々木 潤)の一部記事を抜粋し、紹介しよう。

 今回取り上げるページは、メジャーソフトハウス編から「ハドソンソフト」、マイナーソフトハウス編から「マイコンセンターウエノ」となる。
 なお、書籍版では画像はモノクロだが、本記事では一部カラーの写真を掲載している。


- メジャーソフトハウス編 -ハドソンソフト- -


マイコン少年たちが1度は遊んだことがある老舗ソフトハウス

 NHKの番組『新・電子立国 第4回 ビデオゲーム~巨富の攻防~』で取り上げられたこともある老舗ソフトハウス。

 ビジネスソフトやOS、ハードにも関わっていたことを考えると、その技術力の高さがわかる。それを反映してか、初期の広告にはゲームや言語ソフトが入り交じって掲載されていた。

『ボンバーマン』の原型となった『爆弾男』は、ハドソンソフトとしては隠れた作品の部類。1983年発売で、X1版、FM-7版、PC-8001mkII版が同じタイミングでリリースされている。爆弾を使い敵の風船オバケをすべて倒すか、出口を見つけて入ればステージクリア。最初から爆弾を複数配置できたり、レンガを半分だけ破壊することも可能など、後の『ボンバーマン』との相違点が多い。

 アドベンチャーゲームが有名だが、『爆弾男』『ナッツ&ミルク』などのアクションも発売している。ちなみに『爆弾男』は、のちの『ボンバーマン』に見えるが中身は別物。

 最終的には現・コナミデジタルエンタテインメントに吸収され、2013年一杯でブランドも消滅した。大勢に愛されたソフトハウスだった。

一時期はソフトにほとんど関係ない広告も

 初期の頃は、北海道の大自然の写真とキャッチコピー、連絡先だけという、とても各種ソフトを取り扱っているソフトハウスとは思えない広告だったり、“天才募集”というキャッチコピーと共にイメージイラストを掲載し、人材募集などもしていた。

 この時期はハドソンソフトが誌上通販を行い、毎日現金書留の封筒が大量に届いた直後でもあるので、資金的な余裕から出た行動だったのかもしれない。


- マイナーソフトハウス編 -マイコンセンターウエノ- -


渋いシミュレーションゲームの広告が目立ったソフトハウス

 株式会社トーカイ・メディアが運営する静岡のマイコンショップが母体で、当初はハードとビジネスソフトの販売・マイコン教室の運営を行っていた。

 のちにゲームソフトをリリースするようになり、広告にて海戦ソフトが「販売実績3万本!!」と謳っているように、この時代のタイトルとしてはかなりの売上だった模様だ。

 85年ぐらいからカラーページで積極的に広告を掲載し、さらにそれまであまり見なかったアクションゲームを手がけるなど、傍目には生き残りを賭けた戦略と受け取れるタイトルも見られる。

 残念ながら、85年半ばには広告ページも見かけなくなり、そのまま手を引いたようだ。

じっくりプレイするシミュレーションゲームだけに難易度は?

 マイコンセンターウエノでは、ソフトごとに初級・中級・上級と難易度を表示して売り出していたが、手元にある『NARVIK(ナルビク)』は中級。

 “ノルウェーのナルビクを占領するドイツ駆逐艦隊に対し、イギリス軍は4月10日、13日と2度にわたる攻撃をかけてきた。貴方は敵艦隊を撃退し、ナルビクを占領し続けることができるか?”という目的に沿ってゲームは進む。

シミュレーションゲームではあるものの、表示しているデータ量は必要最小限。グラフィック機能を使用しての描画でもないため、他機種への移植も比較的容易だったと思われる。

 BASICなので、全体的な動作はのんびり。敵艦隊は見えないため、移動しながら索敵しつつ見つけしだい攻撃をくわえるという、当時としてはオーソドックスなタイプだ。グラフィックではなく、テキスト画面で作戦海域が描かれているのが少々寂しいが……。

一部の画像は、書籍版とは異なるものを掲載している場合がございます。