ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

基本ゲームシステムはロードランナーと同じ!? 『ファンキーモンキー』

パッケージには、リンゴを集めている主人公のファンキーモンキーが描かれています。下段にカセット版と書かれているのは、コンストラクション機能を搭載したディスク版も発売されていたためです。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回紹介するのは、『ロードランナー』ライクなゲーム『ファンキーモンキー』です。ポリシーから1984年に発売されした。

広告には、売れすぎて欠品をおこしていることのお詫びが書かれていたほか、どこが面白いのかを自問自答している文章も載せていました。

 1983年と言えば、海外で大ブームとなった『ロードランナー』が発売された年ですが、83年末の広告にて“12月発売”と銘打たれ、翌年登場したのが、この『ファンキーモンキー』です。正確な発売月は不明で、84年1月に発売された雑誌に掲載されていた広告では、既に発売されていた体になっていました。月刊誌『ログイン』84年4月号の“New Soft”コーナーにも書かれていましたが、この号の広告では「売り切れ続出」となっていたほか広告出稿までの準備期間などを考慮に入れると、84年2月に発売されたと考えるのが妥当かもしれません。

タイトル画面には、右下に製作者の名前がイニシャルで登場します。

 ゲームの基本システムは『ロードランナー』そのもので、主人公のサル・ファンキーモンキーを操作し、飼育係の人から逃げつつステージ内のリンゴをすべて回収。最後に、赤いブロックの部分に到達すればステージクリアとなります。『ロードランナー』と大きく異なるのは、画面が9つのブロックに分割されていて、それらもプレイヤーが操作できる点でしょう。文字で説明するのは難しいのですが、プレイしていくうちに徐々に感覚がつかめていくので、プレイ回数を重ねることで少しずつ上達するのが分かり、それが面白さに繋がっている一因かもしれません。

 また、『ロードランナー』では敵がプレイヤーキャラのすぐ近くにいるときは穴を掘れませんが、本作は飼育員と隣接していても掘ることが出来ます。もちろん、間に合わずにミスとなってしまいますが(笑)。さらに、一度穴に落とした飼育員は穴から二度と這い上がってこなかったり、穴が埋まるまでの時間が『ロードランナー』より心持ち長いといった違いもありました。

パッと見は『ロードランナー』と言われても違和感ありませんが、一部に見える赤いブロックが本作の特長を表しています。

 ただし、本作は“ブロックを移動させる”という操作方法が入るため、当時一般的だったテンキーでは遊べないのが少々不便な部分でした。フルキーの“e”“s”“d”“f”にてブロックの上下左右移動、“i”“j”“k”“l”でファンキーモンキーの操作、そして“u”“o”で主人公の左右に穴を掘る、となっていました。これに慣れるまでが最初の関門で、特にブロック移動の感覚がつかめないとクリア出来ないため、ここで投げ出してしまった人もいるかもしれません。

左の画面では、上段中央のブロックに行くことはできません。そこでブロックを移動して右画面のようにすることで、上段中央ブロックのリンゴを回収することができるようになります。

 ステージ数は全部で30ですが、ディスク版にはテープ版には収録されていないコンストラクション機能が搭載されていました。自分で作成したステージはディスクにセーブすることができたので、それで簡単な面を作り遊ぶのが上達への近道かもしれません!? ちなみに、コンストラクション機能を搭載したディスク版は定価8,800円ですが、それが省かれたテープ版は3,800円と5,000円もお買い得なので、小遣いの少ない小中高校生時代に本作と出会っていた人ならテープ版を買った人が多かったのではないでしょうか。

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