パワレポ連動企画

SSDの導入や書き換えによる劣化を防ぐテクニック ~SSD設定&メンテナンス 1~

【パワレポ連動:買いの最新SSD総チェック(8)】

DOS/V POWER REPORT 2016年10月号

 こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集をほぼまるごと紹介するこのコーナーでは、「2016年10月号」の第1特集「超高速・大容量・低価格 重要キーワードと製品を一気読み 買いの最新SSD総チェック」を掲載する。

 第8回からはSSDの設定及びメンテナンスについて解説していく。Windows 10ではSSDへの対応が進み、ユーザーが手動で設定する部分はほとんど無いが、使い勝手をよくするためにはやっておいた方が良い手順がある。

 本特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2016年10月号は全国書店、ネット通販にて8月29日(月)に発売。第2特集は、ワット数だけではない電源の見えない箇所を徹底比較「2016年登場のニューフェースを徹底検証! 新顔ATX電源大品評会」。特別企画は、可視化されるとなぜか外へ出たくなる「ガジェット活用で楽しく生活改善 IT派の活動量計入門」、もっとも手に触れるものだけに、自分に合ったものを使いたい「スイッチ、レイアウト、デザイン……アナタの決め手は? キーボード選び放題」、キーボードにこだわるならこちらも妥協したくない「ゲーミングモデルを中心に続々登場! 新世代高機能マウス30製品」を掲載。人気の連載記事、髙橋敏也氏による「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」も掲載だ。

 今号の特別付録は、小冊子「市場に並ぶ140超の製品をまるっと収録 電源名鑑 2016」。第2特集と合わせ、電源選びの参考にどうぞ。


-買いの最新SSD総チェック-
SSDの導入や書き換えによる劣化を防ぐテクニック ~SSD設定&メンテナンス 1~


Windows 10時代の
SSD設定&メンテナンス

 Windows 10時代になっても、SSDの設定やメンテナンスの基本的な部分はWindows 8.1時代と大きくは変わらないが、NVMe SSDへの対応など、新しい要素もいくつか現われている。

Windows 10では基本的に設定は必要ナシ!

 Windows 8.1では、SSDへの対応が進み、システムドライブに一般的なSerial ATA接続のSSDを使用する場合、OSが自動的に最適化を行なうので基本的にユーザーが設定を行なう必要はなかったが、それはWindows 10でも同様だ。細かい設定なしに最大限の性能を発揮させることができる。

 SSDの速度を維持するために利用されるTrimによるメンテナンス機能も同様で、決められたスケジュール(初期設定では毎週)で自動実行される。

Trimによるメンテナンスは自動で行なわれる
Windows 7以降では、ごみ箱内のファイルを削除したタイミングなどでTrimコマンドが発行されるが、同時にほかの処理命令が連続して行なわれたりすると、Trim命令に対するSSDの内部処理が後回しになったりキャンセルされたりすることがある。Windows 8以降ではこうした事態のフォロー策として、ドライブの最適化(Trimによるメンテナンス)が自動で定期的に行なわれるように設定されている。Windows 10では、ドライブの最適化はデフォルトでは「毎週」自動実行されるように設定されているが、「毎日」、「毎月」に変更することもできる
Windows 10/8.1/8とWindows 7のSSDまわりの違い

NVMe SSDへのOSインストール時にドライバは必要なし

通常の手順でNVMe SSDにインストール可能
別途ドライバを用意しなくてもWindows 10のインストール場所としてNVMe SSDが表示される

 PCI ExpressカードやM.2形状のNVMe SSDへWindows 10をインストールする場合も、Serial ATAドライブへWindows 10をインストールする場合同様にドライバを別途用意する必要はない。

 ただし、マザーボードがこれらのドライブからのOS起動をサポートしている必要がある。

SSDのフォーマットはクイックフォーマットで!

フォーマットオプションに注意
SSDをフォーマットする際は、フォーマットオプションでクイックフォーマットを選択する

 SSDでクイックフォーマットを行なうと、Trimによりパーティションの全領域が削除可能な場所として通知される。一方、通常のフォーマットはパーティションの全領域に対して「0」データを書き込むのでSSDの寿命がクイックフォーマット時よりも縮まる。

 特別な理由がない限り、SSDのフォーマットは、クイックフォーマットを選択しよう。

データの保存場所をHDDに設定してSSDの劣化を防ぐ

 SSDの書き換えによる劣化を防ぎたい場合や容量不足を回避したい場合は、別途HDDを用意して、データはすべてHDDに保存するようにするとよい。通常はシステムドライブ(SSD)に作成される「ドキュメント」、「ピクチャ」、「ビデオ」などのユーザーフォルダは、Windows 10では以下の手順で簡単にHDDに移動させることができる。

 なお、ここではWindows 10バージョン1607を利用している。

ユーザーフォルダをHDDに移動させる

【シンボリックリンクを活用する】

 データがもとの場所にあるように動作させることができる「シンボリックリンク」機能を活用すれば、アプリのインストール先はSSDのまま、キャッシュフォルダやデータフォルダなどをHDDに移動させることが可能。たとえば、Chromeのキャッシュフォルダは右の手順で移動できる。

ChromeのキャッシュフォルダをHDDに移動させる
1.ChromeのキャッシュフォルダをHDDにコピーする
C:Usersユーザー名AppDataLocalGoogleChromeUser DataDefaultにある「Cache」フォルダをHDD(ここではDドライブのルートフォルダ)にコピーする。トラブル時にもとに戻せるように元データはリネームして残しておく
2.コマンドプロンプトでシンボリックリンクを作成する
管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、「mklink/d "C:Usersユーザー名(ここではdosv)AppDataLocalGoogleChromeUser DataDefaultCache" "D:Cache"」とコマンドを入力してシンボリックリンクを作成する

【検証環境】

CPU:Intel Core i7-6700K(4GHz)
マザーボード:ASUSTeK Z170 WS(Intel Z170)
メモリ:Micron Crucial CT4K4G4DFS8213(PC4-17000 DDR4 SDRAM 4GB×4 ※2枚のみ使用)
グラフィックス機能:Intel Core i7-6700K内蔵(Intel HD Graphics 530)
SSD:Micron Crucial MX200 CT250MX200SSD1(Serial ATA 3.0、MLC、250GB)
HDD:Western Digital WD Red WD20EFRX(Serial ATA 3.0、5,400rpm、2TB)
OS:Windows 10 Pro 64bit版


[Text by 滝 伸次]


DOS/V POWER REPORT 2016年10月号は8月29日(月)発売】

★第1特集「超高速・大容量・低価格 重要キーワードと製品を一気読み 『買いの最新SSD総チェック』」
★第2特集「2016年登場のニューフェースを徹底検証! 『新顔ATX電源大品評会』」
★特別企画「ガジェット活用で楽しく生活改善 『IT派の活動量計入門』」「スイッチ、レイアウト、デザイン……アナタの決め手は? 『キーボード選び放題』」「ゲーミングモデルを中心に続々登場! 『新世代高機能マウス30製品』」
★連載「最新自作計画 ~メニイコアでもお買い得 VRレディのパワフルPC~」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 特別付録小冊子「市場に並ぶ140超の製品をまるっと収録 電源名鑑 2016」(雑誌のみ別途付録、電子版は巻末に収録)
★ 雑誌を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
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