パワレポ連動企画

プレイに差が付く!?最新ゲーミング液晶の最新トレンド&使い方 その3

DOS/V POWER REPORT 2022年夏号の記事を丸ごと掲載!

4K+144Hz↑

設置しやすい28型にKVM機能搭載とゲームも仕事も快適に

GIGA-BYTE TECHNOLOGY M28U Gaming Monitor
実売価格:85,000円前後 応答速度:中間色域1ms●輝度(標準):300cd/m2●インターフェース:DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.1×2、USB Type-C×1●本体サイズ(W×D×H):636.5×193.6×534.2mm●重量:6.93kg

 ゲームだけでなく、テレワークにも便利な使い勝手のよさが最大の強み。28型とデスクに設置しやすいサイズで、映像入力にノートPCと接続しやすいType-Cを用意。KVM機能を備えており、仕事用ノートPCとゲーム用デスクトップPCの両方を一つのキーボードとマウスで操作できる。また、4K/144Hz対応としては低価格だ。

 DisplayHDR 400対応とHDRコンテンツも十分楽しめる上、明るさや色合いなどの調整も可能。HDR時はカラー設定が変更できない製品が多いので、好みやコンテンツに合わせて変更できる楽しさがある。

sRGBカバー率99.9%、sRGB比121.6%と優秀。デフォルト設定だとガンマカーブはほぼ45゚の直線と素直な色作りだ

 カラーモードは、7種類をプリセットとして用意。FSPモードは寒色系で暗部は見やすいが全体的には暗めの調整。RTS/RPGモードはコントラスト強めでギラギラしたチューニングだった。また、ユーザーがレッド、グリーン、ブルー、シアン、マゼンタ、イエローの6色を個々に調整できるのも特徴だ。

高さ13cmと広い範囲で調整でき、チルトは上20゚、下5゚だ。スイベルとピボットには対応していないシンプルな作りだが、それだけに奥行きは19.36cmと短め
DisplayPort×1、HDMI×2、USB Type-C×1と4系統の入力を搭載。USB 3.0ハブや3W×2のスピーカーも備える。ACアダプタではなく電源内蔵型なのもポイント
OSDメニューは背面のスティックで操作。上部に解像度やオーバードライブ設定など各種情報を表示するので、現在の状態が分かりやすいのがナイス

個性的なデザインが実は使いやすさのキモ レトロゲー好きも注目

HP OMEN 27u 4K
直販価格:97,900円 応答速度:中間色域1ms●輝度(最大):460cd/m2●インターフェース:DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.0×1、HDMI 2.1×1● 本体サイズ(W×D×H):609.9×260.5×513.7mm●重量:7.82kg

 背面のひし形デザインが目を引くが、端子部分が斜めになることで、ケーブルを抜き挿ししやすいという大きなメリットを生み出している。このサイズのゲーミング液晶としては軽めで設置しやすいなど、使い勝手は良好だ。背面やパネル下部にコントロール可能なLED、スタンドの上部にはヘッドセット置き場があるのはゲーミング液晶らしいところ。

ガンマカーブを見るとデフォルト設定は赤が強めとゲームプレイ時の印象と同様だ。色域はsRGB比で130.5%と十分広い

 暗部補正や照準を画面の中心に表示など、お約束な機能に加えて、解像度の低いレトロゲームのドットをシャープにする「GAME REMASTER」というユニークなモードも用意している。カラーモードはジャンル別ではなく、ゲーム、標準、暖色、寒色、ECOなど色みや目的別に9種類ある。ゲームモードは赤がやや強めで暗部を見やすくしたチューニングという印象で、標準モードに比べると全体にやや明るめ。

 色域はスペックではDC-P3カバー率95%で、実測ではsRGBカバー率99.9%、sRGB比で130.5%と十分な広さだ。

スタンドの土台は奥行きはあるが、薄いのでスマートに見える。高さは13cmの間で調整可能、チルトは上20゚、下5゚だ。スイベルやピボットには非対応
入力はDisplayPort、HDMI×2の3系統。土台が斜めで端子に挿しやすい。Type-CはUSBハブ用だ。HDMIは2.1と2.0なので、PS5の120Hz駆動は2.1側への接続が必要だ。スピーカーも内蔵している
設定はOSDメニューのほか、アプリの「OMEN Gaming Hub」で行なえるためWindows上で設定変更可能。各機能の解説も表示できるので、好みの設定に調整しやすい

5系統の映像入力 高性能なスタンド 機能面は充実の一言

ViewSonic VX2882-4KP
実売価格:80,000円前後 応答速度:中間色域1ms●輝度(最大):300cd/m2●インターフェース:DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.1×2、USB Type-C×1● 本体サイズ(W×D×H):638×185×414.94~544.94mm●重量:約6.9kg

 デザインこそビジネス向けにも通じるシンプルなものだが、DisplayPort×2、HDMI×2、Type-C×1と5系統もの入力を備え、スタンドはスイベルやピボットにも対応と高機能、PIP(ピクチャーインピクチャー)やPBP(ピクチャーバイピクチャー)も備え、リフレッシュレートは150Hzとちょっと高め。DisplayHDR認証こそ取得していないが、HDRもサポートと機能面では8万円前後とは思えない充実ぶりだ。

 色域は実測でsRGBカバー率98.1%、sRGB比で117.6%と今回の中ではやや低め。販売されているディスプレイ全体で見れば優秀なのだが、この辺りが価格差になっているのだろう。

実測でsRGBカバー率98.1%、sRGB比で117.6%と決して悪くない結果。ガンマカーブは青がやや強めの調整だ

 カラーモードは標準、ゲーム、映画など用途別に7種類あり、そのゲームの中にさらにFPS、RTS、MOBAの3種類が用意されている。FPSモードはコントラストを強調し、立体感を向上させている。RTSモードは輝度をやや抑えつつ、暗部を見やすく補正する。

見た目は地味だが、高さは13cmの間で調整可能、チルトは上20゚、下5゚、スイベルは左右90゚、ピボットにも対応とシンプルだが機能充実のスタンド。奥行きが短めなのもナイスだ
映像入力はDisplayPort×2、HDMI×2、USB Type-Cの5系統と多彩で、接続するデバイスが多い人には最適。PS5の120Hz駆動が可能だ。スピーカーも備える
各種設定はOSDメニューで行なう。パネル底部のボタンだけで操作するタイプで、スティック型に比べてやや煩雑だ

勝負にこだわるならやっぱりコレ!ガチ向け超々高速ディスプレイ最前線

 4K/144Hz対応の製品が増えてきたが、eスポーツ系のFPSやTPSで勝利にこだわるなら超高リフレッシュレート液晶が最適なのは間違いない。敵の動きを見逃さずに把握するのにより有利になるからだ。また、サイズもゲームのことだけを考えると画面全体を視野に入れやすい24型がベスト。

 ここでは、よりガチ対戦ゲーマー向き・実戦に効く製品をピックアップした。

3万円以下で240Hzを実現 機能面も抜かりなし

JAPANNEXT JN-IPS245FHDR240
実売価格:29,000円前後 応答速度:MPRT 1ms● 輝度( 最大):400cd/m2●インターフェース:DisplayPort 1.2×1、HDMI 1.4×1、HDMI 2.0×1●本体サイズ(W×D×H):約560×184×431mm●重量:約3kg

 240Hzのリフレッシュレートを実現する液晶は、フルHDであっても4万円台が大多数。原稿執筆時点で唯一3万円以下を実現しているのがこの製品だ。

 240Hz対応だけではなく、PS5の120Hz駆動も可能。VRRやHDR、ブレを軽減するMPRTを備えるなど、ゲーミング液晶として必要な機能もしっかり揃えている。コスパ重視でも一歩上を行きたい人に。

現役最速の390Hz!異次元のなめらかさ

acer NITRO XV252QFbmiiprx
実売価格:90,000円前後 応答速度:中間色域1ms●輝度( 最大):400cd/m2●インターフェース:DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.0×2●本体サイズ(W×D×H):558×234×383〜503mm●重量:約5.03kg

 すでに500Hzの製品化も発表されているが、原稿執筆時点で入手可能なものの中では最速となるリフレッシュレート390Hzの製品。

 価格を問わずとにかく描画のなめらかさにこだわる人には最高と言えるが、390fpsを出すにはフルHDかつレインボーシックス シージなど軽めのゲームであったとしてもアッパーミドルのGPU およびCPUが必要だ。

WQHDでも240Hzに到達 バランス重視ならアリ

Dell ALIENWARE AW2721D
直販価格:99,980円 応答速度:中間色域1ms●輝度( 標準):450cd/m2●インターフェース:DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.0×2●本体サイズ(W×D×H):607.7×251.9×443.1mm●重量:6.3kg

 24型&高リフレッシュレートはゲーム特化が強過ぎるが、それ以外の用途での使いやすさやフレームレートの出しやすさを考えると27型でWQHDがよいバランスと言える。

 最近ではWQHDでも240Hzの高リフレッシュレート液晶が登場しており、本製品もその一つ。広色域でDisplayHDR600認証、G-Sync Ultimateにも対応とゲームも映像も快適に楽しめる。

ウルトラワイド

大画面で湾曲&144Hz ゲームにも映像にも没頭したい人へ

BenQ MOBIUZ EX3415R
実売価格:124,000円前後 応答速度:MPRT 1ms●輝度(最大):400cd/m2●インターフェース:DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.0×2●本体サイズ(W×D×H):815.2×269.7×425.1~525mm●重量:約8.5kg

 34型の大画面でさらに湾曲の没入感、DCI-P3カバー率98%の広色域、DisplayHDR400準拠かつHDRコンテンツをより際立たせる独自のHDRi技術、ウーファーを備える高音質のスピーカー、144Hz&VRRサポートとゲームも映像もハイレベルで楽しめる基本スペックを揃えている。

 エンタメ系ゲーミング液晶ブランドのMOBIUZらしく、カラーモードとサウンドのプリセットにはこだわりを見せており、たとえばカラーをFPSにすると暗部が見やすくなり、サウンドをFPSにすると銃声や足音がハッキリと際立つ。おっくうになりがちなプリセットの変更もリモコンで手軽に行なえるのがよいところだ。

ガンマカーブを見ると、暗部を明るくする調整だ。色域はsRGBカバー率100%、sRGB比で148.6%と文句なしに広い

 ただ、幅が81.52cmと大型なので、デスクに設置できるか事前に確認しておきたい。ブレ防止や暗部補正、二つのデバイスの映像を表示するPIPやPBPも備えるなど、そのほかの機能も充実。それだけに価格は高いが、見合うだけのクオリティを持っている1台だ。

34型を支える強力なスタンドは大きめだが、安定感は抜群だ。高さは10cmで調整、チルトは上15゚、下5゚、スイベルは左右15゚。さすがにピボットには非対応
入力はDisplayPort 1.4、HDMI 2.0×2の3系統。USB3.0ハブも備えている。電源はACアダプタ
OSDメニューの操作はパネル底面のスティックでも行なえるが、付属のリモコンを使うのが便利だ。音量調整やプリセットの変更などが簡単にできる

34型で5万円以下 165Hzで色域も広い これはお買い得だ

HP X34 WQHDゲーミングディスプレイ
直販価格:49,280円 応答速度:中間色域1ms●輝度(最大):400cd/m2●インターフェース:DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.0×1、USB Type-C×1●本体サイズ(W×D×H):816.5×234.9×514.4mm●重量:約8kg

 圧倒的なコストパフォーマンスが最大の強みだ。34型の大型サイズでUWQHD(3,440×1,440ドット)の高解像度、sRGBカバー率99%の色域、165Hzの高リフレッシュレートとこれだけのスペックを揃えて5万円を切る価格は驚きと言える。

 応答速度も1msと速く、DisplayHDR認証はないがHDRにも対応。VRRやブレ防止(MPRT)、画面に照準を表示させたりと暗部補正こそないがゲーミング系の機能もしっかり備えている。

スペック上はsRGBカバー率99%だが、実測は100%、sRGB比は114.3%と優秀。デフォルト設定だとやや明るめだ

 カラーモードはゲーム、中間、シネマ、暖色、寒色など8種類。ゲームモードではやや明るめで暗部を見やすくしている印象だ。

34型を支えるためか土台はやや厚め。高さは10cmで調整、チルトは上20゚、下5゚でスイベルとピボットには非対応だ
映像入力はDisplayPort1.4とHDMI 2.0の2系統のみ。USBハブ機能もなく、スピーカーは非搭載とシンプルな構成だ

 リフレッシュレート165Hzが利用できるのはDisplayPort接続のみで、HDMIは100Hzまで。そのため、残念ながらPS5の120Hz駆動には対応していない。

 入力は2系統のみ、スピーカー非搭載などコストを抑えた作りを感じる部分はあるが、ウルトラワイドを低価格で入手したいなら間違いなくオススメ。

OSDメニューは背面のボタンで操作とスティック式に比べるとちょっとめんどうだ。VRRとブレ防止のMPRTは排他仕様

[TEXT:芹澤正芳]

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