パワレポ連動企画

プレイに差が付く!?最新ゲーミング液晶の最新トレンド&使い方 その2

DOS/V POWER REPORT 2022年夏号の記事を丸ごと掲載!

量子ドット

充実のゲーム機能とDisplayHDR 600でエンタメも楽しめる高級機

ASUSTeK Computer ROG Swift PG32UQ
実売価格:132,000円前後 応答速度:MPRT 1ms●輝度(最大):600cd/m2●インターフェース:DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.1×2●本体サイズ(W×D×H):728.18×292.56×551.83mm●重量:約9.7kg

 画面の美しさとゲーム機能の充実度はピカイチだ。量子ドットを採用しており、色域はsRGBで160%、DCI-P3で98%と今回取り上げた9製品でトップクラス。実測でもsRGB比で161.6%の色域を記録しており、その実力は確か。

 さらにDisplayHDR 600認証とHDR対応コンテンツでは明暗、とくに白い部分が際立ち立体感のある映像が楽しめる。

色域の広さは今回最大級
実測でsRGB比161.6%という広い色域。ガンマカーブを見るとレースモードはやや暗めに調整されているのが分かる

 カラーモードはジャンル別に5種類が用意されており、FPSモードでは暗部を持ち上げる明るさ重視のチューニング。RTS/RPGモードでは、陰影を強めて雰囲気を重視した絵作りだ。モードごとに色が極端に変わるので、好みのものを探る楽しさがある。

スタンドは重たいが安定感は抜群だ。チルトは上20゚、下5゚、スイベルは左右25゚、高さ調整は10cm。ピボットはない。背面LEDはAura Syncに対応
入力はDisplayPort、HDMI×2の3系統。HDMIは2基とも2.1なのでPS5の120Hz駆動が可能だ。USB 3.0ハブ、5W×2のステレオスピーカーも装備

 ゲーム関連としては、多くの製品で排他仕様となっている、ブレを防止するELMB SYNC(いわゆるアンチモーションブラー)とテアリングを防止する可変リフレッシュレート(以下VRR)を同時使用できるのが強み。価格は高いがそれだけの性能を持っている。

OSDメニューは背面のスティックで操作できる。表示の切り換えやメニュー移動の反応がよく、快適な操作が可能だ

HDRへのコダワリに驚き スピーカーの音質も良好 エンタメ追求型の1台

BenQ MOBIUZ EX3210U
実売価格:140,000円前後 応答速度:MPRT 1ms●輝度(最大):600cd/m2●インターフェース:DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.1×2●本体サイズ(W×D×H):726.7×269.9×487.4~587.4mm●重量:約9.5kg

 今回もっとも高価だが、それも納得のコダワリに満ちた1台だ。量子ドットによって各色が際立つだけでなく、DisplayHDR 600に準拠し、独自拡張したHDRiによる「ゲームHDRi」プリセットでは寒色寄りの設定でゲームのディテールを際立たせ、「シネマHDRi」では色のメリハリや鮮やかさがさらにアップ、とHDRコンテンツを見るのを楽しくさせてくれる。

 カラーモードはジャンル別に6種類を用意。FPSでは輝度を上げて暗部を見やすくし、RPGは長時間プレイを意識してかやや暗めで目に優しい色合いになる。

デフォルトのガンマカーブを見ると若干暗め。sRGBカバー率99.4%、sRGB比146.1%と色域は広く、緑色に強い

 ウーファー付きのスピーカーは迫力としっかりとしたステレオ感がある。さらに、ジャンル別のプリセットも内蔵し、FPS設定では銃声や足音が際立つ。ノイズキャンセリング機能を備えたマイクもあり、ヘッドセットなしでも快適なボイスチャットが楽しめるのもよい。広色域で4K/144Hz、VRRやブレ防止、暗部補正などお約束機能も当然備える。

スタンドは10cmの高さ調整、チルトは上15゚、下5゚、スイベルは左右15゚でピボットには非対応だ。背面上部には5WのウーファーとLEDも備える
映像入力はDisplayPort1.4とHDMI 2.1×2の3系統だ。PS5の120Hz駆動にも対応する。4ポートのUSB 3.0ハブ機能も備えて複数デバイスの接続に便利
設定を行なうOSDメニューはパネル下部のスティックのほか、付属のリモコンでも操作が可能だ。音量調整や明るさの変更、プリセットの切り換えを手軽にできる

湾曲&240Hz ほかにはない没入感を味わえる唯一無二の存在

Micro-Star International MPG ARTYMIS 273CQRX-QD
実売価格:90,000円前後 応答速度:MPRT 1ms●輝度(最大):530cd/m2●インターフェース:DisplayPort 1.2a×1、HDMI 2.0b×2、USB Type-C×1● 本体サイズ(W×D×H):607.08×260.88×529.32mm●重量:約6.6kg

 解像度こそWQHDだが、量子ドット、27型で湾曲パネル、240Hzの高リフレッシュレート。これらの要素を満たすのは、原稿執筆時点では日本でこれ1台しかなく、まさに唯一無二の存在。

 1,000Rという高い湾曲率によって、27型ながら視界に画面全体を入れやすく、かなりの没入感を得られる。240Hzのリフレッシュレートは、144Hzとは明らかに異なる動きのなめらかさ。

ガンマカーブはほぼ理想的な角度45゚のほぼ直線。色域はsRGBカバー率99.6%、sRGB比142.4%で赤系の表現力に優れる

 パネル下部に有線マウスのケーブルを引っかけるマウスバンジーを取り付け可能、側面には引き出し式のヘッドセットハンガーがあるなど、ゲーミング液晶ならではのギミックも多彩だ。

大きく湾曲したパネルを支えるためスタンドはゴツいが安定感がある。高さは10cmで調整、チルトは上20゚、下5゚でスイベルは左右30゚だ。ピボットには非対応
入力はDisplayPort 1.2a、HDMI 2.0b×2、Type-Cの4系統。H D M IはP S5の120H z駆動も可能だ。USBハブに加え、KVM機能もあるのでUSB機器を2台のPCで共有できる

 DisplayHDR 400にも準拠。HDRコンテンツを再生すると、やや明るめだが立体感が出る色で見応えがある。カラーモードは、FPS、レーシングなどジャンル別に5種類。FPSモードは明るさ重視で、暗部補正するナイトビジョンも自動で有効に。RPGはやや暗めで、長時間プレイ重視の調整だ。

Windowsで各種設定を行なえる専用のアプリ「Gaming OSD」を用意。マウスとキーボードで手軽に変更できる。ただし、利用にはPCとUSBケーブルの接続が必須だ

大画面で低価格!スリムで設置しやすいクリエイティブ向け液晶

アイ・オー・データ機器 LCD-PHQ321XQB
実売価格:50,000円前後 応答速度:中間色域8ms●輝度(最大):250cd/m2●インターフェース:DisplayPort×1、HDMI×3●本体サイズ(W×D×H):731×221×497mm● 重量: 約6.8kg

 ゲーミング液晶を集めた本特集の趣旨と少々ずれるが、実売5万円で購入できる量子ドット採用、カラーモードにゲームモードも用意する、という点を考慮してチョイスしたカメラマンやデザイナー向けの高色域な製品。実測でsRGBカバー率は100%、sRGB比で146.3%と高い色の再現性を見せており、リフレッシュレートは60Hzだが、高速タイプを必要としないゲーマー、たとえば美麗映像やストーリー性重視のシングルプレイゲームを愛好する人なら注目に値する。パネルは薄型で3辺フレームレスということもあって圧迫感はなく、軽いので設置しやすい。

sRGBカバー率は100%、sRGB比で146.3%と色域の広さはさすが。ガンマカーブは色のズレがほとんど見られない

 カラーモードは、標準、あざやか、オフィス、ゲーム、Webの5種類。ゲームモードではコントラストを高めてメリハリを強くする印象だ。HDRには対応していない。

スタンドにはスマホやタブレットを立てかけられるミゾを備える。ただ、調整はチルトの上20゚、下5゚のみと高さ調整、スイベル、ピボットには非対応と最小限だ
DisplayPort、HDMI×3と映像入力は4系統。HDMI機器が多い人にはよいだろう。2W×2のスピーカーも内蔵。電源内蔵型とACアダプタではないのは○

 高さ調整のできないシンプルなスタンドがやや残念だが、スマホやタブレットを置けるミゾは意外に便利。

シンプルなOSDメニューはスティック式ではなく、背面にある六つのボタンで操作とやや煩雑だ。解像度の低い映像の輪郭をクッキリさせる超解像機能も備える

[TEXT:芹澤正芳]

最新号「DOS/V POWER REPORT 2022年秋号は絶賛発売中!

 今回は、DOS/V POWER REPORT「2022年夏号」の記事をまるごと掲載しています。

 なお、現在発売中の最新号「DOS/V POWER REPORT 2022年秋号」では、Ryzen 7000シリーズを徹底検証。さらに「PC自作の“新常識”」「ミニPCファーストインプレッション」「そろそろ始めてみる!?“本格水冷”の世界」など、内容盛り沢山!是非ご覧ください!