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【竹内亮介のオレにPCケースを使わせろ!】Cooler Master「HAF 500」編

DOS/V POWER REPORT 2022年秋号の記事を丸ごと掲載!

Cooler Master Technology HAF 500

20cm径ファンを2基も搭載する冷却モンスター
Cooler Master Technology HAF 500 実売価格:17,000円前後

 Cooler Masterの「HAF」シリーズと言えば、エアフロー重視の構造を採用し、大型のケースファンを搭載する往年の人気ATXケースだ。ここ数年は新作が登場していなかったが、シリーズの血脈はまだ絶えてはいなかった。CPUやビデオカードの発熱が非常に大きくなった昨今の状況を踏まえ、冷却性能をさらに強化して生まれ変わった最新の「HAF500」を紹介していこう。

カラー:ブラック、ホワイト●ベイ:3.5/2.5インチシャドー×2、2.5インチシャドー×2●標準搭載ファン:20cm径×2(前面)、12cm角×1(背面)、12cm角×1(3.5/2.5インチシャドーベイ上) ●搭載可能ビデオカードの長さ:410mm●搭載可能CPU クーラーの高さ:167mm●搭載可能ラジエータの長さ:36cmクラスまで( 前面、天板) ●本体サイズ(W×D×H):224×516×510mm●重量:9.5kg

 最大の特徴は、20cm径と言うかなり大型のケースファンを2基も装備することだ。ミドルタワーケースでここまで大きなケースファンを搭載するモデルはめずらしい。この2基の前面ファンはファン/ LEDハブに接続済みの状態であり、マザーボードにはハブのファンケーブルやLEDケーブルを挿すだけでよいのも便利だった。

 これらのファンには光量の強いアドレサブルRGB LEDが組み込まれている。前面ファンの光がメッシュパネルを通して周囲に広がるさまは美しい。またビデオカード付近にも12cm角ファンを装備して冷却を強化したほか、HAFシリーズらしくメッシュ構造を各部に採用するなど、冷却性能に徹底的にこだわっている。

 実際に組み込み作業をする上で便利なのは、天板だけを簡単に着脱できる機能だ。最近は簡易水冷型CPUクーラーを利用する機会も多いが、そうしたパーツを天板に組み込むのもラクだ。マザーボード天辺近くにあるEPS12V電源コネクタやCPUファンコネクタへの接続、ケーブル整理などもしやすい。

フロントポートは天板に装備する。USB3.1が2基とType-Cが1基という構成だ

 天板とマザーボード上辺との隙間はかなり広く、水冷ラジエータとそのファンを取り付けても、マザーボードの上にかぶることがない。ファンケーブルの接続や整理もやりやすいのだ。マザーボードベース裏面にはファン/ LEDハブを装備しており、複数のファンをまとめて制御できる。最新の自作PC事情を踏まえ、構造面や使い勝手を徹底的にブラッシュアップしていることが分かる。

前面には風通しのよいメッシュ構造を採用する。目が細かいので、定期的に清掃して冷却性能を維持したい

 冷却性能や組み込みやすさ、低負荷時の静音性など、さまざまな要素を高いレベルでバランスを取った優れたPCケースであり、初心者から上級者まで、幅広くオススメできる製品と言ってよいだろう。

さらに大きな兄貴分HAF 700 EVOも
同じHAFシリーズのHAF 700 EVO は、兄貴分とも言える存在だ。20cm径ファンの搭載やエアフローを重視した設計はそのままに、48cmクラスという超大型ラジエータやATXを超える大型マザーボードへの対応など、拡張性をさらに強化。前面には、さまざまな情報を表示できる小さなディスプレイを装備している。実売価格は56,000円前後

36cmクラスラジエータでも余裕 前面は前面ファンとの両立も

 奥行きと高さが50cmを超えており、ミドルタワーケースの中でも比較的サイズは大きい。そのため内部は広く、各パーツの組み込みは楽に行なえる。今回は36cmクラスのラジエータを備えるFracalDesignの「Celsius+ S36 Dynamic」を天板に組み込んだが、天板の前後にはまだ十分な余裕がある。また天板が外せるため、ラジエータやファンの組み込み、ケーブル整理は容易だった。ちなみに前面20cm径ファンの固定用ネジ穴と、14/12cm角ファンの固定用ネジ穴の位置は重複していない。そのため、簡易水冷型CPUクーラーと前面20cm径ファンを両立できるのはおもしろい。

天板は着脱できる構造になっている。水冷のラジエータを組み込んだり、マザーボードにケーブルを挿したりするときに重宝する

強力な20cm径ファンに加え、ビデオカード用のGPUファンも搭載

 前面に2基の20cm径ファンを搭載しており、前面パネルには目の細かいメッシュ構造を採用している。この大型ファンを利用してPCケース内部にしっかりと外気を取り込むことで、冷却性能を高めているわけだ。実際にパーツを組み込んで検証したところ、歴代トップクラスの冷却性能を示した。また前面の20cm径ファンは、負荷の低い状況なら400 ~ 500rpmで動作し、全体的に動作音は非常に静かだ。冷却重視型PCケースに「うるさい」という印象を持っているユーザーは多いと思うが、最近のモデルではそうした心配はほとんど必要ない。

メッシュフロントパネルは簡単に取り外すことができ、メンテナンスもやりやすい。マザーボードベース裏に、最大で4基までのファンやLEDケーブルをまとめて制御できるファン/LEDハブを装備

 3.5/2.5インチシャドーベイの上にも12cm角ファン(GPUファン)を装備しており、ビデオカードの周囲に外気を導く役割をになっている。このファンは角度を変更できるようになっており、ビデオカードの位置や長さに合わせて適切な角度に調整したい。

ビデオカードの冷却を強化するために、角度を変更できる12cm角ファンを3.5/2.5インチシャドーベイ上に装備
検証部で解説しているが、GPUファンは上の写真のようにビデオカードにぴったりくっつけるほうがGPU温度は低くなった

ビデオカード用のGPUファンはビデオカードにぴったりくっつけよう

 気温が高めな時期に計測していることを考えれば、高負荷時のCPU温度やGPU温度はかなり優秀な結果と言ってよいだろう。秋から冬の気温が低い時期に計測すれば、どちらも70℃を切ってくると思われる。

 シャドーベイ上のGPUファンの効果を確認するため、これを止めて温度を計測したところ、高負荷時はCPU温度が下がった。どうしてファンを切ったほうが温度が下がるのかと思って調べてみると、GPUファンは標準だとp.110上の写真のようになっており、GPUファンの風が前面ファンの風に干渉しているようだ。GPUファンをビデオカードにぴったりとくっつけるように角度を調整し、上に流れないようにすると、CPU温度は2℃、GPU温度は1℃低下した。ビデオカードの長さにもよるが、こうした工夫で冷却性能をさらに強化できるのはおもしろい。

こんなPCを作りたい!

 強力な冷却性能を活かして、ハイエンドパーツを組み合わせた最強のゲーミングPCを作りたい。せっかくなので水冷タイプのビデオカードを採用するのもアリかも!?

【検証環境】
CPUAMD Ryzen 9 5900X(3.7GHz)
マザーボードASUSTeK ROG STRIX B550-F GAMING(AMD B550)
メモリCFD販売 W4U3200CM-8G(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB × 2)
ビデオカードGIGA-BYTE GeForce RTX 3070 EAGLE OC 8G(NVIDIA GeForce RTX 3070)
SSDWestern Digital WD Black SN750 NVMe WDS500G3X0C[M.2(PCI Express 3.0 x4)、500GB]
電源ユニットCorsair RM750x(750W、80PLUS Gold)
CPUクーラーサイズ MUGEN5 Rev.B(サイドフロー、12cm 角)/ Fractal Design Celsius+ S36 Dynamic(簡易水冷型、12cm 角× 3)
室温26.7℃
アイドル時OS起動10分後の値
動画再生時解像度1,920×1,080ドットの動画ファイルを1時間再生したときの最大値
3DMark時3DMarkのStressTest(Time Spy)を実行したときの最大値
高負荷時OCCT 11.0.11のPOWER SUPPLYテストを10分間実行したときの最大値
Fan Xpert 4の設定Auto
温度使用したソフトはHWMonitor 1.46で、CPUはTemperaturesのPackage、GPUはTemperaturesのGPUの値

[TEXT:竹内亮介]

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