パワレポ連動企画
【10年使えるATXケース徹底紹介(4)】
~Lian Li PC-8E / be quiet! Siltent Base 800 / NZXT H440編~
(2015/2/9 12:05)
こだわりの自作PC専門誌「DOS/V POWER REPORT」の特集記事をほぼまるごと紹介するこのコーナー、今回は「10年使えるATXケース徹底特集」の第4回目としてLian Li Industrialの「PC-8E」とListanの「be quiet! Silent Base 800」、NZXTの「H440」の検証記事を掲載する。
なお、今回紹介するなかで「H440」にはゲーミングデバイスでおなじみの「Razer」とのコラボモデルH440MB-RazerSEも販売されている。通常モデルより価格が多少高くなるがRazerの製品を愛用していてデバイスとの統一感を重視する場合はこちらもおすすめだ。
この特集が掲載されているDOS/V POWER REPORT 2015年3月号は全国書店、ネット通販にて絶賛発売中。3月号では本特集のほか、今話題の低価格タブレットPCを筆頭にその魅力に迫る「2万円からのフル機能激安PC選び」、用途・予算に合わせて選ぶ「低価格CPU大全」、髙橋敏也氏による連載記事「髙橋敏也の改造バカ一台」や本Web連載中のAKIBA限定!わがままDIY+の本編「わがままDIY」など、多数の記事を掲載。
今号の特別付録は「使えるPC小物&周辺機器大カタログ」。ちょっと欲しい!今すぐ欲しい!がいっぱい!!の内容だ。
- ATXケースの選び方 2015年版 -
10年使えるATXケース徹底紹介
大型水冷にも対応した超軽量アルミケース
Lian Li Industrial PC-8E
長年アルミケースを作り続けているLian Liの最新ATXモデル。先代PC-8Nをベースにリファインしたもので、電源搭載スペースを上部と背面中部の2カ所に設け、24cmラジエータの水冷クーラーの搭載も可能にした。先代の構造を活かし最小限の変更で天板にラジエータを搭載できるようにするため背面部にも電源搭載スペースを設けているのだが、同時に背面ファンスペースが犠牲となってシステム構成の自由度はかなり制限される。
アルミケースの大きなメリットの一つは軽さで、本製品も重量は4.7kgと通常のATXケースの半分程度ととても扱いやすい。一方、振動耐性や遮音性ではどうしても見劣りするため、遮音効果はアテにせず動作音の発生を減らす方向でシステムを考える必要がある。また、内部構造も2000年代前半の設計をほぼ引き継いでおり、最近の流行からは大きく外れている。パーツ点数を減らし、ケーブル配線の必要性が少ない構成ならばそれほど見劣りを感じずにいられるだろう。軽さや質感は魅力だが、使いこなすにはテクニックを要する上級者向けの製品と言える。
[Text by 鈴木雅暢]
【Specification】
ATX●カラー:ブラック、シルバー●付属電源:なし●ベイ:5インチ×4、3.5インチシャドー×5、2.5インチシャドー×2●標準搭載ファン:14cm角×1(前面)、12cm角×1(天板)●追加搭載可能ファン:12cm 角×1(天板)●本体サイズ(W× D× H):210×500×450mm●重量:4.7kg●実売価格:14,000円前後
AKIBA PC Hotline!掲載記事:電源の縦置き/横置きに対応したタワー型ケースが発売LIAN-LI製 (2014/6/12)
【検証結果:静音性、冷却性能ともさらなる改善が欲しい】
動作音は冷却重視型並み、温度は密閉型の中でも下のレベル、と厳しい結果となった。冷却強化を図るなら、爆音覚悟でファンを強化するか水冷を導入するかだが、遮音効果が低いアルミと水冷の相性もよいとは言い難い。システムを省電力化し発熱を抑える方向も検討したい。
こう使え!
ヨーロピアンテイスト漂う大型ミドルタワー
Listan be quiet! Silent Base 800
静音ファンやCPUクーラー、電源で知られるドイツ発の「be quiet!」ブランド初のPCケース。be quiet!はデザインにインパクトがあるものが多いが、このSilent Base 800も同様。フロントマスクの目立つ部分だけでなく、通気口やスタンド、電源ボタンなど細かい部品まできっちりとデザインされ、表面仕上げにも配慮。優雅な上質感がある。
ケースとしての性格は、静音志向の密閉型で、フロントとサイドのパネルには遮音シートを貼っている。ファンは最大7基搭載可能で、天板部には最大28cmの水冷ラジエータも搭載できるなど冷却拡張性も確保されている。ただ、カバーを全面的に開放したり、メッシュカバーに交換できるわけではなく、あくまでも静音志向の範囲内。最近のトレンドを踏襲した内部構造でおおむね組みやすいのだが、トップカバーが外しにくい点が惜しい。また、マザーボードベース裏のベイを合わせても2.5インチデバイスが最大4台しか搭載できないなど、大柄なボディを持て余している感も否めない。こういう細部の欠点よりもデザインに魅力を感じられるかがポイントだろう。
[Text by 鈴木雅暢]
【Specification】
規格:ATX ●カラー:ブラック+オレンジ、フルブラック、ブラック+シルバー●付属電源:なし●ベイ:5インチ×3、3.5インチシャドー×7、2.5インチシャドー×4●標準搭載ファン:14cm角×2(前面)、12cm角×1(背面)●追加搭載可能ファン:14/12cm角×2(天板)、14/12cm角×1(底面)、12cm角×1(側面)●本体サイズ(W×D×H):266×495×559mm●重量:9.31kg●実売価格:22,000円前後
AKIBA PC Hotline!掲載記事:今週見つけた新製品 be quiet! Silent Base 800(2014/12/13)
【検証結果:大きさのわりには地味な結果】
静音性、冷却性能ともに密閉型としては水準クラス。悪くない結果なのだが、ボディの大きさや価格を考えると少々もの足りなさはある。ファン制御の有無で温度がほとんど変わらないことから、ファンの冷却性能自体の限界が見て取れる。
こう使え!
5インチベイを排して12cm角ファンを前面に3基装備
NZXT H440
ミドルタワークラスのサイズ感ながら、前面に3基もの12cm角ファンを搭載した冷却重視型のPCケースだ。5インチベイを排除することで、前面に3基のファンを搭載し、冷却性能の強化を図っている。
内部構造も凝っている。3.5/2.5インチシャドーベイは1基ずつトレイになっており、すべて取り外すことが可能。外したままにすれば、前面ファンからの風がCPUクーラーやビデオカード周辺に届きやすくなるし、長さのある高性能ビデオカードも余裕を持って組み込めるようになる。また、冷却重視型ながら、側板などに防音材が貼られていることにも注目。ファンの回転数を制御すれば、静音性を保ちつつ高い冷却性能も実現可能だ。
マザーボードベース裏面には、10基までのファンを接続できる集中コネクタを装備しているので、ファン用電源コネクタの数が足りなくなることは少ないだろう。ただ、前面パネルは扉ではないので、防塵フィルタを清掃するには、前面パネルを外す必要がある。とはいえ防塵フィルタは磁石での固定なので、清掃は簡単だ。
[Text by 竹内亮介]
【Specification】
規格:ATX●カラー:マットブラックアンドグロスレッド、グロッシーホワイト●付属電源:なし●ベイ:3.5/2.5インチシャドー×6、2.5インチシャドー×2●標準搭載ファン:12cm角×3(前面)、14cm角×1(背面)●追加搭載可能ファン:14cm角×2(前面、12cm角×3と排他)、12cm角×1(背面、14cm角×1と排他)、14cm角×2 / 12cm角×3(天板)●本体クラス(W× D× H):220×475.3×510mm●重量:9.75kg●実売価格:14,000円前後
AKIBA PC Hotline!掲載記事:外部ベイが1つも無い全面フラットなATXケースが販売開始(2014/3/19)
【検証結果:前面3連ファンの効果さすがの冷却性能】
CPUやGPU温度はかなり低く、今回テストした中ではトップグループ。アイドル時でも動作音はかなり大きいが、マザーボード側にファンを接続し、回転数を制御するとかなり改善された。各部の温度は若干上昇するが十分な冷却性能であり、許容範囲内だろう。
こう使え!
【掲載ケース共通検証環境】
CPU:Intel Core i7-4790K(4GHz)、マザーボード:ASUSTeK H97-PRO(Intel H97)、メモリ:CFD販売 CFD ELIXIR W3U1600HQ-4G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2)、ビデオカード:MSI GTX 970 GAMING 4G(NVIDIA GeForce GTX 970)、SSD:Intel SSD 335 SSDSC2CT240A4K5(Serial ATA 3.0、MLC、240GB)、電源:サイズ エナジアプラチナ550W(550W、80PLUS Platinum)、CPUクーラー:サイズ 虎徹、OS:Windows 8.1 Pro Update 64bit 版、室温:21.4℃、暗騒音:32.4dB、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:OCCT 4.4.1 POWER SUPPLYテストを10分間動作させたときの最大値、各部の温度:使用したソフトはHWMonitor 1.26でCPU はCPUTemperaturesのPackage、GPUはTemperaturesの値、動作音測定距離:ケース正面から20cm
【DOS/V POWER REPORT 2015年3月号は2015年1月29日(木)発売】
★第一特集「10年使えるATXケースを買う」
★第二特集「2万円からのフル機能激安PC選び」
★特別企画「低価格CPU大全」「スマホから使える多機能リモコン」「ブラウザゲーム群雄割拠」
★連載「最新自作計画」「POWER REPORT PLUS」「自作初心者のための[よくある質問と回答]」「New PCパーツ コンプリートガイド」「激安パーツ万歳!」「髙橋敏也の改造バカ一台」「PCパーツ スペック&プライス」「全国Shopガイド」「DOS/V DataFile」
★ 紙版を買うと電子版(PDF)を無料ダウンロード可能
★ 紙版は特別付録小冊子「使えるPC小物&周辺機器大カタログ」が別途付属
★ 電子版では小冊子の電子版も完全収録
★ 電子版は割安な税別926円
★ 毎月700円(税込)で最新号が読める 直販電子版 月額プランも受付中
http://book.impress.co.jp/teiki/dvpr/2014-12-26-1549.php
【電子販売ショップ】
- Impress Japan(PDFで購入可能)
- http://book.impress.co.jp/books/1114110113
- Amazon.co.jp (Kindle版)
- http://www.amazon.co.jp/dp/B00SSNWGMG/impresswatch-14-22/
- Newsstand
- https://itunes.apple.com/jp/app/dos-v-power-report/id877524169?mt=8
- Google eBookstore
- https://play.google.com/store/books/details?id=7b5YBgAAQBAJ
- 楽天kobo
- http://books.rakuten.co.jp/rk/640555daa68530e7b0fb74032a2a7cf9/
- 雑誌オンライン
- http://www.zasshi-online.com/Magazine/ProductDetail/?page=1&dcode=dosvpowerreport5150129
- 富士山マガジン(最新号にリンクします)
- http://www.fujisan.co.jp/product/1879/
- honto
- http://honto.jp/ebook.html
- マガストア
- http://www.magastore.jp/
- Reader Store
- http://ebookstore.sony.jp/
- ポンパレeブックストア
- http://ponpare-ebook.jp/
- BookLive!
- http://booklive.jp/
- auブックパス
- http://www.bookpass.auone.jp/